現代能楽集Ⅵ 『奇ッ怪 其ノ弐』
世田谷パブリックシアター
J:COM北九州芸術劇場 中劇場(福岡県)
2011/09/10 (土) ~ 2011/09/11 (日)公演終了
満足度★★★★
まさに、現代能楽だった
面白かった。
幽霊たちが行き来する場所で、突然過去の出来事が現れたりする。
仮面の使い方、舞台の使い方も素晴らしく、こちらとあちらにどんな橋が横たわってといるのかと、確かに現代の夢幻能と言える。
しかも、お話の中に出てくる小道具を変えれば、どの時代の「現代」にも変えられる。
永遠に繰り返される「あの日」、自分の実在性に疑いすら持ってしまう「実存性」の問題と、人間にとっていつの時代にも繰り返されるテーマを描いている。
池田氏の悪乗りが少し目立ち、役者たちの演技が崩れてしまったのは残念だったが、全体にはとても良い舞台だった。
Canal Art Circus 「PSY(サイ)」
キャナルシティ劇場
キャナルシティ劇場(福岡県)
2011/09/17 (土) ~ 2011/09/25 (日)公演終了
満足度★★★★
演劇であったことが嬉しかった。
楽しかった。
一つのテーマに沿って色々な話が展開していく。そこにアクロバットが入ってくるが、ちゃんと演出がなされているのであまり唐突感がない。
一流の方ばかりなので言うだけ失礼ではあるが、そのパフォーマンスが表現になっていること、各人にちゃんとキャラクターが設定されており、そのキャラクターが演じていることが素晴らしい。
個人的には、仮面のスケッチと、眠り過ぎる妻とその夫のスケッチが好きだった。
荒野に立つ
阿佐ヶ谷スパイダース
イムズホール(福岡県)
2011/08/11 (木) ~ 2011/08/12 (金)公演終了
満足度★★★★
今回も長塚作品は好みだった。
長塚作品はいつもわかりやすい。
言葉でそれを上手く説明はできないのだが、感覚的に「わからない」と途方に暮れることがない。
今回は人間の不確かさ、世界が構築していく姿など、私好みの題材で特に楽しめた。
いつもは演技力に不安を感じる中山さんも今回はそれほど無理のない役で安心だった。
西瓜割の棒、あなたたちの春に、桜の下ではじめる準備を
シティボーイズ
J:COM北九州芸術劇場 中劇場(福岡県)
2013/05/04 (土) ~ 2013/05/05 (日)公演終了
満足度★★★★
表現をストイックに楽しんでいる
5/4の夜と、5/5の大千秋楽を観て来ました。
何十年ぶりかの宮沢さんの参加、いとうさんも7年ぶりくらいの参加と期待していた。
北九州版は地元出身の中村さんが一度も舞台袖に引っ込まず出ずっぱりというギャグ(サービス)付き。
今回は福島に身体障碍者、放送禁止用語などのギャグが盛りだくさんで大いに笑えました。
どんなにひどいことをやっても、背後に国旗を掲げ、「2020年のオリンピックを東京に」を入れればOKも良かった。
表現する上で内・外部から規制が入らないこと。そして、それを面白半分にやるのではなく面白く見せる。
これが表現のプロなのだと思う。
毎回のトチリをそれと分からせながらお客さんに楽しませる技術もさすが。
アドリブ部分も楽しかった。
浮標(ぶい)
葛河思潮社
J:COM北九州芸術劇場 大ホール(福岡県)
2016/08/28 (日) ~ 2016/08/28 (日)公演終了
満足度★★★★
長時間を飽きさせない
長時間なので自分の体力が持つだろうか、と不安だった。
しかし、演出で見せてくれた。派手なものは何もないが、目を離すことは出来ない。
空席が多かったことは残念。
万獣こわい
パルコ・プロデュース
福岡市民会館(福岡県)
2014/05/24 (土) ~ 2014/05/25 (日)公演終了
満足度★★★★
飽きさせない
前回の『陰獣』がちょっと落ちて残念だったが、今回は楽しかった。
時間も長く感じず引き込まれた。
出演者全員良かった。
小池栄子を楽しみに行ったが、やはり抜群の安定感だった。
THE 39 STEPS
東宝
福岡市民会館(福岡県)
2010/03/20 (土) ~ 2010/03/20 (土)公演終了
満足度★★★★
とにかく忙しい! 役者さんが。
今年は観劇のアタリがなかったなか、初のアタリ。
とにかく笑えました。
役がどんどん変わっていく様は見ていて楽しかった。
前説など工夫も凝らされている舞台だった。
暗いところからやってくる
KAAT神奈川芸術劇場
大野城まどかぴあ(福岡県)
2014/08/09 (土) ~ 2014/08/10 (日)公演終了
満足度★★★★
満足
演出が前川さんでないことに少しの不安を覚えていた。
以前、他の方の演出でガッカリを味わっていたから。
しかし今回はそんなことは杞憂に終わった。
1時間ほどの芝居だが、仕掛けも芝居の面白さもたっぷりと感じさせてくれる舞台だった。
子供も大人も楽しめた舞台だったであろうと思われる。
暴れん坊 銀河鉄道の夜~前張り2012~
劇団鹿殺し
西鉄ホール(福岡県)
2012/05/12 (土) ~ 2012/05/13 (日)公演終了
満足度★★★★
原作の面白さを十分に活用している
面白かった。
ほぼ前張りだけの衣装といっても決して際物ではない。
銀河鉄道を今風に変えながら、それでいて原作から遺脱しているわけでもない。
特に、一人前張りではないジョバンニへの禁句などは悲哀すら感じた。
東儀秀樹 雅楽ワークショップ&ミニライブ
そぴあしんぐう
そぴあしんぐう(福岡県)
2012/02/04 (土) ~ 2012/02/04 (土)公演終了
満足度★★★★
雅楽だけではない
日本のものでありながら、雅楽に詳しい人間は少ないと思う。
それを、着物から、楽器、はては枕草子まで面白おかしく解説され、素人でも十分に楽しめた。
個人個人で教わることはできなかったが、楽器の体験コーナーもあり、鳳笙、篳篥、龍笛を自分で音を出すことができたのは少し感動であった。
ミュージカル「テニスの王子様」 青学vs六角
テニミュ製作委員会
TOKYO DOME CITY HALL(東京都)
2012/02/09 (木) ~ 2012/02/12 (日)公演終了
満足度★★★★
一見さんでも大丈夫
ライブビューイングにて観劇。
以前から評判は聞いていたが、チケットを取ることは難しそうだし、と思い、ライブビューイングなら初心者でもいいのでは、と観ることにした。
出演者は新人さんばかりでもちろん演技や歌は下手だ。が、それを補って余りあるほどに面白い。
そして、演技が下手、とはいっても、動きやポーズなどはキャラクターそのままだ。激しく踊っていても、各人のキャラクターが揺らぐことはない。
そして、この作品ではそれが何よりも重要だ。
顔が違うと文句が出る映画の実写などという道を取らず、舞台、しかもミュージカルにしたのは大正解ではないだろうか。
試合の演出も面白い。
曲ごとにコートチェンジしたり、光でボールを演出たり。
また、全員に無理に試合場面を作らず、数人をヒューチャーするのも次回公演がある強みだろう。
マシーン日記
東京芸術劇場
J:COM北九州芸術劇場 中劇場(福岡県)
2013/04/20 (土) ~ 2013/04/21 (日)公演終了
満足度★★★★
愛を感じた
無意味としか表現できないような設定、なぜ彼等はその生活に甘んじ、疑問を抱かないのか。
強姦された女工、強姦した弟、その女工と結婚した兄、弟のマシーンになるという女。
それぞれの行動原理おかしい。
だが、観ているとそれでいいか、と感じてしまう。
彼等は、生きていると感じるために生きている。ふとそう感じた。ラスト付近などは狂おしいほど愛を感じた。
ただし、以前のキャストがどの役だったのかハッキリわかる演技で、これでいいのか、とは思う。
百年の秘密
ナイロン100℃
J:COM北九州芸術劇場 大ホール(福岡県)
2012/06/02 (土) ~ 2012/06/03 (日)公演終了
満足度★★★★
いつもながら映像は素晴らしい。
前回の作品があまりにもガッカリだったが、今回は良かった。
特に映像が今回良かった。
長いスパンで時代を行き来するのも見ごたえがあった。
イッセー尾形のこれからの生活2012 in 小倉
森田オフィス/イッセー尾形・ら(株)
J:COM北九州芸術劇場 中劇場(福岡県)
2012/07/28 (土) ~ 2012/07/29 (日)公演終了
満足度★★★★
不満ナシ
ほぼ毎回観ているが、毎回、「このネタはあまり好みじゃないな」というのが1つや2つはある。
しかし、今回は面白いネタばかりだった。
これを機にしばらく舞台はお休みするとのことなのでなおさらいいものをみせてくれたのだろう。
焼肉ドラゴン
新国立劇場
J:COM北九州芸術劇場 中劇場(福岡県)
2011/04/16 (土) ~ 2011/04/17 (日)公演終了
満足度★★★★
面白いと好きは違う。
単純に言ってしまえば「屋根の上のバイオリン弾き」在日版。
だが、遠い異国の話ではなく自分たちの住む国での出来事であるだけに現実感・恐怖感が増す。
高度経済成長の時代に設定されているため、今の目から見た彼らの状況、その後の運命などが見て取れる。
日韓の俳優の配置も、日本人を日本生まれの在日としているなど上手い。
なにより、父母が力強くていい。
抑えるべき部分などは随分ストイックにやっていたが、感情過多な部分も目立つ。これは国民性の違いと捉えるべきだろうか。
賞を取りまくったというのはなるほどと思えた。
しかし、絶賛される程の理由は思いつかない。
後半以降の観客席で起こっていたすすり泣きや笑い、この意味を観客はもっと考えるべきではないだろうか。
THE BEE Japanese Version
NODA・MAP
J:COM北九州芸術劇場 中劇場(福岡県)
2012/06/07 (木) ~ 2012/06/10 (日)公演終了
満足度★★★★
原作との良い相性をみせてくれた。
作品に無駄がなかった。
筒井原作を野田さんが愛していること、そしてその表現の相性の良さを見せてくれた舞台だった。
曲の使い方も良かったし、世間の無機質さ、狂気も感じさせてくれた。
宮沢りえが出ることは知っていたのに、カーテンコールの時までなぜか気付かなかったのも個人的には良い印象だった。
あゆみ TOUR
ままごと
イムズホール(福岡県)
2012/04/19 (木) ~ 2012/04/20 (金)公演終了
満足度★★★★
感心した。
ままごと作品は、少し趣向の似た『わが星』を先に観ているせいもあってか、あまり新鮮に感じることは出来なかった。
だが、つまらなかったわけではない。
女性たちの動き、フォーメーション、ライトや道具の使い方、いろいろと楽しめるところの多い舞台だった。
柴作品はSFをしっかり取り込んでいることにいつ感激する。それも、設定としてのSFではなく、作品の肝としてちゃんと織り込まれているところに。
しかし、一方で、毎回役者に不満が残る。
彼の考えなのかもしれないが、もっと作品を活かすことのできる役者で観てみたい。
ミラクル
WAHAHA本舗
福岡国際会議場 メインホール(福岡県)
2012/05/02 (水) ~ 2012/05/04 (金)公演終了
満足度★★★★
客を楽しませる精神は素晴らしい
下ネタばかりの3時間。何も考えず笑い、楽しめた。
ブラジャー、観客投票、スタンディングオベーションの約束など、観客参加の仕掛けがたくさんあり、「舞台上だけで盛り上がり、観客は置いてけぼり」などということはない。
小さなコントをたくさん積み重ねる形で、あまり飽きも来ない。
特に「獅子舞ケル・ジャクソン」が大好きだった。
後半は、盛り上がりはするものの、それほど笑えるネタはなくいまひとつだった。
生で観たのは二度目。最初はもう10年ほど前で、その時はあまり楽しめなかった覚えがある。
カンパニー・フィリップ・ジャンティ『動かぬ旅人』
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2013/05/22 (水) ~ 2013/06/04 (火)公演終了
満足度★★★★
素晴らしい
数年ぶりに観ることができた。
大きな筋はあり、セリフも各国の言葉で少ないながらもあるが十分に伝わる。
だがやはり、パフォーマーたちの素晴らしい動き・表現力、そして、人形や紙・布を使った変幻自在のセットに息を呑む。
端の方だが最前列を取れたことも幸せの一因だった。
今まで運良くいい席ばかりが取れている。願わくばこれからも。
GIGANT~ギガント~
コンドルズ
イムズホール(福岡県)
2014/08/30 (土) ~ 2014/08/30 (土)公演終了