玄朴と長英 公演情報 ピーチャム・カンパニー「玄朴と長英」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    拍手がなりやまない
    深層心理をえぐるような濃密な二人芝居だった。幕後、会場から拍手が鳴り止まないので八重柏泰士が手で制したほどの素晴らしい舞台。
    伊東玄朴と高野長英の二人が真山青果の筆によって議論を戦わせる緊密な対話劇。


    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    1845年(弘化2)3月末、江戸・御徒町の蘭学医・伊東玄朴の家を、火災のため伝馬町の獄を一時釈放となった旧友高野長英が訪れる。長英は帰郷するための旅費を貸せと迫るが、玄朴は拒む。理想家肌で激情に駆られ尊大な長英と、現実家肌で冷静な玄朴との対立は、蛮社の獄や渡辺崋山の死をめぐってさらに深まり、喧嘩のすえに長英は金を借りずに去っていく。しかし玄朴は「俺の心の底の底まで入ってきて心を苦しめるが、それで同時に一粒の寂しい種を置いていく奴なんだ・・。」と長英を思いやる玄朴の友情は変わらない。

    金を借りる側の長英が半ば威張って強引に暴力的に「金を貸せ!」とのたまい、金が借りられない状況に陥ると今度は母親をダシに泣き落とし作戦で借りようとする傲慢さに思わず笑った。一方で長英の自分の思い通りに吹く笛に踊らされまいと、頑なに断る玄朴の情景が哀れだった。

    観劇前に本を読んだことが効を奏して解りやすく楽しかった。性格対比な2人の対立はある意味、恋人同士の争いにも似た会話の攻撃があって、面白かった。



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    2011/07/23 17:24

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