満足度★★★★★
現在と高校時代とを交錯させる手法が非常に効果的
私は、結構漫才も面白かったと思ったが
(というか、最近観たコントや漫才が滑っていたものが多いので・・・意図的なものも含むが)、
それよりも、現在と高校時代とを交錯させる手法が
非常に効果的であったことを何より評価したい。
青春時代は、さまざまな夢を抱く。それは、甘酸っぱい記憶であるが、
でも、夢を描けること自体、とても素晴らしいことである。
一方で、その夢をかなえることに困難を伴うことも多く、
厳しい現実の前に挫折を味わうこともある。
また、親の職業を継ぐ(そのこと事態が悩みになることもあるが)決断を
したものの、時代の変化で、厳しい状況に追い込まれることもある。
しかしながら、青春期に羽目をはずしていても、職業人として、また人間としてしっかり成長していることもある。
そして、誰がいつ、どのような病気に見舞われるかどうかも分からない。
こういう、夢と現実との対立と一致、
そして不条理を含む人生の様々な出来事を、
現在と高校時代をこまめに交錯させていく手法でこの劇は進んでいくし、
この手法は大変成功していたと思う。
一見の価値ありの芝居、である。