『そこで、ガムを噛めィ!』 公演情報 8割世界【19日20日、愛媛公演!!】「『そこで、ガムを噛めィ!』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    「愛」に溢れた秀作
    草野球がテーマということで、プロ野球より大学や社会人などアマ野球のほうに親近感を感じて球場に足を運んできた者として絶対観たいと思っていました。

    さすが西武ライオンズファンの鈴木雄太さん、楽しい野球コメディを作ってくださいました。

    この作品には何より「愛」があふれていました。

    野球への愛、喜劇への愛、観客への愛。

    未曾有の被害を出した東日本大震災を受け、観客は否応なくそれまでとは違う思いで作品を受け止める、と何人かの劇作家のかたが異口同音に発言しておられます。

    個人的には「いまだからこそ、演劇を」という言い方はあまり好きではないんです。
    でも、この作品は「ネバー・ギブ・アップ」を体現していますし、押しつけがましい形でなく描いていて好感が持てました。

    長いこと芝居を観てきましたが、コメディを観てこれほど感動したことはありません(人情喜劇という意味ではなく)。

    最初は笑って楽しんでいたのですが、途中からは胸がいっぱいになり、感謝の気持ちが溢れてきました。

    あの大震災後、舞台を創り上げていった作・演出家、出演者、スタッフたちが自らを鼓舞し、「観客への応援歌」を届けたその真摯な思いが伝わってきました。

    これからもずっと応援していきたい劇団です。

    ネタバレBOX

    作戦会議の場面のメンバーの会話が面白く、わざとらしいキャラがなかったのが救いだった。
    しいていえばあの外人選手(小林守)だが、愛嬌があって存在自体がおかしく、ついつい視線が行ってしまった。

    今野太郎はいい俳優さんだと思うが、会話の「間」がずれたように感じる箇所があった。すると、台詞自体は面白いのだが、台詞そのものが浮き上がって聞こえてしまう。テンポをはずすというのとは違うが、この人の演技の質だろうか。
    特に、新入部員(高宮尚貴)との面接の会話場面でそれを感じた。
    高宮は生真面目な感じがよく出ていて、前回より普通っぽい青年の役だと思ったら、クライマックスでお約束のパッションが爆発(笑)。

    鮫島(額賀太山)、蛯名(畠山拓也)、村田(吉岡和浩)は芝居がすべらないのがいい。

    キャプテンの鈴木啓司(劇団銅鑼)が威圧感のなさで、このチームカラーをよく表現している。

    津村役の福島崇之(こゆび侍)は自分の場合、過去2度、客演の舞台しか観ていないがシリアスな作品ばかりだったので、
    こういうコメディは新鮮だったし、自然で巧いなぁと思った。ダンスもなかなかいい感じだったし。

    池添(飯島倬)のような癖のある人物を出して笑わせるところは、初期の三谷幸喜作品を思わせる。飯島も屈折感が出て笑わせる。

    「もしドラ」のような女子マネ(奥山智恵野)も光る。

    武士沢(日高ゆい)はいわゆる性同一障害の役だと思うが、ヤクルトの石川投手のように小柄なエースもいるとはいえ、女性から男性になったのではなく、男性から女性になった人なので、視覚的には女優さんを起用するなら大柄な人のほうがよかったと思う。
    厚底サンダルを履いていたときはまだよかったが、ユニフォーム姿になると線が細すぎて違和感があった。男性は華奢に見えても骨格がしっかりしているものなので。鷲尾いさ子が元高校球児というこれと似た役どころを演じたドラマを見たことがあるが、大柄なのでやはり自然だった。
    今回の日高は好演したし、小柄なればこそ、女性になってもガッツがある、というところを見せたのを認めたうえでの感想である。

    今回、意外な配役は監督代理(嶋木美羽)。老け役を見事にこなして芸域の広さに驚いた。
    この人、試合中は韓流スターの雑誌を読みふけり、みんなが監督の病状を心配しているときに、試合に飽きてあくびなどしている(笑)。「置物」と割り切って参加しているフツーのオバサンの感じが出ていた。

    選手たちは監督の奥さんには会ったことがなかったのかな、お見舞いには行ってないんだろうかとか、手術後、病院からすぐメールが来るかなとも思ったが(日帰り手術ではなく、入院したような印象だったが)まぁ、そういうこともあるでしょう、と割り切った。

    草野球でも、圧倒的に勝ち続けられるほど弱いチームと対戦し続けることはあまりないのだが、適当なチームがいない地域なのかしら(笑)。

    タイトルの「ガム」の意味が話に生きているし、あっさり味の結末も悪くないと思った。

    僭越ながら前回の「三姉妹の罠」は辛目の評価をさせていただいたが、正直同じ作者とは思えない出来栄え。
    この作家は純粋シチュコメ路線に徹したほうが合っているのではないだろうか。

    今後、高評価の波に乗ってますます伸びていきそうな劇団だけれど、「勝って兜の緒を締めよ」で、今後もさらに「高み」を目指していただきたい。

    鈴木雄太という作家は、もっともっと面白い作品を書いていける人と信じているので。
    尊敬しているという三谷幸喜さんを超えるような人気コメディ作家になれるよう蔭ながらお祈りします。

    前回コメント欄でお話したように、今回満足度☆5つで「お気に入り劇団」に登録させていただきました。

    4

    2011/05/01 12:12

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  • KAE様

    そうですね。賞金のことは冗談で言ってると台詞でわかるし、本当の理由はテーマにもかかわってくることだから誤解してるのは不思議ですね。

    選手がコロンビア人と書いてる方もいましたが、正しくはベネズエラ人ですね。野球は世界的な競技人口が少ないから五輪競技からはずされたんだけど、野球は中南米でもドミニカやベネズエラが盛んで、雄太さんも野球に詳しいからベネズエラ人としたんだと思います。コロンビアはサッカー国ですから、プロでもセミプロの社会人球団でも野球選手って聞かないですねぇ。

    2011/05/02 15:45

    きゃる様

    前回公演は、確かに、導入部分が冗長でしたね。

    この公演は、身贔屓でなしに、きっと誰もが好感を持てる舞台だと確信しています。

    「これを褒めないわけにはいかないでしょう」のお言葉、とても嬉しく思いました。

    他の皆さんのレビューも、気になって、拝読したのですが、約2名、根本的に誤解なさって、そのことを批判理由にされている方がいらして、大変不思議でした。
    たとえ一瞬見過ごし、聞き逃しがあっとしても、あの芝居を観て、勝たねばならない理由を、賞金目的と捉えることはあり得ないと思うのですが…。

    8割世界のコメントに限らず、コリッチのご感想って、こういうユニークなのが時々あって、興味深くてなりません。(苦笑)

    2011/05/01 15:56

    KAE 様

    コメントありがとうございます。

    前回はタイトルと内容とのチグハグ感と、冒頭30分のモタツキに、興味を失ってしまいました。

    今回のほうが若さがあって好きです。

    これを褒めないわけにはいかないでしょう。

    正直、完敗です。


    遅まきながら、ファンの末席を汚させていただくことをお許しください。

    連休前から家族で観ると決めてたのは、この1作だけだったので、観ないうちから、ツイッターにて、1日1回はタイトルをつぶやいて、宣伝させていただきましたが(笑)。


    応援団長さま、今後ともよろしくご指導のほどを・・・(笑)

    2011/05/01 13:39

    きゃる様

    わあ!良かった!

    ようやく、きゃるさんに、8割世界の良さを感じて頂けて…。

    応援団長として、嬉しく思います。

    今回は、こういう時期ですから、私も、8割ファンになってくれた友人以外には、ご案内を控えていたのですが、初日に観て手ごたえを感じたので、それから、急遽、数人の友人にメールしました。

    コリッチとは全く無縁の、信頼できるこうした友人達の評価が、物凄く良かったので、これなら、きゃるさんにもご納得頂ける気がしていました。

    こうなると、きゃるさんに勝馬をご覧頂けなかったのが悔やまれます。
    あれをご覧になっていたら、もっと早く、お気に入り劇団にして頂けたかなと思います。
    私的には、三谷作品よりずっと面白かったから。

    2011/05/01 12:38

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