満足度★★★★★
初演より洗練度が増した
「観たい」にも書いたように、声きもを知ったきっかけはこの『黒猫』の初演。
70年代から続いてきた明大の老舗劇団「螺船」が活動休止中で後を受け継ぐ形で、声きものDMが送られてきた。
その時代の既存の名作を上演してきた螺船が観られないのはさびしいが、声きもは脚色上演スタイルで、肉体を駆使して斬新で面白い演出だなぁと注目し、毎回楽しみに行っている。
主宰の山本タカさんは若手の中でも私が最も注目しているホープで、学生演劇の中でも頭一つ抜きんでた存在に思える。
かなり観る目の厳しい人にお勧めして観てもらっても、みなさん、初見で一様に「想像していた以上」と感心しておられる。
現代口語演劇とは対極にある作品を作る人だが、この独自色は保ち続けてほしいと思う。
『黒猫』の再演をずっと希望してきたので、今回の上演はとてもうれしかった。
初演と大筋は変わらないが、見せ方がより洗練された印象で、ダンスもとりいれ、すっきりとリズミカルで、初演より疲れなかった。