"公演終了!"ジュリーの絵本 公演情報 劇団MAHOROBA+α「"公演終了!"ジュリーの絵本」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    小品で気の利いた、真っ直ぐな舞台
    RAFTというサイズにマッチした内容。
    手のひらに入るサイズだけど温もりが感じられる、そんな舞台。

    ネタバレBOX

    3つの話から成り立っているのだが、この構成がなかなかうまい。
    最後の1話と他の2話の関係が、変なオトシ話になっていないところも好感が持てる。

    第1話「LOVE LETTER chu YOU」はタイトルにもあるような視点がとてもいい。ただし、センチメンタルに引っ張りすぎるところはどうかなとは思う。もっとあっさりでも伝わったと思うのだ。それと、つかみを元気よく、からそうなったのだと思うのだが、特に主人公が常に半身に構えて台詞を力強く言うのも、ちょっとどうかなと思った。

    第2話「アマラ」は、童話のオオカミが主人公に、という特に目新しい内容ではないのだが、オオカミを演じた小幡健太郎さんの熱演が最後まで観客を牽引していた。単に童話のオオカミが主人公だった、というだけではなく、その人となり(狼となり?)をも垣間見られた感じがある。台詞だけではないところまで演じたと言うと言い過ぎか。

    第3話「カフェ ラング・ド・トャ」は、なかなか粋な感じにまとめたと思う。ベタつかず、さらりとした手触りで、さらに全体の構成までも説明過剰にならず見せてくれる。この感覚は悪くない。いかにもオチっぽい感じも嫌みがない。この嫌みのなさはここの持ち味なのだろう。ただ「なるほど」と思わせるだけではもったいない気もするのだが。

    小品で、カフェとか、今回のようにギャラリーのような会場にふさわしい内容だったと思う。真っ直ぐで陰りや嫌みがまったくない。良くも悪くも「お行儀良さのある舞台」と言ってもいいだろう。
    そういう意味でも、子ども向けの内容というわけではないのだが、小学生の演劇教室みたいなのにもマッチしそうだ。
    逆に子ども向けの内容ではないだけに、小学生高学年ぐらいならば、観劇後も心に残って、ちょっと考えたりするのではないのかな、と思うのだ。

    ただし、品が良くて行儀がいいだけではなく、毒までとは言わないが、少なくとも小学生ではないスレた大人の観客の感情を、もう少しでも揺さぶるようなヒトコマが欲しかったと思うのだ。
    強い「パンチ」のような情熱のようなものでもいい。そういう「フック」のようにもなるものがいくつかあれば、観劇後も必ず心に留めることができたと思う。

    今回の舞台は、コの字型の観客席となっていた。しかし、正面が公演の正面であり、左右の席だと(特に1話・2話)、役者の後ろ姿や横顔などしか見えず、台詞も少し聞き取りにくかったのではないかと思った。せいぜいハの字ぐらいだったらまだ良かったのではないだろうか。

    今回は「番外公演」ということで「本公演」とは違うようだが、このセンスを本公演(長編)ではどのように見せてくれるのか、もっとパンチがあるのだろうか、とか、ちょっと気になった。

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    2011/08/06 07:16

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  • みよっすぃーさん

    コメントありがとうございます。

    「パンチ」と言うのは「パッション」でしようか、中に書いたような「観客の感情を揺さぶるようなヒトコマ」ですね。
    センスというか品のようなものを感じたんですよね。
    本公演、ちょっと気になっています。

    2011/08/08 08:08

    アキラ様

    コメント有り難うございます。
    多くの感想・ご指摘・ご助言、今後の活動に生かしていきます。

    今回の公演はかなりストレートな作品ではあります。
    アキラ様の考えられるパンチのある舞台でるか、是非次回本公演でお確かめ頂けたら幸いです。

    ご来場有り難うございました。

    2011/08/06 09:55

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