紅き深爪【沢山のご来場誠にありがとうございました】 公演情報 風琴工房「紅き深爪【沢山のご来場誠にありがとうございました】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    チラシデザインも魅力的!
    虐待自体を見せるのではなく、あくまで登場人物の述懐や心情表現に徹したのが良い。「こどもへの虐待」という問題の本質の一端を垣間見れる。

    ルデコの床とかの雰囲気が、作品の荒廃した感じにマッチしていたとも思うけど、客席により観える観えないの差がかなりありそうなので、劇場でやっても良いのではないか。

    ネタバレBOX

    母より虐待を受けて育った睦美(浅野)と妙子(葛木)は、それぞれ結婚し、睦美は娘・知奈(大塚あかり)をもうけ、妙子は身重。一見真面目で地味な睦美と酒を煽って病院を訪れる妙子(服装も派手)の対比があるが、心の傷は二人に大きく残っている。
    睦美は、「知奈をこんなに愛しているのに、知奈は私を愛してくれない」と虐待に走る。妙子は、お腹の子を堕胎するとヒステリックに喚く。
    それでもなんとか懸命に生きようともがき、母への悲しい愛情を捨てられない二人。ラスト、母が死亡し、深爪した指で母をつねる睦美の姿が悲しすぎる。

    浅野千鶴目当てで観劇した。浅野は、どこか薄幸な役。次観るときは、明るい役を観てみたい。
    注目は睦美の夫・良平(園田裕樹)。妙子やその旦那・宏治(佐野功)から、無能者呼ばわりされるような、地味で主体性もなさそうなオーラが滲み出ていた。そして、ラストの睦美のメモを発見からのくだりで、睦美を守り、道を踏み外す。そこには、傷ついた妻をこれ以上傷つけまいと苦悩し、弱弱しくも行動に移した夫の姿があった。

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    2011/05/29 23:14

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