このまちのかたち【終了致しました。ご来場くださいました皆様に心より感謝致します。有難うございました。】 公演情報 机上風景「このまちのかたち【終了致しました。ご来場くださいました皆様に心より感謝致します。有難うございました。】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    ドキュメンタリーとは
    とある事件の当事者たちと、それを撮影する熱血映像作家の様子が淡々と描かれていました。この一回の作業だけでなく、日を改めて何回も撮り続けることでこの町の形、即ち真実が見えてくるのではないでしょうか。

    ネタバレBOX

    登場人物は卒業作品でドキュメンタリー映画を撮ろうとしている理恵子、祭りの屋台でジュースを買って飲み、子供を亡くし、自らも農薬中毒になった友里、興奮すると異常行動を起こす睦美、ジュース工場に勤務しており、祭りの当日もジュースを搬入した友里の夫の隆昭の四人。

    現段階では、公式にはその場で毒が混入された毒カレー事件と、製造過程で毒が混入された毒餃子事件のどちらの可能性も否定できないものの、睦美を疑って映像に収めようとする正義感に燃える理恵子を中心に、自らも麻痺や痛みが残っており、ただそれ以上に子供を失ったことへの後悔の念に悩み続ける友里、同じく子供を失ったことやジュースを搬入した責任を感じ妻と別居し、会社員の立場と更には睦美を犯人と考え暴力を振るったことで裁判所から接近禁止命令が課せられてしまい、身動きが取れない空しさを抱える隆昭、一方、自分の描いたシナリオの中にいて、少し異常行動を起こしながらも事件との関係性を否定している睦美を淡々と描いています。

    事件は風化しても四季はいつものまま訪れる、しかし心の傷はいつまでも残るという隆昭の空しさは、国破れて山河あり、戦争に負けようが津波が来ようが花はまた咲くということに通じます。

    理恵子の行動は夫婦の関係修復には少なくとも役に立ったようです。くそったれでしたっけ、現場で聞かれた言葉と同じ言葉を映像にも捉えました。いずれ事件解決に役立つ日が来ることでしょう。

    0

    2011/07/10 07:19

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大