あんなに優しかったゴーレム
ヨーロッパ企画
あうるすぽっと(東京都)
2008/08/19 (火) ~ 2008/08/25 (月)公演終了
満足度★★
笑えたけれど。
なかなか笑えた。けれど、『演劇を観ている』という感触がしなかった。長いコントと言うべきか。とてもゆるーいドリフ?あと、空間や装置をいまひとつ生かしきれてない気が。大勢の演者はいつも横並びになるばかりで。
閃光
reset-N
王子小劇場(東京都)
2008/07/24 (木) ~ 2008/07/28 (月)公演終了
満足度★
凡庸な劇作家の肖像
「傑作」「演劇にしかできないこと」。主宰の夏井氏がそう謳うからにはと心底期待したのだが、見事に裏切られた。メタという方法論に対する批評性がまったく欠如しており、斬新さは微塵も無い。創作の苦悩や愛の遍歴をモティーフに、劇作家の個人的な経験・視座を起点として、演劇という制度へ知的な揺さぶりをかける闘争=創造へまで昇華されているならば評価出来たのだが、まるでそのレヴェルには達していない。劇作家/演出家とその女、そして劇団の虚実を交錯させメタ構築した、ただそれだけ。ネクストスタンダードの追求を標榜するにしてはあまりにも凡庸で稚拙。観劇中、一瞬たりともスリリングな疾走を感じられなかった。平易で、退屈で、安全だ。
キャラクターの感情が昂る濃密な場面に差し掛かると、俳優の演技がしばしば破綻し、失笑してしまった。適正なトーンや焦点がズレてリアリティを喪失していた。「現実」を参照とする自然さ/不自然さ、ということでは無論ない。その劇場に、その演目で、そのキャラクターがそこに在るためのリアリティが、である。演技の巧拙とリアリティで言えば唯一、基準に達していると感じたのは原田紀行氏。