玄朴と長英 公演情報 ピーチャム・カンパニー「玄朴と長英」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    台詞に重点が置かれた緊密な芝居
    この日の会場は、劇場と言うよりも、普段は画廊なのか、
    あるいは元々は美容室か洋品店だったような小さなスペースで、
    道路側に、ショーウィンドーのような大きなガラスと、
    やはりガラスが嵌め込まれた扉があり、
    そのままならば道路側から中を覗くこともできるし、
    逆に内側から道路を歩く人を眺めることもできる。

    ネタバレBOX

    さて、それまで前説やお客さんの案内などをしていた2人の男性が、
    道路側の2つのシャッターをいきなり下ろし、
    外側と完全に遮断されるところから、この芝居は始まる。
    (余談だが、したがって遅刻したら正規の入口(?)からは入れない。
    あるいは裏口があるのかもしれないが?)

    舞台(というか客席と同じ空間で、
    椅子が無くスペースがあるだけだが)には、
    2人座れる大きさのソファなどがあるだけ。
    そして、2人とも洋装で、いきなりつかみあいから始まる。
    んん?これは前衛ものだったっけ?と思ったり……。
    しかし、つかみあいが終わり、2人の対話が始まる。
    基本的に、この芝居は対話のみによって成立している
    と言っても過言ではない。
    台詞は前衛ものとは全く異なった、至極真っ当な(?)時代劇風のもので、
    もしこの芝居を、時代に合った舞台装置と衣装で演じても、
    (多少月並みかもしれないが)立派な一つの演出となったと思う。
    私も、正直、最初のうちは、白熱した言い合いには満足しながらも、
    「なぜ、洋服とソファでやるの??」と若干の違和感が……。
    しかし、観ているうちに、なぜかそのことが全く気にならなくなってしまった。

    私の勝手な推測だが、やはり台詞と役者の表情の力でこの芝居を成立させたい、という考え方で、あえて、衣装や装置をニュートラルに
    したのではないか? そんなことを思った。

    音楽も抑制的で、時々クラシック調のものが流れる程度。
    こういう控え目な使い方もむしろ効果を上げていたように思う。
    ということで、緊迫感ある大変良い芝居を観ることができた。
    まあただ、台詞に重点が置かれた緊密な芝居なので、
    少々のトチリでもできれば無い方が良いし、
    振りについてもより磨きをかけてくれれば、ということで、
    5Pではなく4Pとしました。

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    2011/07/24 02:18

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  • >もしこの芝居を、時代に合った舞台装置と衣装で演じても、
    >(多少月並みかもしれないが)立派な一つの演出となったと思う。
    これはもともと正統な時代劇として上演され続けてきた戯曲じゃぞ。
    キミは真山青果のなんたるかも知らんのか。

    2011/09/19 16:28

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