みずなの観てきた!クチコミ一覧

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「遠くの空はカナダへ、近くの海は瀬戸内海」 「黄緑の境界線」

「遠くの空はカナダへ、近くの海は瀬戸内海」 「黄緑の境界線」

しみくれ

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2018/12/05 (水) ~ 2018/12/09 (日)公演終了

満足度★★★★

兄と姉と弟と妹と時々妖怪

【遠くの海はカナダ近くの海は瀬戸内海】

常に二本立てのお芝居をされるけど
今回は清水氏の処女作と最新作

黄緑は最新作の方

ネタバレBOX

アル中の兄と、足の悪い妹と、座敷わらし

しみくれと言えば兄弟姉妹
しみくれと言えば殺傷沙汰
盛り込んだなー?!という印象
妖怪以外兄弟姉妹しか居ない

首を吊って死んでる人はいるし
見えないところで死んでる人はいるし
病気の発作で死にそうな人はいるし
やっぱり阿鼻叫喚。みんな死んでく。

やめて!もうやめて!(2回目)
なんだよ最新作も容赦ないやん

個性的で魅力的な登場人物が多く
だからこそ遣る瀬無さもひとしおでした。
「遠くの空はカナダへ、近くの海は瀬戸内海」 「黄緑の境界線」

「遠くの空はカナダへ、近くの海は瀬戸内海」 「黄緑の境界線」

しみくれ

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2018/12/05 (水) ~ 2018/12/09 (日)公演終了

満足度★★★★

兄と姉と弟と妹と時々妖怪

【遠くの海はカナダ近くの海は瀬戸内海】

常に二本立てのお芝居をされるけど
今回は清水氏の処女作と最新作

瀬戸内海は処女作の方

ネタバレBOX


姉を恋愛的に好きな弟が
姉と肉体関係を持つ話

首を吊って死のうとする姉
相手の首を締めて絞殺する百合娘
あとなんだっけもう一件くらい死んでた
同時多発事象のなか響く声
「あのときこんな気持だったのかな」

やめて!もうやめて!!
こんな阿鼻叫喚にしてどうするんだ
さすが処女作は容赦ねえな。

「ずっとここにある小さな塊」で感じた
「姉と弟で禁忌を犯すかもしれない」を
「姉が耐えきれずに死ぬかもしれない」を
かもで留めずにアクセル踏み抜いてく形は
謎の達成感がありました。

あとは瀬戸内兄が良いキャラしてる。
「マンナカノホシゾラ」「カレーライス殺人事件」

「マンナカノホシゾラ」「カレーライス殺人事件」

しみくれ

王子小劇場(東京都)

2019/05/08 (水) ~ 2019/05/13 (月)公演終了

満足度★★★★

マンナカノホシゾラ

家に引きこもり携帯小説で生計を立てる兄
そんな兄を心配して身の回りの世話をする妹
私にも家庭があるんだからと不満げな彼女と
そんなに怒らなくても…と戸惑う兄たかし

ネタバレBOX

時系列や人間関係が大変複雑で
後半曲がった首が戻りませんでした。
あ、あ、わからん、わからんぞ。
観劇後に質問して解説をいただいて
ようやく理解しました。

これを踏まえてもう一回見たいよー!
出来れば一度見ただけで質問なしでも
何かしら理解して観終わりたかった。
でも複雑で難解で、ネタバレしても
また観たくなるのも良さの一つなのかも。


イルミの黒姉さんが好きです。
あのインパクト、あのお姿、尖った言動
その裏で重すぎる傷を抱えて葛藤してたとか
業が深すぎる。シャー!!

高い舞台と低い舞台の二面構成で
高い舞台(死神の丘)でのシーンでは
観客が上を見上げる形になるため、
一緒に空を見上げているような感覚に
慣れるのがとても素敵。もういっそ
プラネタリウム装置つけて欲しい。


あとはもー人間関係が複雑でした。

携帯小説家のたかしと
家庭持ちの妹かなこ

山小屋のオーナーな小説家パンダ
小説家の使用人?助手?でかつ彼の娘
小説家の夢を諦めた新人編集(たかし?)
山小屋に毎年来る黒いシャーと白い友達
白い友達と小説家の娘は姉妹

恋人の丘で運命の人を待つ盲目の少女
都会に想いを馳せる盲目の少女の姉
盲目の少女に恋する都会から来た写真家
運命の人に瓜二つな来たばかりの青年


たかしと新人編集がリョージさん
(同じ俳優さん)で服装が違ったので
夢を諦めて編集になった彼の話?
と思いつつ見ていました。

盲目の女性の三角関係のくだりが
山小屋で小説家の書いてた小説の内容
なんじゃないかなーと予想してたので、
編集が二階に上がって「誰もいない」
となったので、やっぱりー!となる私。

しかし盲目の女性を小説家が捕まえて
母さんと呼んだことで、彼が自分の小説に
惑わされて幻覚を見ているのではと結論。


あとはイルミ黒姉さんのラストシーンが
印象深くて、綺麗で、たまらない。
最後に呟いた名前から、彼女が
シングルマザーでその父親が彼なのかな?
などなど予想してました。
「マンナカノホシゾラ」「カレーライス殺人事件」

「マンナカノホシゾラ」「カレーライス殺人事件」

しみくれ

王子小劇場(東京都)

2019/05/08 (水) ~ 2019/05/13 (月)公演終了

満足度★★★★★

【カレーライス殺人事件】
山奥でひっそりと質素婚を執り行う妹
妹が聞く「たかし呼んでもいい?」
姉は戸惑い、彼女の身を案じる

恋人ではないが特別な人「たかし」
そして彼の恋人も彼女とは顔なじみ
2人は彼女の結婚を祝福している様子だ

質素婚の会場となった山荘?は
近くには恋人の丘という名所があり
新郎新婦の思い出の場所なのだという

集まったのは10人
新郎とその父親
新婦とその姉と彼女の恋人
新婦の友人(たかし)とその彼女
山荘の女主人と料理人
そして予期せぬ来訪者の女性

姉とその恋人が青ざめた顔で立ち尽くす
やってきた妹が、視線の先を見つめる
つんざくような悲鳴に集まる人々。
一刻の沈黙の後、誰かが呆然と呟いた。

ネタバレBOX

「カレーライスが…食べられてる…」

んなアホな。
カレー食べられてて何故そこまで。
視界の先には食べかけのカレーライス。
ごくごく普通のカレーライス。
もう此処から既に面白い。

カレーが食べられている=人が死んでる
くらいの反応の良さで、
皆が誰がカレーを食べたのかを議論する
「カレーを食べるなんて…頭がおかしい」
いやいやカレーライスだよ?
シリアスなのが逆にメチャクチャ面白い。

カレーを運ぶ料理人が
手を震わせ冷や汗をかきながら、
一世一代の大仕事「カレー運び」を遂行。
…何度も言うけどカレーライスだよ?

この作品がコメディと言われた所以は
きっと此処だなと感じました。


ハジメちゃんとミユキの探偵コンビが
無邪気に事件を調査していく姿は
微笑ましくて可愛くてニコニコしました。
その分、回想シーンで新婦が何度も
「調査より側に居て欲しい」という頼みを
スルーして居なくなってしまう2人の
残酷さが浮き彫りになって辛さ倍増。


ミステリーとして話が進む中で突如
「誰と話してるんですか」
の一言にギクリとさせられる。
あ、コレ、幻覚あるやつや。
何か何処かがおかしいんだ。
この事件そのものがオカシイのでは
そんな奇妙な綻びが見え始める。

終盤に分かる事実で兄弟姉妹の家族の絆や、
彼らに降りかかった不幸の重みなどが
見えてきて、愛おしさが募って仕方がない。

イマジナリーフレンド物だと
それまで散々好感持ってた相手が
実在しない幻覚だったんだと分かるので
その虚無感は計り知れないし、
居なくなった彼女を探す彼の必死さに
感情移入で胸がしめつけられました。

兎にも角にも復讐は達せられたし
復讐相手は更生する気になったし
誰も死んでないし
主人公は運命の人と巡り会えたし
わーいハッピーエンドだー!!と
思っちゃったんだけど、
ずっと泣きじゃくってた妹の泣き声が
今でも耳から離れないので
彼らにはどうにか幸せになって欲しいです。
オムライスとか一緒に食べたりしてさ。


他にも勝負所でヅラを脱ぐ料理人とか
口論で挟まれて埋まる小柄な女主人とか
飛び降りそうな来訪者をみんなで
何度も引き止めるシーンとか
コミカルなシーンがちょくちょくあって
展開に飽きない上に、とても個性的で
今の彼らにしか出来ない素敵な舞台でした。

今回も素敵に騙されたし、叶うことなら
あと二回くらい見直ししたかった!!
今から再演が楽しみです(気が早い)

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