満足度★★★★
壮大な世界
いつもパブリックシアターとシアタートラムを間違ってしまう。
チケットよく確認しないで購入したため、三階席で鑑賞。はい、ケチったわけです。
今までは壺中天でしか観たことがなかったため、会場が恐ろしく広い。
そして、音響、照明がととっとっても豪華。装置も。
「灰の内蔵は極彩色の宮殿である」
という言葉通り(?)、スケールが大きな、壮大な舞台だった。
大きな舞台でも小さな舞台でも、魅せ付けられる世界観、技術とかがあるって、すごいことだと思う。
ネタバレBOX
いつもは個体に注目していたが、会場が広く、三階席だったため、今回は全体のバランス(配置、動き、照明など)を良く見ることができた。
そのことで今まではあまり意識しなかったこと、気づかなかったことがあったんだ、と気づいた。
彼らには後ろにも目がついている。
いや、それはないかもしれないが、そう疑いたくなるほど、人とぶつからない。
素人じゃないんだから当たり前だ!
そのために厳しい訓練をしているんだ!ばか!
何度も稽古してるんだ!たこ!!
とか言われそうですが、実際にそう思ったことは事実です。
こういう舞踏?だとどこまでが振り付けなのか、はっきりとはわからない。
10人くらい集合してそれぞれがクネクネするのを上から見てて、結構危うく衝突しそうになるが、でもふらっとかわす、みたいな、そんな感じだった。
きっと一階席から観てたら気づかなかったことだろう。
(でも、10人くらいが丸い動く装置を使って身体を浮かせて、それぞれが足を自転車こぐように動かすというくだりがあったのだけれど、それは是非一階席で観たかった。。)
クネクネするところだけじゃなく、立つ、歩くなどの行動を、あの大舞台で魅せるというのはなかなか難しいことで、そういう点では役者よりもきれいに動けるのかもしれない、と思った。
四角い照明がバッとついて、それぞれの光の中に人が入ってるとか、上半身と下半身であたってる光の色が違うとか、ラストは色彩豊かな装置が現れて、血(演者)が通うとか、きれいで飽きなかった。
壮大なスケールにぴったりの音響も、よかった。シンセサイザー、和風、テクノなどなど、どっから探してくるんだろう、しかしよくはまってる、というものばっかり。
心地よい舞台でした。
満足度★★★★
エンターテイんメント
ストーリーも何も知らず、ただただ、学生演劇祭→旅公演→凱旋公演という流れとタイトルだけで観に行った。
実はタイトルもあまり気にしてなかったので、学生演劇祭→旅公演→凱旋公演という流れで観に行ったようなものだった。
でもおもしろかった。楽しかった。笑った、泣いた、怒った、喜んだ。落ち込んだ。救われた。
やはり、凱旋できるようになると、各部署完成度が高いのだな、と思った。
チケット代を鑑みて、久々に安い、観れてよかった芝居だと思ってる。
ネタバレBOX
元々、学生中心の劇団だという先入観があったため、新人類、好景気、花金、リストラ、サラ金と、いかにもオトナな事象を扱っていたので、
「おいおい、こんな古い感じで進むのかよ!?」
と思った。けどそれは上っ面の話。
そこで立ち振る舞う人たちはその時を生きている人たちで、劇団主宰挨拶にもあるように、「幸せになりたい」と思う人たちがその気持ちをストレートに体現していく。
話はオトナな事象に戻るけど、シーン一つ一つが短くて、その切り替えが速く、またうまいので、観てて退屈しなかった。シーン一つが短いことで、魅せたいことが明確だったし、あとは想像にお任せします、みたいのがよかった。セリフもやたらしゃべり過ぎず、間で魅せるところがよかった。
しかし、あまりにも展開が速すぎはしないだろうか?
と思ってたら、この話はオトナ事象で終わりではなかった。その後、双子が生まれ、その双子が成長していく中で、両親が離婚したり、受験に失敗したり、メイドカフェで働いたり、アイドルグループとしてデビューしたり、宇宙エレベータが開発されたり、とボリューム満点のお話だったのだ。だから、展開が速かったのだ。
上演時間が二時間強といわれ、苦戦が予想されたが、まったく問題なかった。
双子の女の子ちゃんが成長していく様を見て、ああこんなふうに、勝手に劣等感、を感じてしまうことってあるよねー、とか周りからすればフォローできない、しようがないことってあるよねー、みたいな、人と人の関係でどうしても生まれる差異、そこからのすれ違い、溝、が非常によく伝わってまいりました。別に双子ちゃんだけそういう描かれ方をされてたわけではありませんし、むしろ全編にわたって人間の違いみたいのが描かれてますが、双子ちゃんのが一番わかりやすかったと思います。
メイドカフェ。よかったとおもいます。歌ったり、踊ったり、と場転のテンポのよさなどと相まって、完全にエンターテインメントだと思った。非常に楽しめた。オタクさんがなにより楽しそうで、曲に合わせて両手を上下に振ってるところが特によかった。
個人的にね、個人的にはね、双子の妹ちゃんが最後には初恋の人と結ばれるのだけれども、あれは、個人的には、別の男と一緒になったら、こう女のしたたかさみたいのが生まれて、それはそれでおもしろいのではなかったかなーとか思った。
恋愛の神様に「諦めちゃだめだよ」といわれ、結局別の人。神様びっくり。
でも。神様も恋愛は傷つくことだよみたいに言ってたからそれもありかなーみたいな。
最後は夢落ち、ならぬプロット落ちということでしたが、個人的には好きじゃない展開でしたが、それでもその先にストーリーがちゃんとあって、今までの速さから一変、ゆっくりじっくり魅せることで、差が生まれていた。
何か別のレビューに「女性の時代」みたいなことが書かれていたが、これもそんな感じがした。ダメ男集合、みたいな。きっと荒木さんの受け皿が大きすぎるからだろう。すごすぎるほど寛容すぎる。
このお芝居の素晴らしいとおもったところのひとつに、
役それぞれにきちんと見せ場がある
ということがある。若干映画的なテイストを感じてたが、そこは演劇の醍醐味というかいいところだと思う。観た人はきっと誰かに共感できると思う。それだけある意味普遍的な人間のウラを描けてたのだと思う。ちなみに私は男性全員に共感できました。HAHAHA!
チェンメだと思ったら、梨香からメールが!!
へー、こんなこともやるんだねえ。と同時に、
どどどど、どうしよう、何て返そう。
なんて思って、ちょっと考えて、それっぽく返信したら、メーラーデーモン。。。
まあそうだよねーいちいち返ってきたら面倒だようねー、なんて思いました。あれは女性客にも同じ内容なのかなあ
満足度★★★★
舞台はバー
以前、15ミニッツメイドで、たまたま「トリコ劇場」を拝見し、文字通り、虜になりました。ということで、二回目でした。虜だったためほとんど下調べせずに会場に向かい、迷い、夢中な劇団なのにと思いながら、五里霧中で、たどり着いたそこはバー。はい、バーでした。「下心あります」なんて言うまでもないこと言って、300円割引を利用した私。オンリー下心。
中身は「ダメなオトナの甘くて苦い恋の騒動」という通りですが、よくある話です。
よくあることですが、あまり表に出てこない話です。誇張や脚色、それでも皆頑張って生きてるんだよ!みたいなアホみたいな話ではなかったです。
通常時はバーとして営業しているバーで公演したので、舞台はそのままバー。芝居を観るって言うよりも、盗み聞きする感覚のほうが近いかも。そっちの方がより楽しめると思った。
盗み聞きがいいといいつつも、実はしっかり細かい演出もあって、物語に深みを与えていると思った。
ダメなオトナにはオススメか!?
たくさんの方に観て欲しいが、あんまり満席だとこれは辛いだろう。そして、役者目線だと、客が目の前50センチ、しかも目線同じ高さの場合どうなるだろう、みたいなケーススタディにもなった気がします。
・・・
こういう、恋愛の話ってありふれてるし、語りつくされてるかもしれないけど、それぞれの想いが今その場にあるんですねえ。
ネタバレBOX
とてもおもしろかったです!
15ミニッツメイド観た時も思ったけど、まっすぐにダメなやつっていなしし、なんだか中途半端にダメなやつがいるみたいな。中途半端だから全否定もできないし、けっこう実生活そういうことがよくあるなあとか思いました。
なんだかんだ酔ってきたねー。
話自体は変わらないだろうし、とっても面白かったです。
ああ、もう書くのがつらい。
ただ、夢と店の間違いはけっこう大きいよねーとか思いながら、。
また明日かきこもーっと。。。。
したたかに酔ってしまい、どうでもいいことを書きまして。すみません。
あらためて。
ホストにつぎこんでるとわかってるやってる某令嬢や、何人も同時に愛してるといっちゃう女の子、恵比寿のごろつきに金をむしりとられる女の子(実はその女がごろつきから1000万円の借金していたという事実(実は借金とは言えないということも明かされるのですが、、、))とか、一番楽しいであろう、付き合う手前のドキドキに気づいていないようなバーテン
という4つの恋愛についての物語が架空のエビス駅前バーを舞台に繰り広げられます。ほんもののバーでした。これは座席(?)の後ろの方で見るのが吉。他人の会話を盗み聞きする感覚がいいと思います。
ホストから結婚したいと言われ「ルール違反だよ」と言ったり、誰にも愛されないで一人ぼっちなら死んだほうがマシという女に「じゃあ死んだほうがいい」と言ったり、多額の借金があって(法的には借金ではない、らしい)圧倒的に不利な状態の女が「別れて、互いにきちんと独りになろう」と言ったり、
それぞれの話にきちんと物語があります。それもけっこうえぐられるような。やっぱ脚本がいいすな。
人間の裏表、善悪を偏りなく魅せる
というのが、非常によかった。作家さんの器の大きさが大好き。「ダメなオトナのためのバー」。非常に共感できます。ダメだけど。。肩肘張らずにゆったりしたい方におすすめ。
個人的に一番よかった、ごろつきと借金女のくだり。
ごろつきからDVを受けてると思われてた女が、実はごろつきの元婚約者で、「モルジブ」での挙式をすっぽかしていた。そのことで今でも男に依存する(させられてる?)生活を送っている。その女が男を振るという話。自立の話。
挙式すっぽかした理由が「幸せすぎたから」。男に対して「愛してるって言ってくれた?」(みたいなセリフ)があったり、これだけ読むとこのバカ女が!!と思いますが、観るとそんなことよりもさてさてこの女はどうしたいのかな?というほうが気になります。男との駆け引きみたいな。
会話の中で、「実はこうでした」というのがさらっと現れるから、観てておもしろい。
おもしろかったからあえて個人的な話をすると、
最後、ごろつきが先に店から出て行く。その次に女が男の分も合わせて会計していく。「待ち伏せされるかもよ」「大丈夫です」という会話。
よかったよ、とても。でもね、あれは、個人的にはね、女が先に出てったほうが、そして男がしばらく飲んでる、みたいなそっちパターンも観たいな、というそんなことを思いましたよ。
女性のふところの深さはよくわかりました。もう頭が上がりません。
某令嬢の去り際の戸惑い、去り際に興信所勤めの男を慰めるように肩を触れていく女、あくまでごろつきを傷つけないように振舞う女、なんでもガハハって感じで受け止めるようなバーテン。
なんだかむちゃくちゃなこと書いている。
とにかく一見の価値ありです。
満足度は4!
もっと観たいという気持ちと、もし男が残ったら、、、という気持ちと、ラストの店・夢間違い。間違いはいいけど、その後のフォローがいただけなかった。まあ限りなく5に近い4ですよ。特に脚本は間違いない!
と思います!!