満足度★★★★★
非常に良かった
私は演劇の業界関係者ではありませんが、たまたま知人に役者さんが多く、小箱の公演を見に行く機会が何度かありましたが、今回の作品はその中でも秀逸な出来栄えだったと思います。
素人なりの評価をさせて頂きますと、作り手のプロとしてのエゴを抑えた、素人にもわかりやすい、のどごしさわやか、スーパードライな舞台でした。
この手のテーマにありがちな過剰な暗さや、過剰な貧乏臭さ、過剰な悲惨さも無く、登場人物それぞれのキャラも立っていて、それでいてこいつうざいとか鼻につくなというキャラも無く、すべての調和がアリストテレス的な中庸に納まっていました。
もう少し具体的には、ストーリー構成、場面展開、キャラクター設定、各人のセリフ回しや一回のセリフの時間、次の人や場面へのつなぎ方、全てが小気味良いテンポで構成されていて、見ている客が常にConfortableな状態にいれたと思います。そして、そんなシナリオを具現化する役者さんが皆はまり役で、誰も無理してない自然な感じがこれまで見て来た舞台とは違いました。