TAKEZOが投票した舞台芸術アワード!

2025年度 1-5位と総評
三人の密偵

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三人の密偵

劇団チョコレートケーキ

実演鑑賞

緊張感溢れる二人舞台。三人兄弟のそれぞれの立場で二人だけの会話劇三部作。上演時間各1時間10分。長男役岡本篤さん、次男役浅井伸治さん、三男役西尾友樹さん熱演。満州事変前、日本と中国が仲良くなることを願い各々が悩みながらスパイ活動をする。しかし戦争への流れは止められない苦悩。劇団チョコレートケーキの昭和史作品はいつも記憶残る。今回もいい。

『フォルモサ ! 』

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『フォルモサ ! 』

Pカンパニー

実演鑑賞

フォルモサ、ポルトガル語で「美しい」、台湾の別称。美しい島台湾が日本の植民地になり、原住民が弾圧されていく。日本の人類学者(実在の人物がモデル)が原住民を理解し文明を記録する過程で、日本政府の討伐に反対し苦悩する姿は感動を呼び、心に深く記憶に残る。いい作品でした。
キャストとスタッフが自費で台湾にいき理解を深めた力強さが作品に伝わってきます。原住民の血をひく歌手エリ・リャオさんの歌は魂の叫びのように聞こえた。
日本が台湾の原住民にこのような事をしていた現実に驚き心が痛む。

ズベズダ

3

ズベズダ

パラドックス定数

実演鑑賞

三部作全て観劇しました。ソビエト連邦からみたロケット・宇宙開発。第一部は黎明期から成長期、第二部は絶頂期、第三部は衰退期。国家の思惑に翻弄されながらアメリカNASAに立ち向かうソ連の科学者達の純粋な魂。月の石持ち帰り計画の失敗直後アメリカの月面着陸成功を祈る心に科学者の矜持を感じる。科学者・政治家達の活気がある第二部がもっとも迫力があり面白かった。

骨と肉

4

骨と肉

JACROW

実演鑑賞

大塚家具の会長(父)と社長(娘)との経営上の対立をモデルにしている。家具屋姫といわれ父に愛された娘が思いがけなく社長になり会社を改革して立て直して行こうとする。現会長(父)はカリスマ社長時代に会社を大きくしてきたが、時代の変化に対応できず売上が落ち、ある不祥事で社長を退き会長になる。社長(娘)と会長(父)が会社経営で対立し闘いがエスカレートしていく。父娘の頑固で相手の意見を聞き入れない性格が悲劇をよぶ。舞台セットのリング、三味線の音楽、これからの闘いを予感させる。テンポもよく芝居に引き込まれ楽しく観劇しました。谷仲恵輔さんはパラドックス定数「ズベズダ」の時も感じたが、いつも存在感があり印象に残る役を演じていて、今回も、意見に反対しつつも娘を思いやる気持ちが伝わってきました。 川田希さんはコリツチ舞台芸術チャンネルで永田紗茅さんと番組MCとして仲の良い二人で司会進行され、いつも楽しく見ていました。川田さんが社長(娘)・家具屋姫を熱演され、役の育ちの良さがでていて良かったです。

最後に、経営がうまくいかない社長(娘)がスマホで全員に電話をかけるシーンで暗転。対立だけでなく相手の話も聞く対話の大事さを伝えるメッセージ。余韻の残るラストだった。

養生

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養生

ゆうめい

実演鑑賞

舞台美術の独創性がすごい。
深夜の職場、学生アルバイト時代と正社員採用数年後を交互にみせ、その対比が興味深い。美大生の作家へのあせり、一般学生の夢からの挫折、特に一人二役した黒澤多生さんの正社員役の傲慢さと、新入社員役のおどおど感、先輩への反発等のその役の落差が面白い。誰でもがどちらの立場にもなり得る可能性を示している。

総評

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