
あたらしいエクスプロージョン
CoRich舞台芸術!プロデュース
新宿シアタートップス(東京都)
2025/11/28 (金) ~ 2025/12/02 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
あの限られた空間を、
堀越涼さんはまるで新たな景色へと
変えてしまうように、巧みに生かしていた。
次々と繰り出される私好みの演出に心が揺さぶられ、
気がつけば舞台の呼吸に寄り添っていた。
演者さんたちは一人で幾つもの影をまとい、
場の空気を自在に編み替えてゆく。
なかでも金子侑加さんは、
声色さえ軽やかに変化させ、
そのたびに物語の表情がふっと変わるのが
面白くてならなかった。

勝手に唾が出てくる甘さ
KAAT神奈川芸術劇場
KAAT神奈川芸術劇場・中スタジオ(神奈川県)
2025/11/14 (金) ~ 2025/11/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
いつもとは趣の異なる、
どこか静けさをたたえた城山羊の会の舞台だったが、
終わってみれば、深い満足感が静かに胸に満ちていた。
注意事項で「スマホのバイブ音で台詞が聞こえないから
電源からお切りください」と言うくらい静かな舞台。
それでも、普通に鳴らしている人がいて驚いた。

白貝
やみ・あがりシアター
浅草九劇(東京都)
2025/10/08 (水) ~ 2025/10/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
物語の意味が見えてくるとともに、
観客を一気に惹き込む舞台。
序盤は繰り返しの表現、登場人物が多さ、シリアス、コメディの切り替えなど
情報が一度に詰め込まれている印象を受けたため、集中力が一瞬途切れそうになったけど、
中盤以降は登場人物の関係性や物語の主軸が徐々に明確になり、一気に引き込まれていった。
特に伏線の張り方と、その回収の巧みさには感心させられ、
構成力の高さが光っていた。

草創記「金鶏 一番花」
あやめ十八番
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2025/09/20 (土) ~ 2025/09/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
一番花、二番花のどちらもとても楽しめました。
今回は音楽劇とはまた違った魅力があり、
演出の抑揚や台詞の間合いが心地よく、
物語としてはこちらの方がより自分の好みに合っていたと感じます。
中でもキツネが登場する場面には、
独特の緊張感と空気の張りつめたような感覚があり、
とても惹きつけられました。舞台上の静けさと不穏さが美しく交差していて、
印象に残るシーンのひとつです。

発表せよ!大本営!
アガリスクエンターテイメント
シアターサンモール(東京都)
2025/08/13 (水) ~ 2025/08/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
駅前劇場で観劇したときよりもテンポがさらに良くなっていて、
物語にスッと入り込める心地よさがありました。
演出も洗練されていて、全体的にとても見やすく、最後まで集中して楽しめました。
ブラックコメディとしての切れ味も抜群で、思わず引き込まれました。
ただ、初演を観ていたので、「この後、この人...」というところは、
少し笑いづらさを感じたのも正直なところです。
今年1月のアガリスク作品は、
ちょうど実家に帰省していて観ることができませんでした(1月2日からとは…)
次回の公演がどういう形式(短編?配信と組み合わせ?)になるのか、まだわかりませんが、
これからも応援したい劇団だと改めて感じました。

音楽劇 金鶏 二番花
あやめ十八番
座・高円寺1(東京都)
2025/07/07 (月) ~ 2025/07/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
序盤の演出から一気に引き込まれ、
あっという間に作品の世界に没入していました。
視覚的な仕掛けや空間の使い方が非常に巧みで、
観客の想像力を心地よく刺激する構成だったと思います。
物語が進むにつれ、感情の流れと演出が丁寧に重なり合い、
気づけば登場人物の心の動きに深く共鳴していました。
今年いくつか舞台を観てきましたが、ここまで余韻が長く残った作品は珍しく、
「今年のベスト作品かな」と感じながら観ていました。
台詞や歌詞の一部に少し聞き取りづらいところがあったものの、
全体としてのエネルギーと集中力が非常に高く、
むしろその密度の高さが生の舞台ならではの魅力になっていたようにも思います。

昭和から騒ぎ
シス・カンパニー
世田谷パブリックシアター(東京都)
2025/05/25 (日) ~ 2025/06/16 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
シェイクスピアの戯曲を昭和の時代設定に落とし込むという大胆なアプローチは、
とてもユニークで面白い試みでした。
違和感なく馴染んでいたら本当にすごいことだと思いますが、
今回はあえて勢いとノリで押し切るような演出が多くて、
そこが逆に笑いにつながっていたように感じます。
ごり押し感も含めて楽しめるつくりだったので、
型にとらわれない自由さと遊び心に、観ているこちらも自然と引き込まれました。
こういう解釈ができるのも舞台ならではの面白さですね。

トイ
muro式
本多劇場(東京都)
2025/04/05 (土) ~ 2025/04/29 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
全体としてとても楽しめる舞台で、
笑いの中にも挑戦や工夫が感じられる内容でした。
特に、これまでにない新しい表現や構成にチャレンジしている姿勢が伝わってきて、
観ていてワクワクしました。
ただ、とんかつ屋のコントについては、
他の場面に比べて少しテンポがゆったりしていた印象があり、
全体の流れの中ではやや長く感じてしまったのが正直なところです。
でも、あのシーンもきっと意図があってのことだと思いますし、
あの空気感をあえてじっくり味わうという演出だったのかもしれません。
全体としてはクオリティが高く、
新鮮さとユーモアに満ちた素敵な公演でした。
今後の展開にもますます期待が高まります。

ずれる
イキウメ
シアタートラム(東京都)
2025/05/11 (日) ~ 2025/06/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
休演前ということもあり、特別な思いを抱いて観に行った今回の公演。
どこか名残惜しさのようなものを感じながらも、
やはりイキウメらしい世界観と構成の妙は健在で、
改めてこの劇団の持つ魅力を味わうことができました。
これまでの作品と比べると、スケール感においてややコンパクトに感じられた部分もあり、もう少し深く潜るような展開を期待していた自分も正直いました。でも、それもこの舞台が持つ静かな余韻の一部だったのかもしれません。
大きな節目を迎えるこのタイミングで、
またひとつ作品を見届けられたことに感謝しつつ、
再びあの世界が戻ってくる日を心待ちにしたいと思います。

東スPO 2025
東葛スポーツ
シアター1010稽古場1(ミニシアター)(東京都)
2025/05/15 (木) ~ 2025/05/19 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
今回が初めての観劇だったので、
劇団特有の“お約束”や内輪的なネタには少しついていけない部分もあり、
ところどころ消化しきれなかった印象もありました。
でも、そうした世界観も、
何度か観るうちにきっとクセになっていくのかもしれませんね。
ラップのシーンはとても印象的で、リズムや言葉選びにセンスを感じました。
テンポよく気持ちを引き込んでくれて、舞台のアクセントとしてすごく効果的だったと思います。
ひとつだけ惜しかったのは、サングラスをかけたままだったため、
演者の表情が見えづらかったこと。表情が見えると、
より感情が伝わってくると思うので、
次の機会にはぜひそんな一面も観てみたいです。

リプリー、あいにくの宇宙ね
ニッポン放送
本多劇場(東京都)
2025/05/04 (日) ~ 2025/05/25 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
作品全体に漂う“ヨーロッパ企画らしさ”は健在で、
その独特の世界観やテンポ感が舞台全体を心地よく包んでいました。
良い意味で期待を裏切らない、ファンにはたまらないテイストだと思います。
特に、小道具やセットを巧みに活かしたユーモアの数々は見事で、
視覚的な楽しさと意外性が絶妙に組み合わさっていて、
思わず笑ってしまう場面が何度もありました。
そして何より印象的だったのは、伊藤万理華さんのダンス。
舞台の中で一際輝きを放っていて、
彼女の身体表現の美しさと存在感が物語に深みを与えていたように感じます。
彼女の登場するシーンは、まさに目が離せませんでした。

あるアルル
やみ・あがりシアター
北とぴあ ペガサスホール(東京都)
2025/04/30 (水) ~ 2025/05/06 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
最初は楽しい雰囲気の舞台を想像していたので、
意外にも少し不気味な始まり方に驚きました。
そのギャップが逆に印象的で、物語に引き込まれるきっかけになった気がします。
「あるある仙人」の世界観はユニークで、
最初は戸惑いつつも、次第にその不思議な空気感に引き込まれていきました。
「アルル」がフランスの地名だという話も面白かったのですが、
もう少しわかりやすいネタだとさらに楽しめたかもしれません。
全体としてはテンポも良く、笑えるシーンもたくさんあって、
最後にはとても良い気分で劇場を後にすることができました。

遠巻きに見てる
劇団アンパサンド
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2025/04/18 (金) ~ 2025/04/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
前作が非常に印象的で強烈だった分、
今回はやや静かな余韻を感じる作品だったように思います。
良い意味で落ち着いたトーンとも言えますが、
個人的にはもう一波乱ある展開も見てみたかった、という欲が出てしまいました。
とはいえ、過去作とはまた違ったアプローチで魅せてくれるのは、
作り手の挑戦や幅の広さを感じさせます。
そう思うと、物足りなさというよりも、
期待値の高さゆえの感想だったのかもしれません。
次回作ではまた新たな驚きを見せてくれると今から楽しみにしています。

フロイス
こまつ座
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2025/03/08 (土) ~ 2025/03/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
小説を読んだうえで観劇に臨んだことで、
物語への理解や人物の背景がより深く感じられ、
とても豊かな観劇体験になりました。
どこか井上ひさし作品を思わせるような、
言葉のリズムや人間味のあるやり取りにも親しみを感じました。
ひとつだけ気になったのは、演者が前方に出てきて振り返るようなシーンで、
後方の動きが少し見えにくくなってしまう場面があったことです。
場面によっては、その立ち位置が他の役者の演技と重なってしまい、
少しもったいないなと感じる瞬間もありました。
とはいえ、全体を通して熱のこもった舞台で、
原作とはまた違った魅力が味わえたのは大きな収穫でした。

蒙古が襲来
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2025/02/09 (日) ~ 2025/03/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
東京サンシャインボーイズの歴史を知らない分、
フラットな気持ちで観劇できた。
最初から最後までフフッという小笑いばかり。
動きや顔芸で笑わせるのがやはり合わない。
ニール・サイモン作、三谷幸喜演出『23階の笑い』と同じ状態になっていた。

ユアちゃんママとバウムクーヘン
iaku
新宿眼科画廊(東京都)
2025/02/21 (金) ~ 2025/02/25 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
リーディングはおもしろかったが下記の点が気になった。
・チケット発売日に予約してもメリットがない。
あの狭い空間で追加席・立ち見という言葉が出てくるたびにインフルやコロナが
心配になった。
・配信の有無の情報を、もう少し早く知りたかった。
6月に次回公演もあるらしいが、チケットの値段次第ではもう諦める。

女子と算数
NICE STALKER
ザ・スズナリ(東京都)
2024/12/25 (水) ~ 2024/12/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
インフルで4人も降板しているのに
130分間の公演をやり遂げているのがすごい。
ダンボール彼氏バージョンなので序盤は少しだけ会話の掛け合い?が気になったが変わった演出だと思えば
逆に面白い設定だなと思えた。
中盤以降から動きのある演技になって
ダンボール彼氏が全く気にならなくなった。
急遽、代役の代役で1人2役になった梶川さんも
全く違和感がなくあの短期間で完璧な演技だった。
カーテンコールで少し泣きそうになった。
来年も観たいな。

平和によるうしろめたさの為の
城山羊の会
小劇場B1(東京都)
2024/12/04 (水) ~ 2024/12/17 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
城山羊の会はまだ4回しか観劇していないが
安定感のある舞台であっという間の2時間だった
横浜で観た舞台と少し似ているかと思ったが採集的に全然違って良かった

寸劇の庭
渋谷コントセンター
ユーロライブ(東京都)
2024/11/20 (水) ~ 2024/11/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★
アンパサンドとテニスコートはおもしろかったが
最後の組だけ70分あり、おもしろければ苦にならなかったが
どうも合わず、しんどかった
公演時間は均等に分配して欲しい、全体で130分なら各劇団40分ずつにわけてほしい

奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話
イキウメ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2024/08/09 (金) ~ 2024/09/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
前回観た「無駄な抵抗」が合わなかったので心配だったが、
イキウメらしい演出でよかった。
オチが綺麗にまとまっていたと言えるが、
もう少し予想外な終わり方を期待してた。