ローヤの休日 公演情報 ゲキバカ「ローヤの休日」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鍛えられた身体の迫力!エンタメに徹した人間ドラマ
     四方を客席が囲むほぼ何もない抽象舞台で、文字通り俳優の身体で見せていきます。やり手の窃盗団が見事に宝石を盗み出したものの、逃げる途中で警察に捕まり全員監獄へ。窃盗場面を躍動的なダンスで表すのは見ごたえ抜群です。

     女囚バージョン、男囚バージョンの順に鑑賞しました。女囚バージョンは健康的なお色気ムンムンで、たとえば所長役の三枝奈都紀さんの美脚に目が釘付け!(アタシ女なんですが!)男囚バージョンは高い身体能力ならではのダンスとステージングにチームワークの妙、舞台上での即興的な遊びなど、ライブ・パフォーマンスの魅力、迫力が詰まっていました。劇団員の役者さんは粒ぞろいだと思います。

     どちらかというと私は男囚バージョンの方が面白かったですね。女囚バージョンばダンスも演技も、女優さんが必死で理想に追いつこうともがいている状態で、まだ自分たちのものにはなっていない印象でした。公演後半に観たら違っていたかもしれません。

     所長(副所長)と看守とのアドリブ場面では大いに笑わせていただきました。女囚バージョンでの看守(岡田一輝)、男囚バージョンの副所長(渡辺毅)は1人で全空間を担う大役で、観客の反応に合わせる自由自在さも爽快。

    ネタバレBOX

     どちらのバージョンにも独房に入っている主人公がおり、彼(彼女)は窃盗事件現場を回想して、さらには仲間との出会いとそれ以前の半生も振り返ります。

     死刑囚の独房に窃盗団仲間が訪れる時点で、今起こっていることが夢であることは自明。どこで、どのようにタネを明かすのかと探りながら観ることになりました。でも主人公の生い立ちが徐々にわかっていくため、サスペンスのムードが持続し、繰り返されるダンス場面もかっこいいので、最後まで集中して物語を追うことができました。

     仲間全員を裏切って宝石を自分のものにし、1人で逃げようとした主人公。心の奥に潜む弱さゆえ、保身に走らざるを得ないのです。彼(彼女)が人を信じられないのは、無条件に自分を愛し、見守ってくれる家族を幼い頃に失ったからでした。
     女囚バージョンと男囚バージョンでは主人公の家庭のエピソードが違っていて、男女の差をよくあらわせていたと思います。

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    2011/06/10 13:58

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