Blanc ~空白の抱擁~
芸術集団れんこんきすた
Livetheater間~まほろ~(東京都)
2013/07/10 (水) ~ 2013/07/15 (月)公演終了
満足度★★★★★
必見
早速、「Blanc」、そして「Bleu]、通って二作観てきた。
これは必見。両作品ともぴったり2時間の芝居だが、あっと言う間に終わる。
観劇したのが「Blanc]「Bleu」ともに、初日だったこともあり、何回か台詞を噛むのが残念だったが…。まぁ、れんこんきすたの持ち味の一つである容赦ない歴史用語や年号、時代物の言い回しの脚本は役者泣かせだろう。
とにかく役者の熱量が凄い。汗や涙が飛んでくるのでは…と思うような熱演、圧倒的な世界観。
中川さんも「Blanc]と「Bleu」では性別も違い別人。色々面白い。
洋物、歴史もの苦手な人も、これは観たら良い。
カメラ・オブスキュラ
芸術集団れんこんきすた
川崎H&Bシアター(神奈川県)
2012/07/26 (木) ~ 2012/07/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
再投稿
評価をし忘れてしまったので、再投稿。
座長・中川の美しさと、俳優陣の丁寧な演技。
雑さのない濃い味の舞台。
ぜひ、たくさんの人に観て欲しい。
カメラ・オブスキュラ
芸術集団れんこんきすた
川崎H&Bシアター(神奈川県)
2012/07/26 (木) ~ 2012/07/29 (日)公演終了
面白い
久し振りの観劇、久し振りのれんこんきすた。面白かった。
爆笑!と言うタイプの作品ではないが、思わず見入ってしまう魅力のある舞台だった。
役者も真剣に繊細な演技を積み重ねており、それを集中してみていると、まるで役者と真剣勝負をしているような気持になった。
観終わったあと、少し疲れた気もするが、それ以上に充実した時間を過ごせたことへの深い満足が味わえる。
相変わらずのこの劇団のテイストが味わえることも、実に嬉しい作品だった。
違うアングルからも観劇してみたいので、日曜にでももう一度観に行きたいと思う。
千牢の果てに咲く
芸術集団れんこんきすた
テアトロ ド ソーニョ(東京都)
2009/02/20 (金) ~ 2009/02/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
追随を許さない美しさ
美しくて、胸が痛くなるような舞台だった。
物語の舞台は宇宙なのに、舞台は狭い。それが皇女の孤独を初めとする各人の心の空間を表現していた。すぐそばにいるのに、心だけが狭い舞台の上で果てしない距離を離れている。その寂しさと空虚さを感じるのに、効果的な狭さだった。
その狭さをものともせず、余すことなく観客を魅了する見事な踊り!第4期お披露目の吉田知恵子の踊りは素晴らしい。演技はまだ未熟だが、彼女は動きで喜怒哀楽を表現する方法を知っている!
そして座長の中川朝子。
美しく危うく、心の篭っていない、唇のはしから零れ落ちるような文語調の台詞が、虚ろで悲しい高貴な女性を効果的に表現していた。けれど身体能力の高さは健在。絢爛な衣装でダンスシーンは少ないが、平素の立ち振る舞いで、難しい動作を難なくこなす。
客演の佐々木もよくこなしていたが、身のこなしの美しさではやはり、二人に及ばない。けれど熱演だった。
客演の男優二人も、多少、異物感を否めないが、それこそが、「皇女の世界に入り込んできた異分子」としての表現であるなら、演出意図は的確なのかもしれない。ただ、もう少し演技の雰囲気を併せる努力は欲しかった。
れんこんきすたの美しさは、姿形だけのことではない。
もちろん、それが大事な要素であることを彼女達ははっきりと主張しているけれど、彼女達の美しさは、壮大なテーマに恐れなく立ち向かおうとする勇気にも由来するのだと感じた。
命、愛、憎しみ、悲哀に歓喜。
口にすると観念的で、上滑りをするようなテーマから、彼女達が逃げることは決してない。
舞台の最後で、皇女と踊り子が固く抱き合う。
皇女の夢は叶わず、踊り子も憎しみに折り合いを付けた訳ではない。
でも互いに抱き合い、涙を流し、慈しみ合う。
その姿に彼女達の覚悟のような、愚直な生き方のようなものが見えた。
観たあとに、自然と涙が流れた。
今時流行りの洒落た舞台でないけれど、こう言う真面目な舞台が一作でも多く世に生まれてくれることを望む。
Heritage
芸術集団れんこんきすた
大田文化の森ホール(東京都)
2008/09/27 (土) ~ 2008/09/27 (土)公演終了
満足度★★★★
受け継がれるもの
再演ものらしいけど。初演を知らないので、どう改変されているのかは不明…。
でも、のっけから気合の入った場面でした。
歴史モノだから、内容に付いて行けるかが一番不安だった訳だけど、それを吹き飛ばすような、いや、観客を海の中に飲み込むような印象的で、迫力のあるオープニングにのっけからやられた。
話はそれほど込み入ったこともなく、実にスタンダードで分かり易い。
でも泣ける。別れの場面に流れるアイリッシュ音楽がむせび泣くようで。
最後のシーンの晴れやかさに、生き残った少年も、観客も救われて、これは悲劇ではないんだ、と気付かされる。
改善点はまだまだあるとは思うけど、
フィクションである物語に『実際にこの時代に、こう言うヤツらがいたのかも…』と観客に思わせる説得力を持たせることが出来るのは凄い。
音楽と衣装が秀逸。