満足度★★★★★
太陽の光の中で観るお芝居
観た。
良い作品だった。
同じ時刻に同じ場所で生きてる、動いてる人達を横目でそっと覗き観る、そんな感覚とでも言うんだろうか。
まったく横田さんは良い場所を見つけたなあ。
頭が下がる。
今回のカタカタ祭りという3本立てのお芝居は、劇場での上演をしない。
場所は「ギャラリー」である。
ギャラリーといってもそれぞれいろんな場所があると思うので、人それぞれ思い描くものは違うだろうから「ああ、ギャラリーかあ!」とはならないだろうけど、少なくとも私は、数年前タテヨコ企画の上演した同じ作品をあの場所に観に行った時、「へえ!」と思った。
なんつー風通しのよい場所だ!!
と感動したのを覚えている。
その場所に着いて受付をすませ、扉から会場に入る・・・と、目の前に、こちらを向いた客席がどんとある。
はて?
身体の向きを180°変えて客席に座る。
前を向くと、向かいの通りが見えるガラスの壁と自分が入って来た入り口がある。そこを出入りするお客さん達。
ほー。
こっちが舞台なのか!
ってな感じで。
なんていうか、たまらない開放感だ。
そんな場所が、今回の場所。
車やバイクに乗って外から登場する役者。
かと思うと全く関係のない親子連れとかおばあさんとかが、すたすたとその道路を通り過ぎて行く。
どっちが生でどこまでがお芝居なのか、その境界が一瞬くらくらと分からなくなるのです。
作、横田修。
演出、片山雄一。
同じ様に、きっと観ている人には分からないかも知れないけど。
どこまでが台本の力で、どこまでが演出の力なのか。
それがいいんだと思います。
切ない兄妹のお話ですが、
でも今日私は、明るく楽しく生きて行く人の姿の方が、昼間の経堂のお天道様に照らされてぽっかり浮かび、とてもとても愛おしかったです。
あーまた明日からの日常に戻るのに勇気がいる。
2007/11/01 11:26