冬の時代【3/28-29公演中止】
アン・ラト(unrato)
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2020/03/20 (金) ~ 2020/03/29 (日)公演終了
満足度★★★★
劇場と座席について。
最前列のB列の2~3、21~22は舞台の袖でそれぞれ下手、上手が見えない。
また、ステージが客席に向かって凸型に張り出し、中央部に柱2本とそれを繋ぐ梁がかけられ額縁のように設置されている。
鴨居に首を括るシーンがあるので梁が必要なのは仕方ないが、
2本の太い柱とそれに寄りかかるキャストの背中に阻まれて、前方の左右のブロックの全席は視界が遮られてしまい、
第2幕で一番盛り上がる渋六と瓢風との激論シーンがなんと声だけしか聞こえない。
前方は中央ブロック、または後方ブロックでしか正常に観られない状態でした。
さらに、額縁状の枠の陰がスクリーンに映ってしまい映像やテロップが切れてしまっている。
前方席だと喜んでいた方々は、幕間で一転、ことごとく柱が邪魔で見えないと残念がっていました。
ちなみに急遽千穐楽が前倒しになり、中止公演からの振り替えの方をその見えない席に案内していたようで
見えない席にお客さんがぎゅうぎゅうに詰められ、見やすい前方の中央ブロックはガラガラでした。
舞台を作った方は客席からどう見えるのかを検証して考えてほしいと思うのと同時に、
正常に観られない座席を同じ値段で売ってはいけないと思いました。
劇中でいびきをかいて寝ている人、会話をしている人、咳をしている人が複数いたのが残念でした。
どの舞台でも一定数こういったお客さんがいますが、静かなシーンが多かったのでやめていただきたかったです。
特に咳をしている人に対してはスタッフさんが注意喚起のために幕間で声をかけてくれたらいいなと思いました。
最初と最後に出てくる現代の少年。
あの少年のマスクは果たして必要なのでしょうか。
冒頭のスクリーンにも「マスクをかけぬ命知らず」というポスターだけが長い時間映されていました。
そもそもこの戯曲で社会主義弾圧に抵抗する姿から現代の私たちに伝えたかったのは何だったのでしょうか。
マスクをつけた意図が未だによくわかりません。
ラストの渋六夫妻のしっとりとした余韻が、マスク少年の登場でぷっつりとかき消されたのがとても残念です。
休憩込みの3時間超も気にならないほどお芝居は面白かったです。
ただ、第1幕での瓢風とショーのキャラクターがかぶっていたのは残念でした。
ショーの活舌が今一つで何を言っているのかわからず、第1幕は大声で怒鳴っているだけでした。
渋六、ノギ、ニ銭玉は安定した演技で声も聴きやすい。
奉公会とのコミカルなやり取り、瓢風との激論、飛び出していく売文社社員への悲哀など、
渋六の演技はざくざくと胸に楔を打ち込まれました。
渋六夫妻が無言で微笑み合うシーンは、互いに信頼し合っている様子が出ていてとても良かったです。
元の脚本をほとんど変えていませんが、古さは全く感じず、むしろ真新しく感じました。
キャストの多くは好演していてとても面白かっただけに、演技以外の残念な点が目立った舞台でした。
かもめ
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2019/04/11 (木) ~ 2019/04/29 (月)公演終了
満足度★★★★★
これまでの『かもめ』のキャラクターのイメージを覆す面白い舞台でした。
ルックスはかっこ良いのにちょっと頼りなくて保護したくなるトリゴーリンが新鮮でよかったです!
受取人不明 ADDRESS UNKNOWN
アン・ラト(unrato)
サンモールスタジオ(東京都)
2019/10/03 (木) ~ 2019/10/14 (月)公演終了
満足度★★★★★
互いの親交を深めるための手紙が思わぬ結末に導く。はかなくせつないラストに心を奪われました。
シャッフル公演を機にお芝居が変わっていたのも興味深かったです。