満足度★★★★★
当代最高のシャイロック
この作品を知ったのは小学生のころで、お芝居で観るより先に、子供向けに書かれた物語を読みました。
男装のポーシャの機智に富んだ胸のすくようなお裁きに心を奪われたものです。
浅利さんの演出では、評判に聞く民藝の滝沢修さんのシャイロックは残念ながら観ていません。
レトロな雰囲気の自由劇場にはぴったりの美しい舞台美術に幕開きから見惚れてしまい、最初から最後までわくわくして観ていました。
家族に誘われての観劇でしたが、平さんのシャイロックが観られて本当に良かった。私にとっては最高の『ヴェニスの商人』となりました。
これぞ“磨き抜かれた名人芸”と形容するにふさわしい作品だと思います。
2011/06/27 03:37
2011/06/27 01:11
コメントを、どうもありがとうございました。
平さんに実際にお会いになってるというのは素晴らく、また羨ましいですねぇ。さすが演劇のお家(笑)。
なるほど本当にファンだと、ご本人を前に、案外、言葉が出てこないのかもしれませんね。
また、KAEさんは「キャッツ」で大衆化する以前の四季のお芝居もたくさんご覧になり、お詳しいと思います。
浅利さんの解釈・演出も素晴らしいけれど、俳優によってこうも素晴らしくなるのかと言う見本のような公演で堪能できました。
ちなみに「東映の善人役では柳生十兵衛しか・・・」と書きましたが、平さんは東映の「千姫と秀頼」で大阪夏の陣の坂崎出羽守も演じていて、これは悪役ではないのですが、顔にやけどを負ったため、千姫からは疎まれ嫌い抜かれてしまう役でした。同じ役をTVでも演じられて、坂崎というと、いまだに私の中では平さんのイメージがあります。
いまの松緑さんのおじいさんの松緑さんの「坂崎出羽守」もよかったですが、悲劇味では平さんのほうが出ていたように思います。
坂崎も、シャイロック同様、運命にさからえず、出自のこともあり理不尽に排斥される役と言う点では共通点があるように思いました。