不識の塔 公演情報 劇団野の上「不識の塔」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    一号二号三号
    実在する不識塔というのは、世界遺産「白神山地」の一角の山中に立っている不思議な形をした塔。レンガ造りで、高さは20.8m。まるでタイやミャンマーなどの寺院に見られるような三層の円筒形をしていて、頂上には宝珠の飾りがついている。不識塔の形は、「主」という漢字をかたどっているのだとか。これは、この塔を建てた権藤主の名前だ。彼はその辺り一帯を開拓し開拓記念として自らその塔を建てた。今回のお話は津軽に現存する塔と実在した人物をモデルに、劇団野の上独自のフィクションだ。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    大正の中頃、自らの死期を悟った主は、友人で医師の工藤に遺書を託す。その遺書にはなんと、本妻の他に一号二号三号と妾がいたことも明らかにし、ついでに遺産分配も記録してあり、その遺産分配の条件に、塔に身内を集め最後の願いとやらを託していたのだ。

    その願いと言うのが突拍子もなく、大きな木樽に酒を注ぎいれ死んだ自分を酒漬けにして保存するというものだった。遺族は遺言どおりにして、事実、50年の間、酒漬けした遺体を保存していたらしい。そんな描写をするためにアゴラ劇場には大きな木樽が運び込まれておりその中に入った水に役者を突き落とすシーンが観られた。苦笑

    舞台はどちらかというと笑いを狙ったシーンがいくつかあり、全体的にコメディを狙っていたみたいだが、大爆笑はなかった。また津軽弁が殆ど理解できなかったので、その部分が全く理解不能。

    権藤主が抱く女の処女を追い求める幼稚さや、死ぬ間際に腹の中に戻りたい、という意識の幼稚さにも苦笑しながら、緩く楽しめた舞台だった。
    ナヲ(主の本妻)の言動で会場を沸かせる案だったのだろうが、逆に引いてしまった感があり、もっと絶妙なセリフセンスで笑いをとって欲しかった。

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    2011/08/21 21:28

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