満足度★★★
興味深い議論
課外授業の講師として呼んで欲しい職業のアンケートを小学生に取った結果、1番人気となったキャバ嬢を呼ぶかどうかについて親達が議論する様子を描いた作品でした。
BGMなし、照明も最小限の表現の中、台詞の応酬だけで90分の間に飽きを感じさせず、見応えがありました。
本人が気付いていない押し付けがましさや、激しい口論など、女性の怖い面が色々と描かれていて面白かったです。
議論する人々の中に、親でもなく教師でもない人物を1人配置したことによって、両者を繋ぎながら話を多面化していて効果的でした。
子供の教育、職業の貴賎といった考えさせられるテーマをオーソドックスな演出で分かり安く描き、笑いや争い、しんみりさせるシーンのバランスが良く、それぞれのキャラクターの性格がはっきり打ち出された演技も魅力的でしたが、個人的には小説や映画でなく、演劇だからこそ出来る空間的・身体的表現をもっと見せて欲しく思いました。
小学校の教室を模したセットが中途半端なリアルさだったのが残念でした。もっとリアルに作り込むか、あるいは既製品の学校机&椅子以外は何もない抽象的なセットにした方が演技が引き立ったと思います。