満足度★★★★★
銀河鉄道の夜
これぞ、「ザ・劇」という感じの正統派のお芝居でした。静謐を主とした舞台構成で、けれん味が無く、ストーリィに集中できた。正面の舞台では上半身だけを見せる演出も面白かったです。小説を読んだ時はよく分からなかった宮沢賢治の宗教観などもよく伝わってきて、女性の観客が多かったせいか、泣いている人も少なくなかったですね。
「おっかさんは僕のしたことを許してくださるだろうか・・・・」キリスト教や、仏典によく出てくる捨身の哲学、東洋的な倫理観などがカンパムネラのこの言葉によく集約され、ただただ悲しかったです。バロック音楽を主とした音楽構成もよかった。いい選択ですね。
ただ、最近の映像などを駆使した演劇に較べると、やはりクラシックで正統的すぎる感じは否めません。アニシモフ氏の好みではないかも知れませんが、最後のシーンで、川の部分に銀河の映像が流されるか、いっそソニープラザのように星空を3Dで投影できれば、どれほど美しく、感動的だったかと思います。でも、私のような演劇初心者にこそ、ぜひ見てもらいたい作品ですね。