壺詩の観てきた!クチコミ一覧

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「Post Tenebras Lux. (ポスト・テネブラース・ルークス)」

「Post Tenebras Lux. (ポスト・テネブラース・ルークス)」

Antikame?

雑遊(東京都)

2022/10/18 (火) ~ 2022/10/25 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

「みかえしたかっただけ」観劇。
観劇から時間が経ってしまったけれど、本当に素晴らしい公演だったので、覚え書き。
好みが分かれそうではあるけれど、私にはもの凄く好みの作品だった。響く人には震えるほど届くと思いました。

ネタバレBOX

ほぼモノローグで、たまにかわす言葉もすれ違っていたり、ウラハラだったり、シームレスにモノローグに乗り移ってしまっていたり。
無言の時間もかなりある。
しかし、とにかく空気が濃密で濃密で。視線の揺らぎや、開きかけて閉じた唇が、語る語る!
脚本、演出、役者、音響、照明、美術がこれ以上無い位ギリギリを攻めた先で渾然一体になり、観客も、芝居を観ているのか自分の心を覗いてるのか分からなくなる場所に取り込まれる快感。
物語を届ける芝居とは違う、総合芸術としての演劇を体験しました。
何かが燃える様な、レコードのノイズの様な音…
光が届くギリギリの隅っこでうずくまる夫…
妻の鼻歌と目に突き刺さるピアスの反射光…
もう2度と観られないのかと思うと、凄く惜しいような、ちょっと安心してしまう様なヤバい作品でした。
うわつら

うわつら

殿様ランチ

駅前劇場(東京都)

2022/12/07 (水) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

素晴らしく面白かった。役者さんも皆さん最高に上手くて細かくて徹底してて。笑えるし、涙がジワっとくる所もゾワッとする所もあって、いやぁ、良いもの見た。是非、オススメしたい舞台でした。

ネタバレBOX

とにかく脚本が素晴らしい。
その上で役者さん達が、役を忠実に、過不足なく緻密に演じられているのが本当に良かった。
窓の外への視線、ちょっとしたコートの畳みかた、枕の整え方、病室に入る前の一瞬の息の整え方、全て「説明」にならず、でも、ありありとその役の性格職業関係性役割を浮かび上がらせる凄さ。欲や不安に捉われない、信頼と自信を感じました。
ラストの方の音響も凄かった…怖かった。
どっぷり見入った2時間弱。良い時間でした。
SHINE SHOW!

SHINE SHOW!

Aga-risk Entertainment

シアター・アルファ東京(東京都)

2022/08/31 (水) ~ 2022/09/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

泣いて笑って忙しかった。久々に長い上演時間(途中休憩有)の芝居だったけど、長いなー、と感じるヒマもなく、達者な演者さんと素敵な脚本に押し流されました。
あー、楽しい時間でした。心地よい疲れ。
普段コメント書かないけど、興奮したので書きました。

ネタバレBOX

出場者もスタッフ陣も1人づつが本当に丁寧に描かれていて、それぞれが愛しくて仕方がなかった。肩入れしちゃい過ぎてヘトヘトになりました。上演時間は長かったけど回収キチンとしてくれて嬉しかった。もっと見たい位。

当日パンフ(のど自慢大会の演目進行表)も良かったし、兎に角、脚本(演出)が上手い。物語と笑いと歌のバランス、くどくならない匙加減が絶妙でした。
役者さん達が、また、皆さんサービス精神のカタマリで、しかも達者で、楽しくて可愛くて勉強になりました。純粋に凄い。ケチじゃない。ドンドンくれる。後ろにいる時や、オフ芝居もズーーっと役で色々やってる。メイン(台詞を喋ってる人達)を邪魔せずにあれだけ色々やれるのは特殊技能。しかも面白いし。凄く得した感じ。

上手く表現出来ないけれど、地方の旅館でテーブルに乗り切らない量と品数の夕食を出された時みたいな気持ちになりました。しかも一皿入魂の手のかかった名産品ばかり。いやはや贅沢でした。
『孤独の惑星 (コドクのホシ)』ご来場ありがとうございました。

『孤独の惑星 (コドクのホシ)』ご来場ありがとうございました。

演劇ユニットG.com

劇場HOPE(東京都)

2012/07/20 (金) ~ 2012/07/29 (日)公演終了

満足度★★★★

ツブツブについて、考える
いつかのいつか人類は、広大な有機体「海」を湛えた惑星を見つけた。
そして赤い太陽と青い太陽が交互に昇るその星を「ソラリス」と名付け研究を始めるが…。

みたいな物語。

SFサスペンスかと思いきや、ラブストーリー。
と思いきや、哲学的な一つの問。
と思いきや、愛だの過去だのに翻弄される男達の、物悲しくも滑稽な人間ドラマでした。

女達は人形のように美しく、
男達は情けなくってセクシーで。
演出も音響も装置も照明も、攻め気なキワキワ。満足満足。

ネタバレBOX

人間は小さな粒(原子)が集まってできている。
地球上の、他の色んなモノも。
どうして、離れていってしなわないのだろう。
不思議。
構成する粒が違ったら、それだけで、遠く、理解できないものだろうか。
形を似せれば愛せるだろうか。
自分を捉え続けている幻影が、質量をともなって現れたら、
私は遠くの星で、何を選択するのだろうか。

ツブツブの違いに拭い様の無い嫌悪を感じるのか。
それとも、これ幸いと自分を狂わせ夢の住人に浸るのか。
偽物なんざ一秒だって許せぬと、切り落とすのか。

と、いうような事を考えました。

あのステーションに女性の研究者が残っていなかったのが、
何か分かる(笑)
煩悶の物語にならないもんなぁ。
すっかり、もしくは、ずっぱり。


金の卵1960~あすなろう~

金の卵1960~あすなろう~

劇団だるま座

アトリエだるま座(東京都)

2012/06/21 (木) ~ 2012/06/27 (水)公演終了

満足度★★★★

あんぱん食べました。
時代の、時間の中に生きていることを感じられる作品でした。
完全に、脚本の力による物だと思いました。
役者さんは、フレッシュでパワフル、ゆえに若く、拙さが目につきました。
美しい難しい特殊な台詞、時代を感じさせる空気が滑舌の悪さで伝わらない。
これでは、勿体ないと言わざるを得ません。
勢いよりも落ち着いて、練り上げる何かがあっても良かったのではないでしょうか?

それでも、見ていて感じたのは
自分の親が子供だった時代、本当にこんな風景の中で
やっぱり、今と変わらず生きて、働いて、恋をして、夢を描いて、
人がワサワサしているのって…本当に愛おしいな、という感覚でした。

帰りに、荻窪駅前であんぱん買いました。
本当、久々。ダイエットしてるのに。
あんぱん、おいしいよね。
演劇って、現実の続きになっちゃう。
そこが、好き!!

ネタバレBOX

私は、この作品の後の時代の作品、
「金の卵1970」で茜の(パラレルワールドですが)その後を演じたのですが、本当に大切に演じ、研究した空気、風景が、今回の役者さんたちにもっと想像して頂けたら良かったな、と思います。
見たこともない、焼け跡の風景。
見たこともない、火鉢の残り火。
見たこともない、裏道のネオン。
見たこともない、野良犬。

書いてない所が、演技で見えない。

もちろん、大切に思っていた役者さんもいらっしゃるとは思います。
しかし、そういった風景を踏まえずに
「私だったらこう言う。私だったらこう動く。」では、
「今の自分だったら」の判断基準では、どうなのでしょうか。
私はそれは演技では、芝居ではないと思います。
だって、演技をしているのは「私」であっても、演じられるべきは「私」ではないのです。

ああ、書きすぎました。

ごめんなさい。

それでも、あんぱん、買いました。
パンに対して大切に演じていてくれたからなのかもなぁ。





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