
魔法はひとつじゃありません!
けろけろプロデュース
Route Theater/ルートシアター(東京都)
2025/12/24 (水) ~ 2025/12/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
絵本作家デビューを目指す主人公と怪しい占い師から渡された何でも夢が叶う「魔法のクレヨン」を中心に描かれた話。ところどころ人語を話すカエルが登場して話をかき混ぜます。登場人物が多いものの、それぞれに魅力や存在感があり、話に引き込まれました。主題の「夢は自分の努力で叶えるもの」という言葉が刺さりましたし、自分を振り返りながら共感できました。最後もハッピーエンドになって良かったです。阪神のユニフォームを着た人が時事ネタっぽくって笑えました。

サラリーマン!!!
床の間企画
中板橋 新生館スタジオ(東京都)
2025/12/25 (木) ~ 2025/12/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
当初の予想に反して、分かりやすいくらいの勧善懲悪の作品でしたが、それはかえって面白かったです。
主人公のしがない普通のサラリーマンは、家庭や職場で辛い状況でしたが、それでも家族の危機に自らを顧みず悪の組織にまっすぐに立ち向かう姿には感動的でした。
友情、家族愛、勇気、笑いなどが沢山詰まった楽しくもどこかサラリーマン達に勇気をもらえた素敵な演劇でした!人間、家族がいれば人生悪くない。そして悪の組織の構成員も、どこかしら人間臭く、強そうな弱そうなどこでもいそうな人達で、悪だけどなんだか憎めないキャラでした。彼らのこれからの人生も気になります。そして、劇中に出てきた仮面のヒーローは、最後まで正体が明らかにならなかったのもなんだか奥ゆかしいですね。
床の間企画さんの第1回の公演ということでしたが、ご縁があって鑑賞できたことに心から感謝いたします。次の公演があれば、また観に行きたいです。ありがとうございました。

パーク
甲斐ファクトリー
シアター711(東京都)
2025/12/10 (水) ~ 2025/12/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
とある町の公園が舞台。何か凶悪事件が起きると思って臨みましたが、スーパーのパートや学生さん、公園のベンチに異常に愛着あるおじさん、公園を管理する市役所の職員などがベンチを通して徐々につながり、できあがっていくコミュニティに面白みがありました。市役所側は、危ないから公園のジャングルジムや鉄棒の撤去、ベンチも長期滞在できないように快適でないものに変えようとして、公園の利用者との間に次第に軋轢が生じます。何か現在の不寛容で窮屈な世の中を表しているな、と思いました。主人公のおじさんの半生もミステリアスでした。なぜ嘘をついていたのか?どこまで本当なのか?人間には誰しもどこか闇の部分があるということを改めて思いました。

『いつかへ』(アーカイブ配信)
アンティークス
「劇」小劇場(東京都)
2025/12/03 (水) ~ 2025/12/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
横浜大空襲を起点に3つの時代を重ね合わせて、家族のつながりをテーマに描いた物語。今の当たり前の日常がすごく繊細に描かれていました。横浜大空襲の演出が見事でまるで本当に空襲に遭ったような錯覚を覚えました。過去の作品も興味が沸き、物販でDVD1本を購入して、劇場を後にしました。また観に行きたいです。

首2
きっとろんどん
OFF OFFシアター(東京都)
2025/11/27 (木) ~ 2025/12/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
北海道・札幌から東京・下北沢に乗り込んできたまだ若い男性役者四人で構成された劇団(1人は北海道在住らしい)。
猟奇殺人事件の加害者・被害者双方に「何らかの関わりがある」という設定で、舞台役者としての役者が事件に迫っていきます。
実際に起きた事件の検証・考察もかなりされていて、人間的ドラマが非常に興味深かったです。
最初に「この作品はフィクションです」と説明がありましたが、どこまでがノンフィクションなのか境目がないほどにリアリティが感じられました。特に風呂場のシーンは鬼気迫るものがあって、魅入ってしまいました。年配の役者さんの演技がとても味がありました。

何もできない男の子と何も持たない女の子
劇場企画タイオン
インディペンデントシアターOji(東京都)
2025/11/19 (水) ~ 2025/11/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
田舎町の塩メーカーを舞台に、失敗ばかりのダメダメ男性社員と突然退職代行を利用して会社を去った優秀社員・幸子を中心に描く話。登場キャラがそれぞれに魅力があり、話に魅入りました。ミステリアスな退職代行業者があまりストーリーに絡んでこなくて少し残念な気もしました。退職代行業者をもっとクローズアップしてみても良かったかと思います。

クレマチスの小屋
劇団大樹
Route Theater/ルートシアター(東京都)
2025/11/06 (木) ~ 2025/11/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
2日目を観劇しました。初めてでしたが、一つ一つのシーンがとても丁寧で懇情豊かに演じられてい素晴らしかったです。擬人化した猫や人形、彼らから見た世界も新鮮でした。また、舞台演出が美しく、まるで生きている木のようでした。とても心に残りました。これで終わってしまうのは本当に残念です。いつかまた再演がありますように。

ロックスターは死んだ
中央大学第二演劇研究会
シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)
2025/11/06 (木) ~ 2025/11/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/11/06 (木)
11月6日(木)観劇しました。
学生演劇でロックミュージックがテーマ?「今回はハードル高いだろうなぁ。」と思いながら、自分自身が初めて生のロックライブを見た当時の大学生の自分と今の大学生たちの姿を重ね合わせたくて、今回も観劇させていただきました。
いつも通り、私以外はほとんど大学生(たまにOBらしきおじさん・おばさん)、観客は半分以上が女子大生と思われました。そんな中、青春真っ只中の大学生たちが、見事に「ロックな劇」を演じて、観客を感動させてくれました。
プログラムでも若干触れられていましたが、「音楽」と無縁の人生の人はこの世には多分いません。劇中、登場人物の抱える痛みや苦しみに心揺り動かされながら、自分だったらどうするだろう?と何度も考えました。自分は音楽はあまり得意ではないですが、劇中に出たバンドで売れることを目指して一人で頑張る主人公、父の姿を追って歌手を目指す7歳の女の子、アメリカで夢破れたが、また昔の仲間で再起を目指す37歳のミュージシャン。誰かが誘ってくれたらやれるかなあ…、でも自分からは動けないだろうなあ…、とか思いながら。それぞれの生き様に胸を打たれ、泣きそうになりました。みなさんすごくかっこよく胸アツの舞台でした。
そして、道案内から終演しての舞台からの全員でのお見送り、出口まで心地良い接客と対応も好印象でした。中大生は優秀です。これからも自信を持って、学生生活を送ってください。応援しています。この舞台が、皆さんの人生の中で、忘れられない思い出になる事は間違いないと思います。

Cordemoria
縁劇ユニット 流星レトリック
ザ・ポケット(東京都)
2025/11/05 (水) ~ 2025/11/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
三本の短編。ワンドリンクを頼むと何冊でも読み放題のレトロな本屋で繰り広げられる人間模様。それぞれの話に発見や味わいがあり面白かったです。 役者さん達は皆、感情豊かな表現で、涙腺が緩むこともありました。 役者数も多く、それぞれに見応えがありました。個人的には1話目が一番よかったです。

当番の娘
劇団匂組
「劇」小劇場(東京都)
2025/10/22 (水) ~ 2025/10/26 (日)公演終了

プンティラ旦那と下男のマッティ
MODE
座・高円寺1(東京都)
2025/10/17 (金) ~ 2025/10/26 (日)公演終了

223番のはなし 東京公演
劇団芝居屋かいとうらんま
OFF OFFシアター(東京都)
2025/10/10 (金) ~ 2025/10/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
とても面白かったです。移民や環境問題の要素もあり、色々考えさせられました。ラストもちょっと寂しい感じが心を揺さぶります。終演後のキャスト全員での階段でのお見送りは、恐縮してしまいました。また次も行きたいなと思ってしまいました。

ながいみじか〜い
キルハトッテ
王子スタジオ1(東京都)
2025/10/09 (木) ~ 2025/10/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
すごくよかったです。短編ですが、就職や結婚、はたまたご葬儀を問題にしていますし、ときに笑えて、時に人生の節目を考えさせられました。みんな良い人ばかりで最高ですね。舞台の演出ですが、冷蔵庫やサンタクロースの袋から色々出てきて面白かったです。小劇場ならではの一体感がありました。ただ、役者さんが自分で音を流すの大変そうでした。素敵な時間をありがとうございました。

シャガ
SHEDDING
インディペンデントシアターOji(東京都)
2025/10/09 (木) ~ 2025/10/13 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
「シャガの扉を開いた者が村を救う」という言い伝えられた村でシャガ(祠)の鍵を開けようと目論む小さな村の話。
登場人物それぞれの葛藤や欲望がある中でも人とのつながりが濃かった世界。豊かにはなったものの孤独で寂しく生きる今の現代社会に対してメッセージを感じさせました。
衣装がかっこよく、冒頭にダンスもあり楽しかったです。チケットもナイスな発想でした。ただ登場人物が多く、顔と名前がなかなか一致できなかったので、パンフレットをよく読んでから観た方が良いです。后芸さんが異色な存在感でした。楽しい時間をありがとうございました。

D.S.T.P (Don`t stop the play) 〜芝居を止めないで〜
A.R.P
小劇場B1(東京都)
2025/10/01 (水) ~ 2025/10/08 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
とても面白かったです。
色々な伏線があり、コメディもたくさんありで最初から最後まで楽しい時間になりました。登場人物、一人一人見ていて飽きが来ず、時間以上に濃い内容でした。
最後もハッピーエンドで終わって、良かったです。次の公演を楽しみにしています。ありがとうございました!
チョキの撮影、興味ありましたが、ちょっと勇気が出ませんでした・・。

Jeanne d’Arc -ジャンヌ・ダルク-
劇団ミュ
ウッディシアター中目黒(東京都)
2025/10/02 (木) ~ 2025/10/13 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
2日目を鑑賞しました。神の声を聞いたジャンヌ・ダルクが異教徒として死刑になった後の異端裁判をやり直す話。歴史では、目に見えない存在からの声に従い、人生の転換を起こす人がいます。偉人や聖人は、人生のどこかで神や天使の声を聞き、その呼びかけに応え自らの使命を果たそうと立ち上がることがあります。今回の主人公のジャンヌ・ダルクもまさにそれでした。独りの少女の勇気が国を救うという「物語」ではなく、歴史の事実がそこにありました。当時、信仰が生活や善悪の判断の中心にあった時代に起きた奇跡的な出来事。神の声を聞き、その声に従って生きるには、強い信仰、勇気、選ばれしものの覚悟が必要であったことを改めて思い起こしました。小劇場ならではの迫力のある生歌には心揺さぶられました。ミュージカル、演劇の枠を超えた素晴らしい舞台でした。

Letter2025
FREE(S)
ウッディシアター中目黒(東京都)
2025/09/24 (水) ~ 2025/10/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
大変良い作品でした。
戦後80年の節目で 戦争を題材にした舞台の中で特に心に残りました。
幕開けは現代の高校の部活のシーン。ここから2011年の東日本大震災をきっかけに悲惨な東京大空襲の翌日に急展開します。このギャップで戦争を「情報」ではなく「疑似体験」する空間に引きこまれました。そして主人公が加わった特攻に赴く兵士たちのそれぞれの立場、思い、それぞれの夢…。それにかかわる家族や兄弟、仲間たち。軍隊の中で出会ったものたちのそれぞれの物語が心を震わせます。最後では私の周りではすすり泣く声が聞こえました。そして、主人公は現代に戻ることができず、戦没者の遺品として現代のヒロインの元に届いた手紙。軍隊の中で苦労し、成長した主人公の言葉に感動しました。すばらしい時間をありがとうございました。

VIVID
Loneliness of the butterfly
イズモギャラリー(東京都)
2025/09/19 (金) ~ 2025/09/23 (火)公演終了

オズの魔法使いによろしく
中央大学第二演劇研究会
シアターシャイン(東京都)
2025/09/11 (木) ~ 2025/09/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
面白かったです。山田ドロシーを始めとした高校生が抱えるリアルな悩み。周りの教師、母親、先輩、友人。それぞれに悩みを抱え、現実に向き合う姿が実に上手く表現出来ていたと思います。人間、助け合って生きて行くものだと教えていただきました。ところどころに笑いもあり、和ませていただきました。案山子田君もやりたい事が見つかって良かったですね。犬岡君は教団を内部告発した人だったんでしょうか?
また、帰りに雨の中お見送りいただき、ありがとうございました。また、行きたくなりました。次回も楽しみです。

勇者よ、情けなく
中央大学第二演劇研究会
studio ZAP!(東京都)
2025/09/04 (木) ~ 2025/09/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
9/5の公演が台風で中止になってしまい、今回は見送るつもりだったが、やはり気になって9/7に振り替え鑑賞。結果、観に行って良かったです。
学生演劇としては、魔王と戦う勇者をあえて普通の人間として、演題の「情けなく」描いたのには意外だった。現代に飛ばされた勇者やその強き従者たち。彼らは、現代では何もかもうまくいかず、日々葛藤の中で生きることになったが、その愚かしくも切ない人間的な姿を浮き彫りにすることで観ている人の心を揺さぶりました。そして、紆余曲折を経て、最後のシーンで3人がロールプレイングゲームをする姿は、前向き感が出てほっこりしました。普通に生きる道こそ、現代の勇者の道であると示唆されたような気がしました。
少々残念だったのは、いろんな登場人物が出てきたものの、勇者との関係性が薄く、盛りすぎてしまったため、かえって勇者が目立たなくなり、引き立てるにはいたらなかったこと。また、勇者の最大の見せ場が単にルリに関する倉庫長との女性トラブルに見えてしまい、勇者もはっきりしない対応でなんとなく下卑になってしまったように思えました。情けなくも、もう少し主体的に行動して欲しかったです。あのシーンが見せ場だったのに演出が勿体なかったです。はなこや佐々木の方が勇者でした。
少々物足りなさもありましたが、学生さんたちに笑顔で見送ってもらえるとまた次も来たくなりますね。外で道案内いただいた方も大変親切でした。これからも応援しています。