ORGAN 【ご来場ありがとうございました。次回公演は9月中旬】
elePHANTMoon
サンモールスタジオ(東京都)
2010/04/07 (水) ~ 2010/04/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
‘想像力をかきたてる’とはこういう事か
「なぜ今そうなったのか」
「その時、果たしてなにがおこったのか」
登場人物それぞれの、いわゆるバックグラウンド―そういった説明が全くと言っていいほどない作品でしたが、「よくわからないな」と思う自分よりも「そこに何がおきたんだろう」「なぜなんだろう」と積極的に頭をはたらかせた、そんな自分がいました。
舞台空間の演出にしても、抽象舞台を素晴らしくうまく使われていたと思います。そもそもの美術プランも絶妙でしたが、照明、役者の芝居によって、“そこにあるであろう見えないモノ”をうまく浮き立たせてくれたと思います。
…ここまで想像力をかきたててくれた舞台は久々でした。
とりあえず何より、2本立てのもう一方には何が描かれているのか、とりあえずそれが気になってなりません。
夕焼けとベル
カムヰヤッセン
王子小劇場(東京都)
2010/04/03 (土) ~ 2010/04/11 (日)公演終了
満足度★★★
完成しきらなかったのでは?という印象…
カムヰヤッセンさん、王子小劇場、ともに初体験だったもので、カムヰヤッセンさんの普段のスタイルやこの劇場のスタンダードな使い方は正直わからないのですが、今回の舞台空間の使い方は効果を発揮しきらなかった印象でした。無機質な劇場の壁、役者のすぐ目の前に燈台がきてしまうギャラリーでの芝居などが、いまひとつ入りこめなかった原因の一つであるような印象です。
脚本としては核となる二つの家族と一つのグループ、女刑事…これらもそれぞれを描こうとしすぎて、フォーカスが散漫になってしまった印象を受けました。
面白くなりそうなのに、もったいない部分が多かった…そんな印象です。もっともっと面白くなる要素をさすがに感じさせてくれたので、今後も注目させて頂こうとおもいます。
とりあえず寝る女
箱庭円舞曲
駅前劇場(東京都)
2010/04/02 (金) ~ 2010/04/06 (火)公演終了
満足度★★★★
初の箱庭円舞曲、楽しめました!
こんなにもナチュラルに笑えるセリフを織り交ぜられるものなんだと、途中から感服してました。「笑う」トコと「見入る」トコ、うまく立て続けに見せられてはもうタチウチできません!
‘突拍子もない’ととられてしまう可能性ありの設定とかをスマートに届けてこられたのも印象的。一歩間違えばしらける要因となりえない設定も、違和感なくスッと入ってきました。
俳優さんも皆さん持ち味を発揮されていたようで、2時間15分という長めの上演時間を、飽きることなく堪能させてもらいました、お見事!
終わり方が少々ピンとこなかったのと、異様に空調が寒かったのを除けば…☆5つな感じです(笑)
他の人の感想も聞いてみたい。
『クロノス・ジョウンターの伝説』~『ミス・ダンデライオン』『南十字星(サザンクロス)駅で』~
演劇集団キャラメルボックス
サンシャイン劇場(東京都)
2010/03/12 (金) ~ 2010/04/04 (日)公演終了
満足度★★★★
ここまでくればもう好みの問題
「タイムマシン」っていうテーマの為か、どうしてもチョット突っ込みたく部分もありますが…あんまりそういう事考えて観るのも野暮だなと思わせてくれる感じでした。
キャラメルボックスさんのお芝居の事、正直って「大好き」ではないのですが…面白かったです。あの行き届いたファンサービス精神、ブレない空気感と作品の質…そういったモノには一目置かなければならないなと思わされます。さすがだと思います。
「ここまでくると好みの問題」そう言えるクオリティを提示できるのは本当に素晴らしい事ですよね。
止まらずの国
ガレキの太鼓
サンモールスタジオ(東京都)
2010/03/25 (木) ~ 2010/03/30 (火)公演終了
満足度★★★★
物語とかではなく
舞台上に流れ出した空気にやられた。途中、なぜだか息苦しくなってる自分に気づきビックリ。息をうまく吸えなくなる舞台なんて、これはなかなか出来ない経験…。たしかにストーリー展開で気になる部分、もったいない部分はなくはない。でも、それよりも他に感じるべき部分が沢山ある舞台だと思った。お見事。
7月、この脚本家さんとやれるのが楽しみです。
『師走やぶれかぶれ』『新春やぶれかぶれ』
田上パル
富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ(埼玉県)
2010/03/25 (木) ~ 2010/03/28 (日)公演終了
満足度★★★
『新春』の方でした。
よくもまあ、あれだけ狭い装置(こたつのある居間!)でドロップキックしたりなんやり!前回公演よりは勢いが感じられ、楽しめました!
ただ、『師走~』との関連部分がちょっと薄かった気がして残念。もうちょっと引っ掛からせてくれたら『師走』も観たのになぁ…という印象。
いつか「舞台全壊!」までやる田上パルが見てみたい。ってもうやってたらごめんなさい…。
まだやれそう。まだブッ飛んだ設定とウェルメイドっぽい部分のバランスが微妙に気持ち悪い(苦笑)。
ロマンシングガーデン
Seiren Musical Project
六行会ホール(東京都)
2010/03/25 (木) ~ 2010/03/28 (日)公演終了
満足度★★
客席は沸いていたけど…
個人的には楽しめませんでした…残念。
人間の体が小さくなって虫の世界に入り込む、という作品の再演かつミュージカル版ですが、この作品のいいところは「虫の世界ってなんだよ」的なチープな点だと思います。初演はその‘チープさ’を関係者が把握していた上で遊び心を持ってやっていた事から魅力が出た気もするのですが、今回は「ただ学生さんが一生懸命やっているな」という印象。発表会的空気は否めませんでした。自分達の作品を愛しすぎたのでは?お客さんは沸いていたけど、平日マチネという事もあり、出演者の親族の方が多かったのかなぁという印象です。
そんな中でハエ役の小林達明さんは秀逸。誰が見ても「バカだなあ」と思える役どころを逃がすことなく演じてらっしゃいました。
喫茶久瀬
文月堂
サンモールスタジオ(東京都)
2010/03/02 (火) ~ 2010/03/07 (日)公演終了
友達
新国立劇場演劇研修所
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2010/02/22 (月) ~ 2010/02/24 (水)公演終了
満足度★★★★
3年間お疲れさまでした!
なかなか見応えのある作品に仕上がってました。
約1年前、岸田國士の短編集か何かで初めて拝見した皆さんとは段違い。皆さん、良い役者さんになってるなと思いました。1年間ずっと見てきたので何気にちょっと感慨深いです。もうこのメンバーでは見られないんだなと思うと、応援してきた劇団が解散してしまうような気分にもなります…。
作品としても、先日拝見した青年座の研究所よりも「一つの作品」としてシッカリと演出されていて、よかったと思います。特にオープニングが印象的。パンフレットにもありましたが、「修了公演」であると同時に「デビュー作」を作った感じがシッカリ伝わってきました。
面白かったです。
ただ…やはりせっかくなので、平日3日間だけの公演というのはちょっと寂しい気がするのですが…。
美しきものの伝説
劇団青年座研究所
青年座劇場(東京都)
2010/02/17 (水) ~ 2010/02/21 (日)公演終了
満足度★★
まず、3時間30分は長い…
休憩入れて3時間45分。長すぎる…。
「先生」役の鳥海さん、「四分六」役の有馬さんはうまく役の魅力を引き出していたように思うが、全体的には印象に残らない、または役の魅力を引き出せていない役者さんが多かった。特に「クロポトキン」役の高橋さんは、大役にまだ役者の力量が追いついていない感が満載で、見ていて少々歯がゆかった。残念。
養成所は、役者が育つ場所であると同時に、役者を育てる場所でもある。そういった意味で演出にももうひと工夫ほしい。どういった稽古をつんできたのかわからないが、難しい本をただやらせるだけで俳優が養成されるのであれば苦労はない…のではないかなと。役者さんの努力不足もあるだろうが、養成所という場所を考えれば、指導側の責任も感じずにはいられない。
ウィスキーはウィスキー(らしきもの)をキチンと注いでいるのに、なぜか水が出てくるシーンは全て空のグラスなのも気になった…。零れるから、の理由であるなら、ウィスキーのシーンでも注がずに見せる工夫が欲しかった。
そして彼女はいなくなった
劇団競泳水着
サンモールスタジオ(東京都)
2010/02/11 (木) ~ 2010/02/21 (日)公演終了
ここに線を引く
ガレキの太鼓
シアター711(東京都)
2009/08/07 (金) ~ 2009/08/11 (火)公演終了
満足度★★★★
たしかなる取材の裏付けがそこに
なにせビックリしたのはそのリアリティ。「農業」の知識なんてラクラク得られるもんじゃありません。でも、あたかも「実家が農家」であるかのような「本物」がそこには存在してました。これは引き込まれます…作家のプロ根性に脱帽。ただのノリじゃここまでは絶対に書けないと思います。
「life」
演劇集団3days
ART THEATER かもめ座(東京都)
2010/02/05 (金) ~ 2010/02/07 (日)公演終了
満足度★★
なにが「実験」だったのか…
実験公演という事でしたが、何を実験したかったのかチョット不明確でした。「台本がなくてセリフがない」みたいに前説でおっしゃってましたが、流れは稽古でガッツリ作ってある感じで即興の緊張感は特に伝わってきませんでした。
…どうでもいいですが今、「緊張感」と打とうとしたら、最初に「金長官」と変換されました(苦笑)。
「エチュードから作ってみました」だけでは実験としては不十分でしょう。もう少し実験内容を明確にしてくれると観てる側も楽しいと思います。そこがハッキリしてれば、失敗した実験でもお客さんを楽しませられるかもわかりませんしね。
「ボクサー」のミット打ちのシーンは、かなり美味くてビックリです(笑)
幸せの歌をうたう犬ども【ご来場ありがとうございました!】
DULL-COLORED POP
タイニイアリス(東京都)
2010/02/02 (火) ~ 2010/02/04 (木)公演終了
満足度★★★
カラフルな箱馬が凄い存在感…!
あきらかに「企画」色の濃い、ブッ飛んだ作品だったように思いますが、その割にメリハリが薄く感じられてちょっと残念。「結婚サギ師」と「目的のためには手段を選ばない女」の2役は役柄として凄く面白そうな設定だと思ったのですが、もうちょっと生かせなかったかな~と思ってしまいました。個人的には「本編と無関係な歌とダンス」、もっと観たかったです。タイニイの薄暗い空気の中、カラフルな箱馬陣が凄く印象的でした!
パリジャン!
とくお組
赤坂RED/THEATER(東京都)
2010/01/27 (水) ~ 2010/02/07 (日)公演終了
『F』
青年団リンク 二騎の会
こまばアゴラ劇場(東京都)
2010/01/29 (金) ~ 2010/02/07 (日)公演終了
満足度★★★★
素直によかった、観てよかった
役者さん2人がともに好演。いつの間にか涙腺が弱ってる自分に気がついた時はマジックにでもかけられた気分でした。やられた。先日拝見したユニークポイントさんもそうでしたが、明りの生みだしてる効果が◎。照明って凄いなって今更思う最近です。ポストパフォーマンストークも良かったです。
シンクロナイズド・ガロア
ユニークポイント
「劇」小劇場(東京都)
2010/01/26 (火) ~ 2010/01/31 (日)公演終了
満足度★★★★
秀逸。
重なり合う軸に込み入ったシーンに知識が必要な物語…それを「難解」と感じさせない演出力に感服。好みのタイプとは言えませんでしたが、見とれてしまいました。ただ「初めて舞台を観る」という人に「お薦め」はしないかなぁ…むしろ舞台を良く観る人や、芝居関係者の方に観て欲しいです。
ハッピー・マン
劇団青年座
青年座劇場(東京都)
2010/01/24 (日) ~ 2010/01/31 (日)公演終了
満足度★★
やろうとしている事は面白い…
でも、もっともっと面白く出来たと思う。
詰め込み過ぎて、ひとつひとつが雑になってしまった!?
老舗の劇団さんがこういう作品に挑むのは好きなので、こういうアグレッシブな企画がもっと出てくる事、期待します。
主役の宇宙(たかおき)君はカッコよかった。春に上演予定の『赤シャツ』のうらなり役と見比べてみて欲しい。体の使い方から別人です!
誰ガタメノ剣
シアターキューブリック
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2010/01/20 (水) ~ 2010/01/24 (日)公演終了
【無事終演!】LOOKING FOR A RAINBOW【公演写真多数UP!】
劇団宇宙キャンパス
吉祥寺シアター(東京都)
2010/01/07 (木) ~ 2010/01/10 (日)公演終了
満足度★★★
公演説明の通りの内容です
正直、見ているのが恥ずかしくなる人もいるだろうと思います。でも最低限ツボをおさえてくれているので、変な「抵抗感」さえなければ、ある程度楽しめる仕上がりになっているかと思います。楽しんでいるお客さんとそうでないお客さん、温度差がとてもハッキリした客席に感じました。