
劇団鹿殺し Shoulderpads 凱旋公演+abnormals 3作同時上演
劇団鹿殺し
駅前劇場(東京都)
2025/11/30 (日) ~ 2025/12/07 (日)上演中
実演鑑賞
満足度★★★★★
abnormals (アブノーマルズ) 「銀河鉄道の朝」及び
Shoulderpads 凱旋公演UK Versionを観劇
「銀河鉄道の朝」は設定を引用したオリジナル作品
これからの方は真っ新で観に行った方が良いと思いますがアブノーマルの世界は会場に足を踏み入れたその瞬間から始まっています
Shoulderpadsとアプローチは異なりますが実験的要素ある公演
お客さんも強い刺激を欲しがって来ている人が多いような・・・すごい一体感で盛り上がりました
凱旋公演UK Versionはエディンバラ上演そのままのスタイルをお届け
まず一部演者が入れ替わっているという事に注目
普通に考えれば、このキャスティングで日本語バージョンもすれば良いわけで、この違いは実際に両作品観ることで納得、エンターテインメント魂を感じます
エディンバラで盛り上がっている情景が浮かんでくるのだけれど、その理由はもうひとつ
客席の反応もなぜか海外っぽい!

劇団鹿殺し Shoulderpads 凱旋公演+abnormals 3作同時上演
劇団鹿殺し
駅前劇場(東京都)
2025/11/30 (日) ~ 2025/12/07 (日)上演中
実演鑑賞
満足度★★★★★
Shoulderpads SP Japanese Versionを観劇
同劇団の同演目を2年前に観劇しており、忘れもしないハッキリしているのに
不思議なほど2回目感が無く超新鮮、フルに楽しめました
前回観劇したのが本多劇場、で今回は駅前劇場
観客と近しい劇場サイズに合わせたのかと思うほどに、はっちゃけ度合いが増した印象でめっちゃ笑った
そしてただならぬ迫力に圧倒される事もしばしば
「銀河鉄道の夜」と型破りな「鹿殺し」の世界観が見事に共存、しかもウィンウィンの関係が成立しているというのがやっぱりすごい
裸体で演じられる可笑しさの側面と芸術的な側面、その両側面を巧いこと織り交ぜ、振り幅広くガッツリ楽しめます

首2
きっとろんどん
OFF OFFシアター(東京都)
2025/11/27 (木) ~ 2025/12/07 (日)上演中
予約受付中実演鑑賞
満足度★★★★
さすが北海道・札幌から東京・下北沢に乗り込んできただけあって個性的な面白味をしっかり感じられる劇団さんでした
独特の切り口で描かれた猟奇殺人事件は、確かに“サイココメディ”という表現が言い得て妙
実際に起きた事件の検証・考察もしっかりされているようで人間ドラマ、サスペンスとしても面白かったです
一番良かったのは限りなく自身の劇団員からのアプローチで描かれているところで
ノンフィクションだと念押しされても「ここはフィクションかもしれない」と思わせる部分が多々ありノンフィクションとフィクションの境界線を巧く渡り歩いている感じが何とも良かった
熟年の凄みがある役者さんがいらして、深みがマシマシ

どん底
PRAY▶︎
浅草九劇(東京都)
2025/11/19 (水) ~ 2025/11/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
どう考えても這いあがれない状況、なじり合い、容赦ない言葉の応酬に下手すればゲンナリしそうなものだけれど、何だろう、このふてぶてしいくらいの生命力
思わず圧倒され見入ってしまい、死にゆく女性の情念に息を呑む
Vの字に突き出た舞台演出で更に迫力がドーン!
ロシアの古典作品であり名前も出てくる地名もそのままロシアなのに、違和感無く日本各地の方言が飛び交って、すんなり馴染めてしまうのも良かったです

クレマチスの小屋
劇団大樹
Route Theater/ルートシアター(東京都)
2025/11/06 (木) ~ 2025/11/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
ストーリーはスローペースで
珈琲や紅茶をゆっくり咀嚼するように、時には焼き菓子を咀嚼するように、その過程が何とも味わい深く、豊潤な時間が流れていました(アコーディオンの生BGM付き)
劇団30周年公演で且つ最終公演
これで最後。というのは寂しい限りですが、大樹をシンボルとしたセット、原作としっかりタッグを組んだ独自の世界観は完成形の域
この空間を超満員の熱気と共に共有できたことに感謝。

Query
『Query』製作委員会
シアター・アルファ東京(東京都)
2025/10/16 (木) ~ 2025/10/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
老人(岡幸二郎さん)の魅惑の歌声が不思議な世界へと誘う
美しい若者へ変貌した探検家(丘山晴己さん)に近寄ってくる者たち
彼の「若さ」「美しさ」に引き寄せられ焦がる者達のような、若者を惑わす妖しい者達のような
シアター・アルファ東京で、こんな別世界(ミュージカルの世界)を体感できるという贅沢
こんなに近くで、いいの?というギャップにインパクトを感じる舞台でした

いつかアイツに会いに行く
ニッポン放送
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2025/10/10 (金) ~ 2025/10/20 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
普通にストレートプレイだと思っていたら、コミカルな展開に歌とダンスがてんこ盛り
ノリノリになって これ、めっちゃ楽しいヤツやん!
それにしても余命宣告のシーンでこんなに笑いをとってしまうとは
この作品、悲劇の方向にもっていく気なんてないのだろうなと
1秒たりとも退屈させはしない。というエンタメ魂
ラストに向けては演技で見せるゾーンにシフトチェンジ、その流れもイイね
華のある役者さんだからこそ生み出せるワクワク感というか、
エンターテインメントにトキメキがあるって重要だなぁと実感しました

三島由紀夫レター教室
AOI Pro.
紀伊國屋ホール(東京都)
2025/10/07 (火) ~ 2025/10/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
俳優キャストバージョンを観劇
序盤から妙に艶っぽい
直接的な表現というより醸し出す空気感が絶妙に艶っぽい
「よこしま」という単語がピッタリくる大人の男女、そこに真っ直ぐな若い男女とヤバめの男がひとり
この組み合わせ、混ぜるな危険(笑)
奇妙な味のする人間模様がクセになりそうな面白さ
高飛車で意地悪そうな女性経営者役の小沢真珠さん、ハマり過ぎでした

夏の嘘×2
ここ風
「劇」小劇場(東京都)
2025/10/08 (水) ~ 2025/10/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
ここ風さんの舞台はストーリーを追うという感覚が不思議と無く、目の前の人物の言動、人柄に見入っていれば自然と物語が出来上がっている感覚に近い
これが心地よいのだと思う
哀しいけれど温かくもあって、ここに登場する人達を愛でるのがとても心地よい

ワンマイク ONE MIC
ホチキス
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2025/09/23 (火) ~ 2025/09/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
笑いとホロ苦良い話、もっと厄介で悪い人が出て来ても面白いのではと思ったけれど、そこは笑わせるのに手慣れた劇団さん
温かい舞台には温かいスタンディングオベーションで称賛
客席と心が通い合った、とても良い初日ではなかったかと
毎回どんな役で登場してくるのか楽しみで仕方ない小玉久仁子さん
なんと今回は掃除のおばちゃん!
え~っなんか地味じゃない・・・と思ったのもつかの間、どんどん昇っていって何とも可笑し気なポジションをキープ(笑)
もうそこにいるだけでも突っ込めて笑える、さすがです。

ザ・ポルターガイスト
石井光三オフィス
本多劇場(東京都)
2025/09/14 (日) ~ 2025/09/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
フィリップ・リドリー作品との出逢いは「ピッチフォーク・ディズニー」
そして「宇宙でいちばん速い時計」「ガラスの葉」といずれも過去の観劇歴においてはトップクラス、超名作揃い
当時は震えるほどの感動がクセになって何度も劇場に足を運んだっけ
それから10年以上の年月を経ての本作「ザ・ポルターガイスト」
かつての染み入ってくる様なゾクゾク感は軽減した印象
一人芝居という事で過去に観た公演とは勝手が違ったものの
主人公のイタい感じが可笑し味に繋がっていくのと同時に本当の痛みが観ている側の感情と共鳴してくるのは、どこか共通したところ
役者のスキルを総動員した全身全霊の演技、村井良大さんファンにとってはもう最高の舞台なのでは
主人公を中心に10人以上の人物が登場し、掛け合いもするわけだけれど、ひたすら村井さん一人を注視していれば良いというのが凄い!

トレンディは突然に2025 夏
株式会社Lol
CBGKシブゲキ!!(東京都)
2025/08/27 (水) ~ 2025/09/01 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
格別に大好きだった人気ドラマがモチーフに
かつて憧れの目で見ていたトレンディードラマが、まさかこんな風に料理されて差し出されるとは、なんて失礼なっ(笑)
忘れもしない主題歌やサウンドトラックがバンバン挿入され、第1話から最終回まで一気見していく仕様は見応えタップリ
何故かこの中に紛れ込んだ現代の若者二人
この頃を知らない人にも没入できる仕掛けになった、この若者二人のツッコミが・・・な、なんて失礼なっ・・・めっちゃ笑えて最高でした

ライバルは自分自身ANNEX
宝石のエメラルド座
ザ・スズナリ(東京都)
2025/08/22 (金) ~ 2025/08/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ザ・スズナリでのザ・コメディーとしてピッタリハマっているなぁと思えた公演
補助席が出るほどの客席は期待感で充満していて、あぁこの感じは凄く懐かしい
実際、開演するともう爆笑の嵐
香ばしく可笑しい台詞を可笑しい仕草、喋り方でガンガン攻めてくる
ケラリーノ・サンドロヴィッチ作品にも似たタイプの笑いかと思ったけれど、更に笑いの部分を濃縮した感じ
ナンセンスマシマシの二郎系コメディー、個人的にはもう少しあっさり目でも良かったけれど、この二郎系コメディーに病みつきになる人は多そう

浦安鉄筋家族
劇団TEAM-ODAC
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2025/08/20 (水) ~ 2025/08/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
この原作となる少年マンガを読んだ事はないですがPTAの方々が眉をひそめる、というか卒倒しそうな内容ですね、大変ぶっ飛んでいて面白かったです
特に子供の頃に出会っていたらハマっていそう
役者さんたちの演技も振り切っていて良かった
レベルでいうと、男かな?女かな?どーもー男か女か分からないものでございます。あぁ~しらき くらい振り切っていました
友情や親子愛で好感度を稼いだけれど、最終的には見事な伏線回収
やっぱクレイジーでした(笑)
怒涛の2時間30分

月の海 2025(東京)
日穏-bion-
テアトルBONBON(東京都)
2025/08/20 (水) ~ 2025/08/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
舞台にはリアルな純日本家屋
自然な風景のように、冒頭から予告のあらすじ部分がスルスルっと入ってくる
すごく自然というか、馴染みやすいというか、やり取りが面白いというのも大きいのだけれど、昭和世代のツボをグイグイ突いてくる感じが何とも心地よい
「介護」という気になるテーマも手伝って着実に引き込まれてしまうのでした
死んだと思っていた弟が突然帰ってきた!?
浮かれた中にもいつかこの均衡は破綻するだろうと・・・
哀しみが押し寄せる結末は必至と構え迎えた終盤には、切なく輝くような時間が待っていました
観ることができて良かった!

シャウト!
!ll nut up fam
萬劇場(東京都)
2025/08/14 (木) ~ 2025/08/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
千秋楽を観劇
高校時代にタイムスリップした主人公が本来の自分を取り戻すため奮闘していくシンプルなストーリー
主人公中心に彼を取り巻く同級生や教師達のキャラクターを余すことなく楽しもう!という公演だったかと
総勢18人もの役者さん(一部演出家さんも出演)で描かれる学園コメディーはアオハルの空気感が濃厚でしたが、この公演自体が現実に青春の断片そのもの
ダブルコールの舞台あいさつでは、最終日の思いも重なって胸が熱くなるのでした

発表せよ!大本営!
アガリスクエンターテイメント
シアターサンモール(東京都)
2025/08/13 (水) ~ 2025/08/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
これだけ多くの笑いを引き出しながら、戦争の虚しさ、確かな反戦を訴えてかけてくるのが凄い
体裁ばかりの奔走に笑ってしまうけれど、段々ともういい加減にしてくれ、上層部報道関連にウンザリ感が芽生え始めた頃に深味が加わる、景色が変わってくる
滑稽だけで語り尽せない人間描写の方に強く惹きつけられました
同じ時代(時間)を生きている飲食店での若者達
こんなに違うのに同じ「日本」という船に乗っている
心地良くもあり、本流とは全く違う視点で感じ入るものがあり、このエピソードもとても良かった

七つ数えて
AOI Pro.
新宿シアタートップス(東京都)
2025/08/13 (水) ~ 2025/08/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
約10年後の歌舞伎町、かつてのトー横キッズ
未来予想の方向性としては今の延長線上というより、トー横キッズ全盛期を起点としたイメージが強い印象
治安崩壊と肉親不在の世界観は相当にヒリヒリするものがあり、ものすごいパワーがぶつかり合って迫力満点
こうなると気持ちの休み所が欲しい(ショーアップされたシーンがあるのが良い)
もう許して…と弱音が出そうなほどヒリつき、パワフルな舞台でした
4つ設置された薄型パネルの映像や音響効果のこだわりもそうですが、衣装デザイン、髪から足元まで細部にわたる美意識で満ち溢れ「美しい」「可愛い」のみならず「退廃」「過剰」「無国籍」いろんな要素が入り混じったカオスな世界観が視覚化
対極にダークグレイのスーツ姿だった入国管理局調査官の存在も印象的でした

貴子はそれを愛と呼ぶ
株式会社テッコウショ
赤坂RED/THEATER(東京都)
2025/08/06 (水) ~ 2025/08/13 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
48歳独身女性、堅実ながらどうにもパッとしない現状
どこにでも存在しそうな女性の日常を彼女自身の見識と併せて観進めるカタチになるのだけれど、これが滅茶苦茶面白い!
湧いて出たようなロマンスも大方の検討はついているのに、どうにもならない高揚感をもって見入ってしまう
やっぱり恋愛の威力って凄いね
自分だけでなく会場全体で固唾を飲んでいた様に思う
ヒロインというにはめっちゃ一般人、でもそれが肝になって立派なエンターテイメントになってしまうというのが本当に巧いと思う
イケてる風な元同級生との対比がさり気なく効いているし、職場仲間や家族関連の存在感も間違いなく貢献していて、振り返ればかなりの高等テクニックだったと思うのだけれど、そんな難しい事は抜きにして、ただただ味わい深く面白かったです

SIZUKO! QUEEN OF BOOGIE
LIVE FORWARD
IMM THEATER(東京都)
2025/08/01 (金) ~ 2025/08/11 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
コンサートとして充分通用するくらい生バンドをバックにした歌唱があるのが嬉しい。
自分が知っていた曲は超有名な3曲
それ以外は初めて聴く曲になるのですが、歌詞やアレンジの面白味、これが日本人のDNAなのか心浮き立ちノリノリで楽しい
楽しいだけじゃなく厳しい時期の曲には心が震えました
主演の神野美伽さんは本来演歌歌手なのですね、めっちゃ芸達者。
うまそうに関西弁でしゃべくり、舞台をまわしていくのですが、重要な固定の役どころの他に何役もこなされる役者さんもいて、結構近い位置で拝見していたにも関わらず、後になってようやく気付くくらいにホント別人
とても5人の役者さんで演じられていたとは思えないくらいの拡がりある舞台でした
ドラマが歌を盛り上げ、歌がドラマを盛り上げる見事な相乗効果
もう充分すぎるくらい満足な舞台だったのですが、この日のアフタートークで登場したゲストがまた豪華
これはもう満足すぎる!