グラデーションの夜 《群青の夜》 《黒の夜》 《桃色の夜》 公演情報 KAKUTA「グラデーションの夜 《群青の夜》 《黒の夜》 《桃色の夜》」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    広がりのある企画、広がりのある客席
    「黒の夜」と「桃色の夜」を観ました。
    これはただ単なる「小説の舞台化(リーディング)」ではなかったようです。

    「文章を読む(音読する)」ということ、「せりふを話す」ということ。この企画は、二つの違った表現が作り出す波を使って、「読書」の時間、その世界を舞台に再現しようとしていました。

    小説と、それを読む時間、そしてその時読み手の脳内に広がった世界……それらが同時にそこにあるような。

    だからこそ観終わった時の感覚は「体験型」に近いというか。



    ネタバレBOX

    もちろんそれには相当な読み込みと計算が必要でしょうし、時には「作り過ぎない」「説明しすぎない」ことも必要でしょう。オリジナルの物語との関係や「桃色」の猫や音楽のありようなどなど、ちょっと気恥ずかしさというかベタさを感じてしまった部分もあります。

    とはいえ、価値ある企画だし、俳優も含め魅力ある時間を生み出せていたと思います。「桃色の夜」では対面する客席に涙する女性が数人。それはもしかしたら「恋愛」というテーマへの感情移入にすぎないのかもしれませんが、それをきっかけに「演劇の時間」の楽しみが染み込んでいくのなら……。
    客席の様子にも夢が広がる上演でした。

    0

    2011/06/09 11:54

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大