花と魚 公演情報 十七戦地「花と魚」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    全てが無に帰すような
    95%のSFと5%のファンタジーロマン。

    ネタバレBOX

    小さな村で起こった事件についてはSF、全国規模に広がってからはファンタジーロマンといった感じでしょうか。

    口蹄疫問題における国の対応への不満、海から押し寄せる大津波や原発事故以来の目に見えない放射能汚染への恐怖が基になっているようで、数値を少なくみせるなどの隠蔽体質などは現実と同じです。情報の混乱、国の出先機関の意義、野生動物への対処方針なども具体的で現実味が増していました。

    楳図かずおの漫画にも足の付いた魚がありました。ばさばさ歩いているわよで、魚の下側に人間の足がついているように想像してしまいましたが、実際はシーラカンスの前ビレがもう少し足状に発達したような生物でした。

    海に花が咲くあたりから様子が一変しました。小惑星の衝突によって恐竜が滅びその後哺乳類が繁栄したという定説などとは異なり、遺伝子に組み込まれた必然から種の交代が起こるという説で、魚は陸上の新しい支配者に進化していくために上陸し、人類は魚に戻っていくというファンタジーロマンになりました。

    尊敬されていた人が間違いを犯していたり、事件を通じてだらしないと思われていた人がしっかりしてきたりと様々な人間模様が描かれていましたが、それはいったい何だったんだと言いたくなるくらい全てが無に帰すというか魚に帰しました。

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    2011/07/30 10:56

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