満足度★★★
ポップなベケット
ここ1年で唯一、2回同じ劇団の芝居を見ました。基本的にここの芝居は「好き」なので、「いいところ」を探しながら見るということはない。ただ「いいな~」と思いながら見ている。だからあんまりコメントが出てこないんだけど、個人的には「ポップなベケット」というコピーを勝手につけています。
今回は再演ということなので、再演についての雑感を書こうと思います。
再演は、難しい。初演とは「これでいいのか?」と「これでいいはずだ!」の比率が変わってくるからだ。あれこれやって自信もつけて、昔の芝居に戻ったときに、「これでいいはずだ」の分量は増えている(はずだ)。ところが再演における「これでいいはず!」には、「これでよかったはず…」が微妙に混ざり込む。そして実は「ぜったいにこれでいいはず!」の躍動感を下から支えていたのは、「ほんとうにこれでいいのか?」であったことに、あらためて気づかされるのだ。
だから本当に難しいのは、「これでいいはず!」の量を増やすことではなく、適量の「これでいいのか?」を再注入することなのだと思う。
それに成功したかどうか、それは私にはわからない。たぶん本当のところは演った当事者にしかわからない。私にわかっているのは、たぶん次も行くということだけである。
ありがとうございました。