満足度★★★
演出の拘りは賞賛したい・・・
演じる舞台上には、厚さ15cm程度に幅2m位で奥行き3m位はあるだろうか立派な一枚板が敷かれ、聖書の中にある詞と絵のようなものが書いてある。そこが十字路で、その十字路を昼夜陰日向なく見守るように、舞台右上部に向日葵を思わせるよう微笑む太陽、舞台左袖下部には、嘆きを思わせるような三日月を描き組み込んで、立派で美しいステージが創られている。
暗転時には太陽と月の目が灯りとなり、神の下僕のような黒衣を纏った美術係りの動きをうっすらと照らして、深闇の世界でも神の目は惑わせないことを暗示するような仕掛けとなっている。入場者が50~60人強のこの小屋で・・・と、その舞台演出の強い想いと意欲を讃えたい!
その十字路で、それぞれ作者が異なる第一話「嘘と踊るソナタ」、第二話「幸せな日々」、第三話「彼女から遠く離れて」の物語がオムニバス形式で構成され「十字路と絵本」の上演となる。
そして三話ともに出演者全員が、絵本から飛び出した人物をイメージングさせるような印象的なメイクをして演技をしている。この不思議さの統一は見事だ。
道化ピエロを登場させ夫婦ネタを喜美麻呂ほどではないけど、悲劇とも喜劇とも思える嘆きの心の彩を表現したり・・・開演時に流れる楽曲は、それが、80~90年程前のアコースティック・ギターの弾き語りで「クロスロード伝説」のアフリカ系ブルース歌手・ロバート・リロイ・ジョンソンであることなどの拘りも賞賛したい。
舞台美術・出演陣のメイク・音響など着想に優れた演出と思うのだが…。以下ネタバレ…。
2011/07/08 03:00
2011/07/07 04:32
ご丁寧にコメントまで戴きまして、本当にありがとうございます。
今回の公演で、書きそびれたのですが、
チンチクさんの演出は、やはり素晴らしいと感じた事・・・
舞台美術の優れたことは勿論なのですが、
暗転時に、太陽と月の目が妖しく照らす中、
黒衣さんがセッティングしている間も、静粛感と不安感があり、
神のみぞ知る人生と考えるなら、
黒衣さんも、神子に見えて、
その後の人生を操る神の使者がセットをしているのだ!の意識が垣間見えて、
そのインターバルが、なんとも言えない癒しの、空間と時間であったことでした。
場面転換を、非常に上手く描いたなぁ~と感心しました、
そして、出演者の皆様もとても謙虚で、
舞台が跳ねた後も敏捷に、お疲れにも拘らず(1Fの控室から走り出たのでしょうか?)
観客の私達より、劇場の外へ早く出て来られていました。
一緒に行って観たお内儀様が、とても感動してました。
最近2人で一緒に観た芝居の中では、一番楽しく良かったとも言ってました。
芝居後、二人で飲む劇評のビールが、いつにも増して美味しかったです。
阿佐ヶ谷の落ち着いた夜の雰囲気も良いですね。
小旅行のほろ酔い気分、深夜まで3件程堪能させて戴きました。
tYphoon一家様との出逢いのおかげです。ありがとうございました