パール食堂のマリア 公演情報 青☆組「パール食堂のマリア」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    切なくて素晴らしい!!
    横浜の哀しさが様々な登場人物を通して描かれていました。表現方法も工夫がみられ、小夏さんの一つの集大成とも思える素晴らしい作品でした。

    ネタバレBOX

    パール食堂の親子を中心に、近隣の人々を通して横浜の哀しさがいっぱい溢れていました。ただ、東京のやつらとか、あの丘の上の墓地とか、港が見えるとかいった表現はありましたが、横浜という言葉は出てこなかったと思います。それでも具体的に横浜のことだと分かり、かつ戦後を引きずっていたあの当時の日本が伝わってきました。

    混血児の哀しさもさることながら、間引きの実態も明らかにされました。悲しい現実です。

    お母さんがお父さんに将来のこととして混血児の雇用をお願いしたシーンがありました。贖罪としてのお母さんの意志だったことが明白にされましたが、あの言葉が無くてもパール食堂のコックさんが混血児である理由はほんのりと伝わっていたと思います。

    ストリップ劇場の支配人と踊り子の関係、オカマバーの店主の望郷の念、美容院親子の男の子と母親らしい関係もくすぐられました。妹の同僚の松田先生をあんな設定にまでしなくてもと気の毒になりましたが、愛のりんごの効果か姉とコックの光治の関係に光明が見えてきてホッとしました。

    下手と上手上部の別々の場所のシーンで、交互に台詞を言いながら会話するという手法は難しいだろうなと思いつつ新鮮に感じました。

    パール食堂のテーブルの一部がバーのシートにも使われていましたが、違和感無くとても自然な流れでした。

    ここでも100万回生きた猫がモチーフになっているように思えました。そんな猫や猫たちの魂、姉の子供時代などを演じたナナシの存在が素敵でした。

    吉田小夏さんの集大成とも思える切なくて泣けて、それでいて笑って迎える明日がある、そんな作品でした。

    因みに、この話から10年後に私もメリーさんを見掛けたことがあります。初めて見たときは白粉の白さにぎょっとしたことを覚えています。

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    2011/07/31 13:59

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