又聞きの思い出 公演情報 ワンツーワークス「又聞きの思い出」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    なるほど、そういう意味?
    昔、まだ若かりし頃、ウディ・アレンの映画は、よくデートで観に行っていたので、ハートフル・コメデイタッチの芝居なのかとばかり思っていました。

    ところがどっこい、かなりストレートな家族劇。自分には思い当たらなかったとしても、誰か知人の家庭では似たような状況が展開されていそうな、万国共通の普遍的なストーリーが、そこに描かれていました。

    ストリーテーラーである、アルマの最初の台詞で、この題名の意味がわかり、なるほど、面白そうと、観客に興味を抱かせるのが、巧みだなと感心しつつ納得しました。

    意外性がないと言えば、そんな気もするけれど、家族の間では、ありがちな感情の行き違いの様が、普遍的なので、それ程、古臭い印象は受けません。

    前回公演では、これ以上ないというくらい、憎たらしいキャラの人物を熱演された重藤さんが、今度は一転、悩める青年を好演していて、役者力のある方だなと驚きました。

    久々に舞台で拝見した萩原さん、時折、台詞を言えるかとハラハラさせられる場面があったのは、残念でした。
    ダイアン役の山田キヌヲさんのスタイルの良さに、西洋人の雰囲気があり、素敵でした。
    奥村さんには、もう少し、ハリウッドで、バリバリ活躍されているエージェントの気風を体現して頂きたかったと思いました。

    もし、またどこかで、この芝居が再演されることがあるなら、今度は、エディ役は、山口馬木也さんに是非と、妄想しつつ、帰宅しました。

    ネタバレBOX

    時々、心に残る名台詞のある、心憎い芝居でした。

    幕が下りた時、後ろの男性は「こえー、こういう終わり方かよ!」と絶句し、前の女性は、「え、意味わかんない」と言いました。

    そんなに、怖さも感じず、意味もわかった私は、芝居の受け止め方って、人それぞれだなと、改めて、認識しました。

    誰にも、家族に言えない想いがあったり、配偶者でない人に惑わされたり、夢と現実の狭間で葛藤があったりと、描かれる世界が万国共通なので、きっと誰もが、登場人物の誰かに自分を投影して観られる芝居だと思いました。

    親の愛情を感じられずに、どこかに愛を求めて、放浪しているアルマを観て、昔、ウディ・アレンと恋愛関係にあったダイアン・キートン主演の映画「ミスター・グッドバーを探して」を思い出し、その時感じた心のヒリヒリが再燃して、何故か、帰り道で泣いてしまいました。

    親子の関係というのは、どこの世界でも、そのバランスが難しいものですね。お互い、愛情がないわけでもないのに、どこかで、歯車の噛み合わせがズレると、男女関係以上に、なかなか元の鞘には収まらないものなのかも。

    0

    2011/05/28 21:16

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大