Koujiが投票した舞台芸術アワード!

2011年度 1-10位と総評
愛・王子博

1

愛・王子博

INUTOKUSHI

早稲田の演劇研究会のアンサンブルである犬と串の初の学外本公演。既に気持ちの上でも作品的にもプロを自認している犬と串にとって勝負の公演となったが、その公演を見事にやりきった。突き抜けることで新たな境地を生みだし、犬と串という劇団のすごさを観客に強烈に印象づけた。

三鷹の化け物

2

三鷹の化け物

ろりえ

いつも舞台の仕掛けに凝る奥山雄太が三鷹の広い舞台で何を仕掛けてくるかと注目したが、ここでも観客の度肝を抜いてくれた。しかも上演時間3時間という長さ。今、それだけの時間を持たせることが出来る若手劇団が他にあるだろうか。

東京

3

東京

江古田のガールズ

既にエンタメ劇団として完成の域に達している。笑わせてほろっとさせる作劇術はトッププロも顔負け。しかも三軒茶屋ミワと小圷快とい二人の人気女形を擁している。ブレイク間違いなしの劇団だ。

くちびるぱんつ

4

くちびるぱんつ

ぬいぐるみハンター

2011年に人気が急上昇した劇団。「愛情爆心地はボクのココ 」とこの作品とどちらを押そうかと迷った。POPでファンタジーでキュートな作品。音楽も照明もフライヤーも全てにおいて、センスの良さが光った。

【バナ学eyes★芸劇大大大大大作戦】

5

【バナ学eyes★芸劇大大大大大作戦】

バナナ学園純情乙女組

「二十年安泰」と名付けられた芸劇主宰のイベントはこの年を代表するイベントのひとつだったがその中でバナナ学園が話題をさらった。それまではちょっと毛色の変わった劇団として見られていたが、新しいジャンルの演劇としての評価を確立した記念碑的公演となった。この公演をきっかけに二階堂瞳子は時代の最先端に立つ芸術家と認識された。

偽善者日記

6

偽善者日記

荒川チョモランマ

一昨年のシアターグリーン学生芸術祭で最優秀賞を取り、その結果東京代表としておうさか学生芸術祭に参加し、そこでまたまた最優秀賞を取ったのがこの作品。凱旋公演は地震で一度中止になったが、演劇フアンの熱い声に押されて直後に緊急公演が行われた。主宰長田莉奈の感性のみずみずしさは群を抜いており、若き女流演出家のトップランナーである。

クリスマス・エンド

7

クリスマス・エンド

たすいち

たすいちはこの年12ヶ月連続公演をやりきった。小劇場で12ヶ月連続公演をやれる劇団が他にあるだろうか?しかも、どの作品も水準が一定以上なのである。この作品はその締めくくりに当たる作品。魅力的な役者を集めてたすいちの持ち味を出し切った。

サザンカの見える窓のある部屋

8

サザンカの見える窓のある部屋

カムヰヤッセン

カムヰヤッセンはこの年、この1本しかなかった。しかも劇団員だけの小規模の公演で番外公演扱いだった。ところが、この公演の出来がよく、北川大輔の作劇のうまさと劇団員の役者としての成長ぶりがあらためて確認出来た。

労働です

9

労働です

範宙遊泳

範宙遊泳は常に新しいものに挑戦している。見るたびに新しいスタイルを見せてくれて驚いてしまう。この作品も演劇の新しいスタイルに挑戦したもの。見終わった後、山本卓々は演劇の革命を目指しているのではないかと思った。また劇団の看板女優熊川ふみの評価が大きく高まった一年でもあった。

黒猫【公演終了しました!誠にありがとうございました!】

10

黒猫【公演終了しました!誠にありがとうございました!】

声を出すと気持ちいいの会

今年のシアターグリーン学生芸術祭の最優秀作品。今は作家と演出家を兼ねるのが流行だが、主宰の山本タカは純粋な演出家。久々に鈴木忠志、蜷川幸雄になりうる演出家の登場と予感させた。主演の後藤祐哉も久々の長ゼリがしゃべれる俳優である。

総評

今年はベスト10を選出することがとても難しく、最終日までかかってしまった。それくらい素晴らしい作品が多すぎたのだ。そこで、中堅以上の劇団は(他の人が推薦してくれるだろうから)除外して、若手も若手、超若手に限定して、選んでみた。それでも選ぶのが大変だったと言っておこう。

上記以外に、ゴジゲン、コメディユニット磯川家(いずれも活動休止)の作品とか、ロロやPLAT-formanceなどは挙げておきたい劇団だが、選びきれなかった。また劇団エリザベス・劇想からまわりえっちゃんなども上記に匹敵する面白い作品を見せてくれた。

一年素晴らしい演劇を提供してくれた全ての演劇人にお礼を言いたい。

このページのQRコードです。

拡大