長沼航の観てきた!クチコミ一覧

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ナイゲン(2017年版)

ナイゲン(2017年版)

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2017/08/11 (金) ~ 2017/08/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

高校生が真夏の密室で会議をするというシチュエーション自体面白くならないわけがないと思っていましたが、その期待を超える面白さで圧倒されました。三方囲みの舞台配置で、ただ会議を傍観している観客というよりも参加したいのに参加できない、いわば学校の校舎になっているような気分で、演劇らしい作品でした。それぞれの想いがぶつかったり、高校生らしい意地の張り合いをしたり、出てくるキャラクター皆のことを好きになってしまうような戯曲、そして演出で、見た後の幸福感と、ちょっぴり切なさが癖になるのです。

サマデーナイトフィーバー

サマデーナイトフィーバー

20歳の国

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2017/08/07 (月) ~ 2017/08/13 (日)公演終了

満足度★★★

学校という狭く限定的な枠の中で繰り広げられる人間関係の揺れ動きが照明や音楽、ダンスとともに目一杯表現されていた。数多くいる登場人物の中でも、ヤスオとテルの繋がりの淡さが個人的にはすごくツボだった。強がる二人の姿に胸が動かされる。
上述のように、登場人物が多く、それぞれがわりあい重い役でもあったので、それぞれの人物像や関係性を追うのが楽しかったり大変だったり…。
また、登場人物の性格が(演劇なのでしょうがないことではあるが)少し表面的というか単純な印象を受けた。もっと鬱屈としていたり深く悩んでいたり、青春独特の淡くしかし粘っこい感情の波を微細な部分まで描き出す本や演出、演技であればなお良かったのではないかな。

〆

ゆうめい

新宿眼科画廊(東京都)

2017/04/21 (金) ~ 2017/04/25 (火)公演終了

満足度★★★★

ゆうめいの観劇は2作目。「弟兄」を見終わった後の胸の奥が少しすっとする感覚が心地よく、今回も見に行った次第。暗いテーマを題材にしつつ強烈な笑いを生み出しているという二つの極を同時に現出する演劇はエネルギーに満ち満ちていて魅力的だ。

「〆」の「池田亮」と「弟兄」の「池田亮」は違う俳優さんなのだけれども、その二人が池田亮を媒介としてオーバーラップしていたのが印象的。アフタートークでも言われていた、池田亮に寄っていく、ということなのだろうか。

ネタバレBOX

「演劇への昇華」や「観客に伝えたいことの明確化」が十分になされていないという批判?批評?もあるようだが、笑えればそれでいいじゃない、とも思ってしまう。精子観察キットとか2ちゃんのスレとかめちゃめちゃ笑った、元気もらえた、それでいいじゃない、と。
でも、ゆうめいにそこで留まって欲しいとは思わない。「〆」は池田本人が経験したこと、その自分なりの解決策を観客に生のまま提示する作品だった。それを、これからの作品作りでどう超えていくのだろうか。それも楽しみ。

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