ハッピー!!―夢ヲ見ルマデハ眠レヌ森ノ惨メナ神様― 公演情報 おぼんろ「ハッピー!!―夢ヲ見ルマデハ眠レヌ森ノ惨メナ神様―」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    初演観劇
    独特の世界観での舞台作りであり、
    割と観客いじりしそうで、そこまで突っ込まないという。
    微妙な距離感(心配り)が心地よい空間での芝居でした。
    最初は、すっごい舞台&セットだなぁと周囲が気になりましたが、
    物語が進むに連れて、作品世界に引き込まれていきました。
    ここより大きな舞台で演じたら、
    もっと作品世界のイメージが判り易い万人受けの舞台になったのでは?
    と今後の成長を期待される舞台でした。
    (もったいないけど、あの座席やら舞台では向き不向きあるので。)
    (星は評価できても”皆に”「お勧め」は躊躇しました)

    ネタバレBOX

    場所を見て・・・「えーっ、ここでやるんだ。」と思った程、
    舞台とは思えない場所でした。
    う~ん、ラジオの生放送スタジオのような道に面したガラス張りの空間で。
    外から丸見え!(当然、中からも外が良く見えます。)
    芝居の後半で外から「ジィー」と見ていた太鼓腹スーツの外人さんいました。
    NYの小劇場芝居みたいでしたね(^^)。
    外界との接点であるガラス窓は、
    作品のラストで重要な演出に使われるので。
    そのままにしていたのです!この演出は見事でありました。
    また素舞台に近く全体は白が基調のスタジオであり。
    黒い素舞台に慣れていた自分には新鮮でした。
    なんか突然来た友人部屋に入れるのに、
    慌てて部屋の中を片付けたような空間での芝居でした。
    観客の座席もまぁゴザ+座布団やらパイプ椅子だし。
    外の歩道から入るとチケット代わりの、手作りのマスクカチューシャ付けます。
    (あご下でヒモ結んで、とは言ってたけど。耳にゴムかけた方がいいよー。)
    で、これが「おつまみ」+「ドリンク」のサービスの許可だそうです。
    ポップコーンとアメとかと、梅酒・オレンジジュース・お茶の選択で、
    梅酒が美味しかったです。
    (このアイテムで観客は舞台上の工場内の蚕さんになるのですねー)

    で、おしりが痛くならないようにとの配慮で、
    「お金ならあります!(^^;)」と声高らかに宣言した。
    王様ゲームじゃんけんで観客を強制的に立たせたりと、
    ホント配慮が細かかった。Goodっス。
    (勝負運の無い自分ですが、めずらしく最後まで勝ち残って。
    王様よりアイスクリーム、拝領いたしました。)ありがとうございました。

    さて19時開場で、いろいろ上記のような事が有り10分遅れの開演です。
    作品世界への導入は、語りから入ってイメージを観客に共有してもらっての舞台です。(この語りの台詞は改良の余地多々ありますヨ。朗読劇や小説の導入部みたく細かく設定を判り易く観客に植え付けるトコですので)
    神の写し身として、この世に生まれた蚕が主人公「タク」です。
    神殿で暮らしていた主人公が「リン」という蚕と共に、
    外の世界へと飛び出してのプロローグで物語は本編が始まります。
    この神殿から鳥に捕まって、森に落ちるところまでの話は、
    映像化したらジブリアニメみたいな感じがありました。
    森の中に落ちてくところでの葉っぱの撒き散らしが臨場感ありましたし。

    で蚕は絹糸を取るために改造された為に成虫になっても飛べないコト。
    糸が重要なために、繭ごと茹でられてしまうコト。
    蚕工場での労働者の貧困と神殿での不自由の無い生活など、
    いろいろ物語りは進み、雨乞いの為に天に帰る=自殺しようとした「タク」は、
    自らが単なる改造され人工的に神の役目を演じられる用にと作られた存在であることを知ります。死と引き換えにこの世に残す糸も吐けない自分に絶望しますが、自殺しようとして飲んだ毒でも死なない体(他の個体と異なって何年も生きられるが、幼体のまま成長もしません。)に毒が変化を与えたのでしょうか、糸を吐けるようなりました。ってところで幕です(簡単過ぎますが)。

    この蚕の一生の悲しい歴史とか、モノを知らずに生きてるコトとか。
    知っていながら次代に希望を託すトコとか。設定と表現がうまかった。
    ホントせめて60人規模ぐらいで舞台セットも、
    そこそこ出来たものでの表現で観てみたく思いました。
    で・も・ね、作品世界観に合わないので、
    γ線の照射とか、現代の単語などは使わずに。
    「ナウシカ」のような世界観で台詞選んで欲しかったな。
    (ボキャブラリーは減らした方が感じでたハズ)
    あと、食料少ないのに豪勢な食事用意できるトコと、
    工場で働く人間等と蚕の「タク」「リン」が同じ大きさでの理由とか、
    食事は蚕は葉っぱですけど、そこへの言及も欲しかったです。

    あーそれと、手動(?)暗転ー明転は受けました。
    いろいろ観るのに、イメージやら制約がありますが、
    それを推して尚、熱量にあふれた舞台でした。(終演21:10)
    80分と言っていましたが、正味90分でしたね。

    説明文に対抗して長く感想UPしてみました。
    読みました?全部? ご苦労さまです(^_^;)

    でも観たいより、観てきたの感想の方が多いとは。
    愛されてますねー。

    1

    2011/04/29 08:12

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  • 長寿郎さま

    ご来場、そして素晴らしく長いコメント!!
    なんと言ったらいいのか、もう、本当に、ありがとうございます。

    今回、あの場所でやるというのはもちろん、賭けでした。
    美術セットは何一つないんですよ、あれ、
    まさに、ルデコさんのありのままの姿!
    路上の経験からか、
    「よし、ここでやってやる!」
    みたいな気概はあるものの、
    なかなか、制約も多いわけで、いつになく、頭をつかいました。

    昨日もみなさんに申しあげましたが、
    大人の男の人多数という思いもよらない客層で、
    なんとも、若干のひるみ 笑
    と思いきや、みなさん、驚くほど素直にカイコにふんしてくださったものだから、
    こちらは開演前からたくさんのエネルギーを頂くことができました。

    大きな劇場にいきたい!と豪語しておきながら、
    実はいまのスタイルがものすごく気に入っている自分がいて、
    仲間たちと、
    今後のことを話しているここ最近であります。
    お客様を感じることのできる時間は、なにより幸せなのです。

    アイス!
    おいしかったですか??笑
    強運!
    最期は見事一人勝ちでしたね。
    あれは、差し入れでいただいたのを、大事にとっておいた拓馬用のアイスだったのです!!
    わはは。おいしくないはずがないのです!

    「俺が育てた!」と将来必ずやご自慢いただけるように、
    まだまだ、精進していきたいと思います。
    いただいたご指摘など、
    真摯に咀嚼して精査していく心づもりです。

    お忙しいところ、本当にありがとうございました。
    今後とも、ぜひよろしくお願いします!

    拓馬

    2011/04/29 12:36

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