満足度★★★
複雑な伏線、しかしあっさりと・・・
この芝居も、ユーザーの評価が大きく分かれているが、
私には残念ながらイマイチに感じられた。
開演前の舞台風景は照明の効果もあって美しく、
やや暗めの中に木製の結構立派な椅子が2つ横に倒れていて、
これから起こるであろうドラマを観る者に何となく想像させる。
さて、大体の筋は他のユーザーのレビューですでに紹介されているが、
「実験都市」の役人達(?)と、「実験都市」から別の裏都市への亡命者達、
これらのグループが前半は交替して登場し、
その後これらの登場人物が混じり合って、さらに進行していく。
さらにその後、「裏都市」から逃げてきた少女も加わる。
それで、すでに書かれていることだが、前半しばらくは伏線が多く、
背景や事情が良く分からないまま、専門用語(?)的な台詞が一杯出てきて、
少なくとも私には、中々頭を働かせ回転させなければ
付いていけない内容であった。
ところが、前述の通り、初めは別々に登場していた人たちが一堂に会して、
話をするうちに、これらの「伏線」が氷解してしまう。
まあそれは、分かりやすくなったという点では良いことなのかもしれないが、
ちょっと拍子抜けの感が……。
だって、「伏線」というのは、話が進むにつれて、
じわじわ氷解して行った方が、楽しいですからね。
結局は、作家が書いた話を、実験都市の指導者がそのまま実行している、
ということらしいけど、「まあそうなのか」と思えばそれまでだけど、
この辺もすっと腹に落ちない気がして…。
それから、役人達の隊長らしき人は、初めはいささか頼りなく、
しかも何を頼んでも「都市からの命令」というだけで、
いわゆる「典型的公務員」というタイプなのだが、
急に性格が変わって、劇場的な指導者タイプになる。
このあたりが特にそうだが、不必要な怒鳴り合いが多く、
その辺もちょっと個人的には引いてしまった。
ところがさらにもう一度性格が変化し(?)、
亡命案内人役の女性と恋に落ちてしまうと、なぜか優しい家庭人になり、
裏都市から脱出してきた少女まで愛しむようになる。
別に体験を経て変化することは悪くはないのだが、
変化する理由が私には釈然としなかったのですよね…。
あと、細かいことであるが、亡命者グループの売春婦役の女性は、
終始シュートパンツ姿で、まあそれもいいんだけど、
ただ、亡命途中で、人工太陽が消えて砂漠で
急に酷寒に襲われるシーンがあって、
他の人達は、冬支度のような格好になるのだけど、
この人だけはそのままで、特別寒がっている様子もないまま。
こういうところにも少々違和感を感じてしまった次第。
2011/08/04 11:05
2011/08/02 13:49
本当はそちらの議論にも参加したいのですが・・・。
他公演のレビューも遅れてまして・・・。
>台本は、起承転結じゃない、昨日今日明日明後日だ
はい、何でもアリと思いますよ。
今後のご活躍をお祈りしております。