満足度★★★★★
「滅びの都」からの再生
あまりにも素晴らしい舞台だった。どんなふうに褒めてもきっと足りない。物語は未来都市で生きる人々を扱ったSFものだが、舞台セットは椅子のみで殆どない。音響と照明、衣装とキャストらの演技力でもって、観客にそのシーンを想像させるという技。しかし、ワタクシには、風の吹きすさぶフカイの砂漠の真ん中にひょっこり現われた実験都市の情景が目に見えるようだった。またこの壮大な物語を書いた三浦剛の頭脳に改めて驚かされる。
序盤で撒いた伏線の回収も終盤できっちり掴み取る。主役は案内人(佐藤晃子)だったが、彼女の衣装はどことなく「風の谷のナウシカ」の旅人のようで、ひじょうにさまになっていた。また、案内人が肉の塊となるラストは一枚の切なくも美しい絵を観てるような芸術的シーンで泣きたいほど狂おしい場面だった。そうしてあまりの感動に泣けた。
以下はネタばれBOXにて。。
2011/08/02 16:20
2011/08/02 14:42
G.com三浦>
コメントサンクス。
とっても素晴らしい物語でした。
映画でもイケルような場面のシーンはまるで地上のラピュタのよう。
すんなりと物語に入れたのははやり脚本の秀逸さとキャストらの演技力だと感じました。
そして、時折、ヒューヒューと風の音が響く情景は、外の世界の暗黒さを物語っていました。
ワタクシはこういった架空世界のSFものが大好きです。
それはいつか、本当に起こる得る未来の予想図でもあるからです。
マルガリータは裏都市が存在しないことを知りながら、三人の亡命者の案内をしていたのは、裏都市に希望があると信じていたものへの配慮だと感じました。人は希望さえあれば生きていける。
これはロマンです。壮大なロマンを感じ観ていて震えました。
ですから幕後にキャストらの挨拶があった時には、感動でうるうるしながらも、手が千切れんばかりに拍手しました。
今でも、こうして書きながらもうるうるしてしまいます。
良い物を見せて頂きました。またこの感動を忘れずに観に行きたいと思います。
良い公演とは何も回数で勝負するものではないと思います。
1年に1度の公演だろうとも、充分練り上げて完成させた舞台に観客は感動し、その拍手喝さいを受けて、劇団側も喜びや新たな感動を体験するのだと思います。
はい。ポーランドの装置は悪にも善にも使えると思いました。
ポーランドを操る悪の組織が居たとしたら、世界を完全に支配できる。
ずっと応援していますよ。頑張って素敵な物語を作ってくださいね。