平田オリザ・演劇展vol.1 公演情報 青年団「平田オリザ・演劇展vol.1」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    『ヤルタ会談』と『走りながら眠れ』鑑賞
    実在した人物を扱った2つの短編を鑑賞しました。
    どちらも少人数の対話劇でユーモアがありながらも、その後の歴史がどうなったかを知っている観客の立場からすると、ただ笑ってもいられない作品でした。

    『ヤルタ会談』
    スターリン、ルーズベルト、チャーチルの3国間の会談をまるで日常会話のように下世話に描き、ブラックなジョークが満載で、青年団の作品には珍しく客席から起こる笑い声が絶えない作品でした。
    役者3人とも太めな体型で、戯画化したような格好が滑稽でした。会話も風刺的な内容を絶妙な間で進められ、楽しめました。

    『走りながら眠れ』
    パリで監獄に入れられた後に釈放され帰国した大杉栄と、その妻の伊藤野枝の日常を描いていて、政治思想的には急進的な人でも普通の生活を送っている様子が朗らかに描かれていました。
    政治的な話題はほとんど出ず、妻が進めているファーブルの昆虫記の翻訳の話や、大杉栄が海外で見聞きしたことの話など、他愛の無い話が続き、幸せな夫婦の雰囲気が良く出ていました。
    妻を演じた能島瑞穂さんの表情の変化が多彩でチャーミングでした。

    2作とも歌を歌いながらお茶を入れるシーンから始まり、元からそういうト書きのある脚本なのか、今回の特集のために統一感を持たせたのか気になりました。

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    2011/04/29 23:09

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