
荒川、神キラーチューン
ロ字ック
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2016/06/29 (水) ~ 2016/07/03 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2016/07/03 (日)
ヒリヒリするような記憶とそれにフタをするように生きている今。
小野寺ずるさんに感情移入し過ぎて、マイクを持って歌う彼女の夢を見そうな気がする。
何が人を救うのか。
明解な答えは出ていないけれど、抱え続けた想いも、すでに私の一部なのかもしれない。

郵便屋さんちょっと2016
劇団扉座
座・高円寺1(東京都)
2016/06/23 (木) ~ 2016/07/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
つかこうへい氏の複数の初期戯曲をもとに、横内謙介氏が脚本を書き、劇団員の個性を生かして演出した熱い舞台。
つか作品らしい理不尽さや強引さや屈折、あるいはえげつなささえもがっつりと見せながら、主人公のセンジロウはどこまでも明るくポジティブである。
つか芝居のレトリックと同時に、そのポジティブさが物語を牽引する。
なるほど、これはつかこうへい氏へのリスペクトであり、そして同時に劇団としての扉座らしさを詰め込んだ作品なのだと思った。

げんない
わらび座
東京国際フォーラム ホールC(東京都)
2016/06/23 (木) ~ 2016/06/24 (金)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2016/06/24 (金)
江戸中期の見世物小屋を舞台に、平賀源内という天才と彼を取り巻く人々が、封建時代の日本で「自由」を求める姿を描くミュージカル。
キャッチーなメロディ、ユニークなダンス、アクロバット、浄瑠璃や殺陣、さまざまな工夫と見どころを盛り込んだ贅沢な舞台。
中でも主人公の源内が語る言葉が、時代を見通し、未来を夢見、進もうとする意志を伝えて、この舞台を希望の物語として観る者に印象付けた。

ケムリ少年、挿し絵の怪人【全公演終了いたしました!誠にありがとうございました!】
くちびるの会
吉祥寺シアター(東京都)
2016/06/03 (金) ~ 2016/06/07 (火)公演終了
満足度★★★★
オトナの子ども心をくすぐりつつ進む冒険譚。
時代に取り残されたような町で起こる奇妙な事件に、虚構と現実が交叉する。
あばくことで失われるもの。それでもあばき続けなくてはならない存在。身を隠しつつ町に潜んでいた探偵と、彼に対する怪人の想い。
なるほど!な配役と、懐かしくも怪しい商店街のセットが、物語の魅力をいっそう引き立てていた。

残花―1945 さくら隊 園井恵子―
特定非営利活動法人 いわてアートサポートセンター
座・高円寺1(東京都)
2016/06/01 (水) ~ 2016/06/05 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2016/06/03 (金)
重い題材を、丁重かつ誠実に物語へと落とし込む姿に胸を打たれた。
観終わって、長い息を吐く。深呼吸というより、まるでずっと息を止めていたかのような心持だった。そういうある種の緊張感を背負いながら観る舞台だったように思う。

翼とクチバシもください
クロムモリブデン
赤坂RED/THEATER(東京都)
2016/05/11 (水) ~ 2016/05/22 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2016/05/14 (土)
フィリップ・K・ディックの小説やスチームパンクのような、ある種のSFめいた非現実感、あるいは現実が虚構に浸食される感じや人でない者の意識を具象化する印象がジンワリとまといつくような不思議な舞台。
観終わってまたすぐに観たくなって、ファンの方々がこの劇団を称する「観るドラッグ」という形容詞に納得した。

Hamlet
演劇集団 砂地
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2016/05/21 (土) ~ 2016/05/31 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2016/05/21 (土)
固有名詞を排し、スーツ姿や赤いハイヒールなど現代風な衣装をまとった人々の、普遍的な愛憎劇としてのハムレット。
この演出家らしいスピーディな展開と荒々しい感情の発露が観る者の神経を揺さぶった。

青森に落ちてきた男
渡辺源四郎商店
ザ・スズナリ(東京都)
2016/05/03 (火) ~ 2016/05/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2016/05/07 (土)
実際にあった出来事を、わずかに位相を変えて寓話めいた形で描きつつ、その筆致は生々しい。
敵兵を「鬼」の姿で描くけれど、実際に鬼の所業を行っているのは人間、それも同じムラに住む人々だ。
欲望や憎しみや見栄や保身やウソ。力尽くで女を襲ったり、権力を嵩にきて人々を死に追いやったり、生体解剖をしようとしたり。
物語の最後に置かれた70年後の戦争。この舞台の原型となる作品は、戦後70年を迎えた年に上演されている。寓話というには収まりきらない時代への思いが、そこにこめられているのだろう。

LADYBIRD,LADYBIRD
アリー・エンターテイメント
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2016/05/06 (金) ~ 2016/05/08 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2016/05/07 (土)
舞台いっぱいに踊る子どもたちのキラキラした笑顔と、大人がニヤッとするようなシニカルなやり取り、そして、それぞれの事情を抱えながら精一杯に生きていく人々(いやムシだけど)の姿に、大人も子どもも楽しめるミュージカルとなっていた。

ミュージカル「ハルらんらん♪―和崎ハルでございます」
わらび座
わらび劇場(秋田県)
2016/04/16 (土) ~ 2017/01/03 (火)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2016/05/03 (火)
女性の、いや人間の権利や尊厳、誇り、そういうものを言葉で説明するよりもっと切実に描いて、我々が我々らしく生きることを考えさせる。
英雄でも超人でもない当たり前の人々が、精一杯生きる姿の強さと美しさが印象に残った。

憧憬新道 DOUKEI SHINDO
新生 萬屋錦之助一座
ウッディシアター中目黒(東京都)
2016/04/27 (水) ~ 2016/05/01 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2016/05/01 (日)
戦国時代を駆け抜ける義賊とその周囲の人々が描く、アクションあり、ダンスあり、笑いありの気軽に楽しめるエンターテイメント時代劇。
突っ込みどころももろもろあれど、言うだけ野暮、笑って泣いて楽しめばいい、という印象の舞台。
ダンサーさんをきっちり入れた劇中レビューや殺陣などのアクションも見どころだろう。

イントレランスの祭
サードステージ
よみうり大手町ホール(東京都)
2016/04/29 (金) ~ 2016/05/06 (金)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2016/04/30 (土)
テンポ良く進む物語に笑ったりハラハラしたりしながら、いろいろ考えたりもさせられる。
うーん、美醜による区別も、差別のひとつかもしれないけど、好みだって恋愛だからなぁ。
ある人物の自己犠牲による偽悪的な振る舞いで、主人公が救われる『泣いた赤鬼』的な物語の座りの良さが、シリアスなテーマをこじんまりとまとめてしまったような気がして少し気になった。

MU、短編演劇のあゆみとビジュアル展(当日精算予約開始しました!)
MU
東京芸術劇場アトリエイースト(東京都)
2016/04/21 (木) ~ 2016/05/02 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2016/04/30 (土)
A・B2つのうち、Aプログラムのみ拝見した。
『戦争に行ってきた』
登場人物が皆、普通の人のように見えるのに絶妙に気持ち悪くて、何でだろう?と思っていたら、ラストまで観て腑に落ちる。もちろん人物だけでなく内容もしっかり気持ち悪い(←褒め言葉)。いわば、リアリティについての物語。
生理的な反応を、会話劇と地続きに挿入していくことによって見せる、ある種の生々しさ。それをギリギリで嫌悪ではなく演劇的な面白さに見せているのは、演出と俳優のチカラの確かさだろう。
作品としての好き嫌いは別れるところかもしれないが、ひりつく感じが否応なく印象に残る作品となった。
『その好きは通らない』
喫煙所での男ばかりのよもやま話がいつしか恋バナへ発展し。そこへ現れる女たちとのやり取りは、「ありそう」な感じを超えて面白かった。大森茉利子さんの佇まいが「いつもの喫煙所」に違和感を持ち込んで、「人生」みたいな何かを感じさせた。

DAICHI
(株)ユアストーリー
中目黒キンケロ・シアター(東京都)
2016/04/24 (日) ~ 2016/04/29 (金)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2016/04/29 (金)
仕事。家族。跡取り。パートナー。親と子。そういう当たり前の人間の営みや、人々の喜怒哀楽がこんなにしみるのは、自分も当たり前の人間だからだろう。
大地と向き合い、食べ物を育てる農業という仕事。そして、「ありがとう」という言葉。
大切なものを喪った嘆きとそこから一歩ずつ歩き出す姿に素直に寄り添える、そういう舞台だった。

夢の劇 -ドリーム・プレイ-
KAAT神奈川芸術劇場
KAAT神奈川芸術劇場・ホール(神奈川県)
2016/04/12 (火) ~ 2016/04/30 (土)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2016/04/29 (金)
美しいものを観た。久しぶりに、そんなふうにシンプルに感じられる舞台と出逢った。
遠い昔どこかで観た絵画のような物語。その非現実感を醸し出しているのは、逆説のようだけれど生身のダンサーたちだったかもしれない。ありえないくらいしなやかな身体が物語を牽引していく。
キャストもそれぞれ味わいのある演技で物語によく似合っていた。
詩的な言葉に満ちたどこか懐かしい物語。それを彩るしなやかな舞踏と生演奏。描きだされた世界に浸って、しばし日常を忘れた。

サイクルサークルクロニクル
monophonic orchestra
APOCシアター(東京都)
2016/04/06 (水) ~ 2016/04/11 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2016/04/10 (日)
奇妙に飛び去っていく時間は、目を背けていた私自身の人生。その自覚が観る者の胸を刺す。
誰もがそれぞれ違う時間を生きてるのだと寓話的にあるいはSFとして描く筆致は、少し辛口で同時に少し優しい。
終演後にふと当パンを見る。役名につけられた説明(それぞれの時間の経過の仕方?)にニヤッとしてしまった。

「全 員 彼 女」「全 員 彼 氏」
劇団競泳水着
小劇場B1(東京都)
2016/04/08 (金) ~ 2016/04/17 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2016/04/10 (日)
ナンセンスなラブコメ風の設定からにじみ出る、女と男のそれぞれのせつなさ。
観る者の角度を変えて、同じ場面が繰り返される様子が、すれ違う男と女の心を浮かび上がらせた。
男女2両サイドから描いた公演のうち、女性が主人公のバージョンしか拝見できなかったのが残念。

イトイーランド
FUKAIPRODUCE羽衣
吉祥寺シアター(東京都)
2016/04/14 (木) ~ 2016/04/24 (日)公演終了
満足度★★★★
隣の隣のイトイーランド♪
FUKAI PRODUCE羽衣を観るのは初めてだったので、最初のうちは、うわぁ、何?何これ?と呆然。
けれどしだいに引き込まれて、終演後はついパンフや台本、CDを買い込むほどでした。
帰り道、脳内で(あなたの星の隣の隣のイトイーランド♪)と、劇中の曲が流れ続け、言葉だけでは描けない世界ってあるよなぁ、とボンヤリ思ったりしました。

神芝居
X-QUEST
インディペンデントシアターOji(東京都)
2016/04/20 (水) ~ 2016/05/01 (日)公演終了
満足度★★★★
初X-QUEST!
気になっていたX-QUESTの舞台をようやく拝見できました。
アクションやダンスの格好良さ、パワフルに走り回るキャストの魅力、濃いめの笑いなど多くの見どころを散りばめつつ、様々なモチーフを重ね、繋げていく展開に、ふお〜そうか、そうくるか〜〜とテンション上がりました。
終演後の撮影タイムも楽しくて、次の公演もぜひ拝見したいと思いました。

SQUARE AREA【ご来場ありがとうございました!】
壱劇屋
インディペンデントシアターOji(東京都)
2016/04/06 (水) ~ 2016/04/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
濃密な90分
四面舞台で描かれる奇妙な脱出劇は、身体表現・緊張感・笑い・カタルシス、そして、静かな感謝などに彩られた期待を裏切らない濃密な90分だった。
パフォーマンスと物語の結合が心地よく、観終わって充足感を感じながら劇場をあとにした。
やみつきになりそうな劇団だった。