玄朴と長英 公演情報 ピーチャム・カンパニー「玄朴と長英」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    好感が持てる真摯なチャレンジ
    小劇場の若手が眞山青果の戯曲を取り上げるとあって、楽しみにしていた。

    元禄忠臣蔵のような大作は観ているが、本作は初見。

    夏の演劇界は、昔から若手の勉強会が多く開かれてきたが、この公演も若手が難物に真っ向から取り組んだ有意義な二人芝居で好感がもてた。

    青果ファンにも、青果を知らない人にもお勧めしたい。

    これを機に、眞山青果に興味を持って、新歌舞伎の公演も観てもらえたらうれしいのだが。

    この会場、多いときは週3回くらい前を通り、工事中も見ていたが、画廊に改装されたとは知らなかった。

    まさか、ここで上演するとは思っていなかった。

    外から見ても戸が閉まっているとわかりにくいのだ。

    このことを含め、詳細についてはネタばれで触れます。

    ネタバレBOX

    開演前、出演者2人が洋服姿で立っていたのには驚いた。時代劇で上演するとばかり思っていたので。

    出演者は開演前には出てこなかったほうがいいかなとも思う。

    何しろ、長英の八重柏泰士は顔左半面ケロイドのメークをしているのだし。

    ストーリーは公演ページに書いてあるので、省略します。

    青果の劇は独特の台詞術で、歌舞伎俳優でさえ、技量を問われ、誰でも演じきれるというわけではない。

    お2人も苦心されたろうと思う。

    息の合った劇団員同士、伊東玄朴を岩崎雄大、高野長英を八重柏と、白と黒、オセロのようで、両者の色に合った配役で楽しませてもらった。

    現代の服装で演じたので、所作に気を配る必要もなく、俳優は台詞に没頭できたと思う。


    現代の煙草を吸ったり、ワインを飲んだり。特に煙草を吸う場面は、芝居の流れで間を持たせる効果もあり入れたのかと思うが、やはり仕草から現代劇のように感じて、話の内容との違和感を覚えてしまうのだが。

    八重柏の長英は、終始ワイルドなラテン系の男みたいで、「うざい!」と言ったのにはびっくり。

    だが、役を彼のものにしていて、不思議な説得力を感じた。

    岩崎は日舞や狂言を習得しているだけに、洋服を着ていても歌舞伎俳優のような風情があり、なかなか見せる。

    お互いに尊敬できる部分、反発し合う部分を相手に感じながらも、微妙な連帯感や友情で結ばれ、それゆえに苦悩も背負っているということを1時間という短時間の芝居で伝えたのは、原作が優れていることはもちろんだが、川口典成の等身大的な演出のなせる業といえよう。

    人間関係が希薄で特定の人間と関わりを持ちたがらない傾向にあると言われるツイッター世代の若者に観てほしい佳品だ。

    こういう公演は、劇団の意図は知らないが、私は劇団の常連ファン以外、日頃演劇に縁が薄い人や学生にこそ観てもらいたいと思うのだが、いくら中身が濃くても1時間の芝居に当日3000円の料金は、演劇通なら気にしなくてもそういう層には割高感が否めないと思う。
    ギャラリーでの実験的公演だけに上限2000円くらいで気軽に見せてほしいと思う。

    ツイッターで劇団関係者が宣伝ツイートをしきりに行っていたが、時間ばかりで料金は書いてなし、指摘するまで場所の説明もなかった。

    多くの人に観てもらいたいとツイートしながら、宣伝の仕方がよくないと思った。

    会場前も特別の催事があるのかなという感じで、受け机だけで、フラッと入れる雰囲気ではなかった。

    今回、DMも来なかったのでチラシも手にしてないのだが、コリッチの公演情報と重複しても、当日、コピーの紙1枚くらい配布してもよいのでは。

    私なら、簡単な作家紹介や時代背景の説明くらいはした印刷物を配る。それだけの料金を取っている公演なのだから。

    この劇団、前身の学生劇団の頃から、ソフト面が不親切というか「勝手に観なさい」と言われているようなところがあって気になっているが、現代は多少のサービス精神は必要だと思う。

    0

    2011/07/25 20:06

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大