三千エニシ 公演情報 劇団KIII「三千エニシ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     初めて観る劇団。今後も楽しみ。脚本のスタンス、肝心な役を演じる役者陣の実力、殺陣の上手さ、生歌も歌う女優さんの声等々、観所、聴き所多数。

    ネタバレBOX

     板上は奥を嵩上げし片かなのコの字を90度回転させたような枠内に赤い布が怒る阿修羅の肩に掛かるような風情で2か所拵えてある。殺陣シーンが可成り多いこともあり板手前はフラットとシンプルだが合理的な舞台美術である。妖を演じる女優さんが生歌を披露するシーンが何か所もあるが、パンチの効いたいい声音でリズム感に優れ本当に上手い。玄人はだしで感心させられた。肝心な処で肝心な役を演じる役者陣は殺陣も上手く恰好良い。尺は休憩無しの2時間15分。若者に配慮したのか、序・中盤はチャラけたシーンも可成り入るが、余計に感じた。これらのチャラケを絞れば尺も2時間以内に絞れ、作品の可成り哲学的な本質もじっくり楽しめるとは思うが、哲学書等キチンと読んだことも殆どないような人々が「要約」されたと称する書籍
    を流し読みした処で自分の頭で考える為の原点を体得しているとは到底思えない。こんな傾向に棹差しても無駄でしかあるまい。
     ところで、タイトルについて一言。三千エニシの三千は仏教の三千大世界を示唆しているのは無論のこと。四大州・六欲天・梵天等を含む世界を一世界とし、これが更に千集まると小世界、更に千集まると、という具合に考えられている広大無辺な世界を云う。エニシは無論、縁である。即ち関係性だ。ヒントは此処迄、後は自分の頭を使って考えるべし。
     表面的には陰陽師(鬼御門家)と妖・怨霊{為政者によって滅ぼされたり、無念の念(おもい)に取付かれた存在のエネルギーが結集し“存在”と化した思念}が、殿(為政者)を中心とする体制と闘う物語だが、今作の肝は、そんな現象的なことを描いては居ない。今作の描くのは、このような争闘を生み出す構造そのものの下で呻吟する魂の彷徨と深い哀しみを通して尚生きることに賭けようとする生き物と異界の者の愛おしさである。それを認識し実践可能なものとするに必
    要なことの一端が示されていると感じた。

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    2026/10/22 12:01

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