ベッジ・パードン 公演情報 シス・カンパニー「ベッジ・パードン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    「異国」イギリスでの小さな恋物語
    まだ「異国」という言葉が有効だったと思われる、遠く明治の時代の
    ささやかでほんの少し悲しい恋の物語。

    と書くと、わずか二行でまとまる話ですが、そこは三谷氏。
    細かく作り込まれた舞台装置(まさか、開演前の遮断幕にまで工夫が
    施されているとは思わなかった)に、さりげなく意味を持たせている
    浅野さんの十を超える配役、笑い取るだけかと思った要素にも
    気づかれないように伏線が仕組まれ、

    あぁ、やっぱり三谷さんだなぁ、と。 でも、今回は配役が配役なだけに
    素直に笑えて、泣けて、そして最後はきれいにまとまった、文句なしの
    作品でした。

    萬斎金之助、異様なほどに板についてた。 堅物で生真面目だけど
    ひとりの男って感じの金之助は、「夏目漱石」という作家から受ける
    印象とは違ってて、近しく思えました。

    ネタバレBOX

    ベッジ役の深津絵里の魅力を存分に堪能出来ますね、この作品。
    コックニー訛りを表すための、少しカン高く、鼻につく感じの話し方も
    最初は戸惑ったけど、慣れてくると、その話し方がとっても可愛らしく
    思えてきて。

    彼女が話す夢の話。 その奥に隠されていたのは「何もない自分が
    唯一手に出来るもの」だからであり、そのことがラストの展開に続く
    伏線になっているのが素晴らしいです。

    というか、ラストの萬斎さん演じる金之助がベッジに自分の想いを
    最後切々と訴えかける場面に思わず本気で泣いてしまいました。
    いかんね、自分、こういうのには弱すぎる。 そのあとの、ヘッジの、
    金之助に向かってそっと語りかける言葉も素敵だ。

    二幕始まっての、萬斎×深津の、キュンな展開は良い良い。
    こういうのもなんか、好きだなぁ。 机の下のとか、いいのかな?笑
    金之助、結婚しているのにー。

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    2011/06/11 07:11

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