満足度★★★★
抑制のきいた佳品九州・大分県の小さな港町で起こった食中毒事件を芯に、4人の人物の関わり合いを描いた佳品。声高にではなく、淡々と語られる事実の重み、心の傷、他者へのいたわり、後悔、怒り、憎しみ、戸惑い。ドキュメンタリー・タッチで凄惨な事件がテーマだが、どぎつさはなく、水彩画のような味わい。舞台装置を使わないシンプルな黒い舞台面に、人物がくっきりと描き出され、余白の美しさを感じ入る。饒舌な芝居が増えているなか、たまにはこういう静かな作品を週末に鑑賞するのもいいと思う。1時間20分という上演時間も抑制がきいている。
ネタバレBOX
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2011/07/09 02:15
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