満足度★★★★★
人造宇宙
後ろに時報(をモチーフにした楽曲のバックトラック)の、プ、プ、プ、プーンがずっと流れていたのが効いた。時報は上演時間の100分じゅうずっと流れてた。そしてその100分で、舞台上に、確かに100億年の時間が過ぎ去った気持ちになった。
100億年を100分だから、1億倍速の猛スピードだ。
でも、その猛スピードの中で扱われているのは、ていねいに台詞の間や響きが計算された技巧に富んだセンチメンタルだ。
その相反するニ極が面白かった。
作り上げられた劇場サイズの人造宇宙の趣き。すごくよくできている。
1990年に大学に入って小劇場を知った私には、野田秀樹の骨格に平田オリザの血を流して、高泉淳子の山田のぼる君を2010年に蘇らせたようにも見えた。