GreenAppleの観てきた!クチコミ一覧

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桜歌

桜歌

ラビット番長

演劇制作体V-NETアトリエ【柴崎道場】(東京都)

2019/04/05 (金) ~ 2019/04/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/04/06 (土) 13:00

今年もこの作品を上演して頂いたことを嬉しく思います。
アトリエ公演という制約もありながら、やっぱりその枠を超える空間でした。

自分で選択できる何かに必死になることができて、
自分さえ諦めなければ、可能性がいくらでもあるという、
その尊さを改めて思い起こさせて頂いて、
そんな感情も、演技であって演技ではないというある種のリアルさがないと
伝わらないものだと思うのですが、しっかりと伝わりました。

あの時代に生きた人たちが、願っても、努力しても叶えられなかった
それぞれ守りたくて、でも、守れなかった想い。
これから羽ばたいていくであろう若い方たちの熱演も含め、
昔に生きた人たちの想いをしっかりと伝えて頂いたと思います。

コマギレ

コマギレ

ラビット番長

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2019/02/28 (木) ~ 2019/03/04 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/02/28 (木) 19:00

数多くの名作を生み出してきたラビット番長さんの、特別な公演。
会場に入っても早く観たい気持ちと、終わらないで欲しいという気持ちが交互に折り重なって、いわばミルフィーユな心の状態だったのだけど、
始まってみたら、とにかく観れて嬉しい、という気持ちに包まれっぱなし。
愛にあふれた、どこまでも前向きな舞台でした。

みなさんで積み上げてきた時間が紡いだ新しい物語、心と記憶にしっかりと刻まれました。
これが初日のクオリティだなんて、、最高傑作の幕開けを見れて幸せです。

カーテンコールの後、魂を持って行かれたというか、抜かれたような放心状態になり、
アンケートを書く手がいつも以上に震えました。
五感で感じる舞台だったと思います。

ネタバレBOX

本公演が最後の舞台出演となる看板女優の雪島さら紗さん。
6年前、ギンノキヲクの「瞳」を観た時から、光る逸材だなと感じ、
僕はその演技にすっかり魅了されてきた訳ですが、
凛とした強さと可憐さ、彼女にしか出せないその良さを存分に味わえるのも
本公演の大きな見所だと思います。
集大成にふさわしい、圧巻の演技でした。
虹の人    - アス アサ イヅ 四ジ ジシンアル -

虹の人 - アス アサ イヅ 四ジ ジシンアル -

演劇制作体V-NET

TACCS1179(東京都)

2018/11/14 (水) ~ 2018/11/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

こんな作品も作れちゃうんだ、それが全ての感想です。
公演は終わったけれど、いつか再演した時のために、
これ以上は書かない方がいいのかなと。

なんて作品を生み出しちゃうのだと。
ラストシーン、美しすぎました。
とんでもない素晴らしい芸術作品です。

ネタバレBOX

衣装や美術、小道具、そしてスタッフの皆様がいつものポロシャツではなかったところ含め、
トータルコンセプトの徹底ぶりを感じました。
地震の音がすごいリアルでよかったです。

「いいじゃないか、私は君を信じるよ」
井保さんがツイートされていたこの言葉を思い出し、
優しく見守る情の深さを感じました。

主演の大川内さん、井保さんの演技の深みが、
この作品の素晴らしさを更に引き上げたように思います。
ギンノキヲク(福祉フェスVer.)

ギンノキヲク(福祉フェスVer.)

ラビット番長

あうるすぽっと(東京都)

2018/09/28 (金) ~ 2018/09/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/09/28 (金) 12:00

30回目という池袋演劇祭の節目の締めにふさわしい、最高の作品でした。
オープニングとエンディング、娯楽の要素も多くあり、
たくさんの人達の人生模様を鮮やかに表現した、極上の舞台だったと思います。
星5つには収まりきらないほどの素晴らしさでした。
ダンスも合唱も、圧巻のクオリティ。
あうるすぽっとの広さを十分に生かした演出だったと思いました。
5公演だけなのが本当にもったいない、いつまでも観ていたい。

井保さんの信じる「演劇の力」を僕も信じているし、
今年もまたその力が本物であることをしっかりと感じさせて頂きました。
来年もぜひ!応援しています!

ネタバレBOX

ラストの合唱シーンで、池田さんだけが1人で利用者さんのオムツ交換をするあのシーンは、
もう芸術の域というか、あまりにも神々しい絵でありました。
そしてラストのTRY MEから、みんなが揃って待ってるシーン、
ずっと涙が止まりませんでしたよ。
第30回池袋演劇祭参加作品『ギンノベースボール』

第30回池袋演劇祭参加作品『ギンノベースボール』

ラビット番長

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2018/09/20 (木) ~ 2018/09/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/09/20 (木) 19:00

ラビット番長さんの作品は、多くが暖かさに包まれてる。
飛躍しすぎない身近な日常が、娯楽に昇華していくさま。
時に過去を思い出し、そして、少し先の未来の自分もこんな風になれたらと、
楽しい、面白い、という感情に留まることなく、
観終わった後にそんな希望がたくさん心に残る。
ステージから客席へ、幸せの連鎖だったと思います。

今回は、たくさんのかっこよさと、かわいさと、微笑ましさにあふれる2時間でした。
ロングラン公演してほしいです。

カチナシ!

カチナシ!

ラビット番長

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2018/03/01 (木) ~ 2018/03/05 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/03/05 (月)

とにかく優しさにあふれた、太陽のような暖かい作品だったと思います。
初日を観終わって、真っ先に感じたのは、「緩やかな優しい繋がり」でした。

「いきいきて」からの新シリーズに、過去の作品の伏線も散りばめられていて、
あの世界とこの世界も繋がってる!というのも、こそっと嬉しい。
ラビット番長さんの素晴らしい資産もミクスチャーされ、さらに楽しめました。
ご出演の皆さん1人1人の、こだわりの演技もまた素晴らしかったです。

夫婦の愛、親子の愛、友達や仲間との絆。
その描写にのめり込んだ1時間50分。
やっぱりラビット番長はすごかった。
またひとつ、素晴らしい作品を観れたことが、ただただ幸せです。

稽古期間中からTwitterで聞こえてきた、役者のみなさんの「絶対に面白い」という言葉の数々、
この言葉の信憑性が高いことを、僕は近年の公演で実感してきましたが、
今回もまたその通りで、そしてやっぱり期待を超える面白さでした。
このシリーズ、今後の展開が楽しみです。

ネタバレBOX

この舞台をみた人全てが幸せになるあのラストシーン。
全ての物事も、あのシーンに向かうためにあったというような、
多幸感、という言葉では語れないほどに、全てを包み込む暖かさ。
あの景色は忘れないと思います。
6回観させて頂きましたが、会長の最後のあのひとことに毎回涙が止まりませんでした。

余韻のある美しい照明と、随所に将棋のモチーフが組まれたセットと、
場面にぴったりな音楽の数々、その音の定位。

屈託のない笑顔のセンター長をはじめ、愉快で芸が細かいおばあちゃんたちに癒され、
無敵な新人の岸田ちゃんがぐんと成長した姿にもジーンとして、
時に孤独だったであろう、大原の妻の、大きな愛情と懐の広さにもほっこり。
この作品には太陽のような人がたくさんだったなぁ、と。
赤と青

赤と青

ラビット番長

演劇制作体V-NETアトリエ【柴崎道場】(東京都)

2017/12/15 (金) ~ 2017/12/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

アトリエに入り公演のパンフレットを開き、おお、病院が舞台なのかと。
配役を見て、そして冒頭のシーンから芽生えた先入観が、
見事に覆えされる展開、ああ、それかー!と。

たぶん、避けがちな、触れない方がよさそうなテーマかもしれないけど、
ちゃんと日常の中にある現実の世界を、今回もしっかりとしたエンタメに仕上げて魅せちゃう。
こういう作品でうならせる力、ラビット番長ならではの面白さだと思います。

階段を上がって中に入った瞬間から作品の世界観が始まってる、
そんなこだわり、毎回細部まで手を抜かないのもさすがです。

ネタバレBOX

あの母親が「自分が正しい」と思っていることを、きっと世間一般は正しくないと思うわけで、
ただ、母親の周囲の世界では、それが正しいことであって、
自分が絶対に譲れないもの、というのは、こういう問題に限った話ではないなと。

多くの人は、感情的に病院側が正しいと感じたと思うのですが、
これは絶対にこうである、という考えや信念の違い、
それぞれ揺るぎない正義や考えが平行線な中、
中立な存在は大事なんだなと。

黒板の存在がわかりやすさの手助けにもなり、効果的でよかったです。
11月アトリエ試演会

11月アトリエ試演会

ラビット番長

演劇制作体V-NETアトリエ【柴崎道場】(東京都)

2017/11/23 (木) ~ 2017/11/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/11/23 (木) 19:00

今まで見た舞台の中で、これが一番かも、そう思ったくらいに面白かった。
限られた広さの中でも、ここまで人を引き込むことができるんだと、
「試演会」という言葉の先入観からの嬉しい裏切り。
テストフライトにしては素晴らしすぎる。
役者さん1人1人、魅力に溢れる面白さ。

会場が防音になっていないこと差し引いても、
入場無料・カンパ制ではあること自体が贅沢すぎる内容でした。

上演時間70分、だけど本当は100分間。
これも嬉しいサプライズのように思いました。
そしてその時間からもう面白い。この見せ方、大好きです。

新しい物語が生まれた最初を観れて良かったです。

ステート オブ グレース

ステート オブ グレース

菅原夕

KATA【LIQUIDROOM 2F】(東京都)

2017/10/31 (火) ~ 2017/11/03 (金)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/10/31 (火) 20:00

光と影を効果的に使った作品だなと。とても面白くて引き込まれました。
壁に映る役者の影。
この影もまたもう1人の役者であるように思えるような、
場所のセレクトも含めて、素敵なアート空間でした。素晴らしい。

これが初脚本とは思えないほど、いや、別に初脚本だからということではなく、
純粋に、1つの物語として時間も含めてとてもよかったと思います。
セリフも洗練されていて、無駄がないというか、

自分では1文字も書いていなかった人気作家の栄光、そして転落、
同じ人間が崩れていくさまもまた迫真の演技でした。

無料公演「ギンノキヲク」&介護福祉フェス!

無料公演「ギンノキヲク」&介護福祉フェス!

ラビット番長

あうるすぽっと(東京都)

2017/09/29 (金) ~ 2017/10/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

毎年、いろいろな形で再演していただけているのもあり、
2013年のギンノキヲク3から観させて頂いています。

介護のテーマを娯楽に引き上げる、親和性をここまで高くできるのは、
ラビット番長さんしかいないでしょう。専売特許だと思います。
中には若干のフィクションも含まれていると思いますが、
極端にデフォルメせずに描かれた日常が、とても身近に感じました。

40人近い役者さんたちが舞台に上がっている訳ですが、
誰ひとり欠けても成立しない、そこがギンノキヲクのすごいところです。

年配の役を演じている役者のみなさんが、
本当の老人にしか見えないのもまた素晴らしいところ。

初日、60代後半の両親を連れ、前から6列目くらいで見ていましたが、
終演後に老けメイクを落とした役者さん達を見て、
こんなに若かったのか、と驚いていました。
もちろん、メイクだけではない、その所作のひとつひとつ。
作品の素晴らしさを支える、役者力の凄み。

前作「成り果て」からたった10日のインターバルを挟んで、
介護福祉フェスと同時に無料公演を行うという、
とても長い道のりだったと思います。

有言実行のラビット番長の歴史に、素敵な1ページが加わりましたね。
これだけ質の高い作品に出会えて幸せです。

ネタバレBOX

センター長にオムツをつけてるシーンのみなさんの舞うようなダンス、あれものすごく良かったです!
音楽にもぴったり、各々個性的に踊っていらっしゃる、とても圧巻でした。

傘のシーンはやっぱりきちゃいますね。ラビット番長の傘のシーン、大好きです。

名シーンばかりで見どころたくさん。楽しかったです。
【第29回池袋演劇祭「大賞」受賞作品】成り果て

【第29回池袋演劇祭「大賞」受賞作品】成り果て

ラビット番長

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2017/09/14 (木) ~ 2017/09/18 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/09/14 (木) 19:00

最高傑作がいくつもあるラビット番長さんの舞台。
2016年3月の初演で心をゆさぶられ、絶対にまた生で観たいなと、
そんな556日ぶりの、待ちに待った公演でした。

最高をまた作り直すのは大変だったと思いますが、
期待を裏切らない、本当に面白い時間でした。
自分の人生に重ねながら、少し弱っていた気持ちに勇気を頂きました。

もし「再演だから今回はいいかな、」という方がいたら、もったいなさすぎです。
ぜひ今回も観て欲しいと思います。僕は観れて本当に幸せでした。
初演とは配役も変わっている役者さんもいらっしゃって、
おおそうきたか!という感じもまた楽しめると思います。

初めてご覧になる方へ。
将棋の知識がなくても100%楽しめます!(僕もそうです)
こんなに面白く、心に響く人間ドラマはなかなか見れないと思います。

遅くても開演15分前までには席につけるように、
逆算して移動されることをおすすめします。

星5つでも足りない。。細かい感想はまた改めて。。

トノトノトノ

トノトノトノ

ラビット番長

演劇制作体V-NETアトリエ【柴崎道場】(東京都)

2017/07/14 (金) ~ 2017/07/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/07/14 (金) 19:00

実験的な要素の「RS」「誕生」という、ここでしか味わえない数々の名作を生み出すアトリエで、
本公演さながらの濃密さを展開するという、
前評判の高さが見る者の評価にほぼ直結、またはそれを超えるものを見せつける凄み。

世間一般的な稽古場公演というイメージからかけ離れたクオリティの高さと、
こんなに面白い作品がたった4回だけというプレミアム感。最高でした。

再演して欲しいと心から思う作品がまたひとつ生まれましたね。
動と静、光と影、役者力と舞台空間演出の絡みがとてもよかったです。

努力を積み重ねた結果ではあると思いますが、間違いのない面白さ、
ラビット番長はすごい才能の集合体だと思います。

ネタバレBOX

オープニング衝撃でした。カッコいいことと、笑わせることの両立。
破壊力たっぷりな、ものすごいインパクトです。
見る者を一気に引き込むのもまたうまいなと。影の使い方もまたよかったです。
誕生

誕生

ラビット番長

演劇制作体V-NETアトリエ“柴崎道場”(東京都)

2017/04/01 (土) ~ 2017/04/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

ラビット番長さんのアトリエ公演は、毎回実験室という感じが好きで、
本公演とは違った魅力に溢れていると思います。

中に入り、いわゆるステージセットとは違うものがそこにあって、
タイトルも含めて、いったい何がどうなるんだろう、という状態でしたが、
構成も含めて、相変わらずの見せ方がうまいなぁという印象です。

聞くところによると上演する回によって結末など違ったらしいですが、
あんな結末に行き着くとは、、脱帽です。
仕事の都合もあり4回中1回しか見れなかったのもありますが、
こういう実験作は、どんどん再演して欲しいなと思います。

ネタバレBOX

罰ゲームで腕立て伏せをするシーン、スクールウォーズのように
延々と続くかと思ってハラハラしました。。
ギンノベースボール

ギンノベースボール

ラビット番長

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2017/02/15 (水) ~ 2017/02/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

いつか年老いた時に、このギンノベースボールのことを必ず思い出して、
がんばるか、ってきっと思えるような、そんなパワーに包まれた作品でした。
未来の自分に、いいプレゼントができたなと、頂けたなと。
4回観劇する予定をさらに1回増やして、席も変えながら楽しませて頂きました。

「憧れ」が原動力になることの素敵さ。
これから20年、30年先も、自分が好きなことを追いかけていたい。
幸せの連鎖に満ち溢れた作品でした。

介護と野球と将棋と、自然に溶け合う世界観、井保さんの脚本のすごさと、
それを作り上げた役者のみなさん、舞台美術に衣装に照明に、音楽と、
最高の複合芸術だったと感じます。
星5つじゃ足りないです。

ネタバレBOX

きっと一番多い配役になるのかな、と勝手に想像していた野球選手の役、
始まってみたらたった3人だけというミニマムに驚きました。
(それも、終わって思い返して、そういえば3人だけじゃないかと気づいた感じで)

試合のシーンでも野球ボールは使っていないのに、
臨場感の凄さ、違和感ない、というレベルを超えて自然。
さすがラビット番長さんです。すごい。
野球ボールが実際に使われるのは限られたシーン、
だからこそそれが引き立つのだと。

井上夫妻のキャッチボールのシーン、あれ良かったですね。。
石井さんのさっちゃんは、まさにさっちゃんという感じの、
とても可愛らしいおばあちゃんでした。

おじいちゃん、おばあちゃん達が、若者だった時に戻る時の、
1人2役な声や所作の演じ分けがまた良かったです。
さら紗さん演じる光がタミちゃんに変わるあのシーン、
戦時中〜戦後へと時間が巻き戻っていく表現がすごかった。
そこからBBクイーンズの音楽に乗せた練習中にまた時間が戻るところも、エンタメ的にすごく良かったと思います。

居酒屋でのシーンも、バイトにいじられる店長率いる雰囲気最高でした。
由美の可愛らしい歌がまた良かったです。健司も1フレーズだけでも聞きたかった。

ギンノキヲクで可愛いらしいセンター長が、おばちゃん全開モードで、
北澤さんのふり幅の広さにもびっくりしました。

ケアマネ立花さんからギンノキヲクの(たぶん紀陽の里から)1人やってきたようなところもまた良かったです。
これがまた秋に繋がっていくような、、
(3館同時のくりもんみたいな感じといえば分かる方には分かるでしょうか)

パンフに役名がなく、「解説者」「解説者の妻」となっていた鶴巻さんと関口さん。
時間差で疑問が解けた瞬間にじわじわきました。
(実在の人物を演じるというラビ番さん的には岡村さんの羽生さんのような)
誰もがわかる、でもハードル高いぞ、を演じきったのも素晴らしい。

「天召し」でいうところの木下(野崎さん)な存在が、
今回の渡辺さん(渡辺さん)だったと思う訳で、
最初と最後の舞台の流れをしっかりと締めたところも良かったです。

良い部分挙げたらきりがないです。(あとでまた書き足したいなと。。)
〻のメルヘン

〻のメルヘン

フロアトポロジー

APOCシアター(東京都)

2016/10/05 (水) ~ 2016/10/10 (月)公演終了

満足度★★★★

WHITE ROOM
タイトルから僕が勝手に想像していた舞台とは少し違ったけれど、
チケットの写真の意味が分かった気がします。
なるほどそうきたか、という感じで。

たぶん答えは一つのはずだけど、容易にたどり着かせてくれない。
そこが狙いの演出であれば、この見せ方はかなりきわどいテクニック。
そんな観劇後の余白がかなり多くあったと思います。

ただ、時間軸が過去と未来が織り交ざった舞台でもあるので、
そこにたどり着くためのエッセンスや表現が、
あと数滴あってもよかったかもしれないな、って思いました。
(分かりやすさが全てではないですが、、)

僕が想像していた年月よりも、実はもっと長い年月の世界を描いた
作品だったのかもしれないな、と。

ネタバレBOX


冒頭、日記を開くところに降り注ぐ光、そのスタート具合と、
ラスト、左側のお店でケーキを食べるシーンと、右側で一家の時間が止まるところなど、
美しく魅せていたと思います。

普段は従順な仮面を被っている襟那が母に本音で向かっていくシーン、
記憶喪失、または多重人格的な状態の母であるとしても、
この時だけはちゃんとわかってて、でもそれをかわす、
本気でぶつかっても通じない心。
襟那の悔しさの表現に見入ってました。


以下、長いですが、僕の推理とかもろもろを・・・

最初の夫とその愛人が死んだのは、今回の作品世界のどのくらい前か?

襟那の幼少時の記憶から遡ると死から20年くらい過ぎてる訳で、
で、その殺害を自供した管財人は、ずっと捕まらずに今にきた訳で、
(であれば時効が成立してるのでは?というところ)

遊馬が飾屋家にやってきたのは、夫と愛人の死から何年後なのか?


最高に楽しかった1年間の再現を、これまで何年繰り返してきたのか?
(今回が初めて?それとも、これまでも&この先も続ける)
前者のような気がするけれど、僕は後者に思えていました。

その役目を背負うことになった野間、
菜々子と恋に落ちてから、菜々子が病に倒れ、
彼女を助けるために他人になりきる仕事を選択するまでには、
相応の時間が必要だなと思うのだけれど、
遊馬役の人を他にも何人もキープしてるのか?とか思えてきたり。

母以外の登場人物は、最初は週刊誌系の記者に追いかけ回されてる人たちな印象だったけれど、
後半につれて、その聞き手はたぶん菜々子だと観客は気づかされるわけで、
じゃ菜々子はなんでそれを当事者に聞きまわっていたのか?
その理由がうまく導き出せない。
(思い出させることでの父への復讐か。特に襟那には効果的な印象も)

聞きまわっていたのは、ラストシーンの、ケーキ代という名目の報酬を受け取ったあとの時間軸?

この時間が入ったりきたりの部分の混乱も、また狙いだと思いますが、
登場人物の服装の工夫で解決したのかもしれない。
(管財人なら、スーツの上着を脱いでネクタイを外すとか)
でもあえてここをしないというなら、僕の推理も外れる訳で。

僕の中では、
菜々子は実は病気でもなんでもない。
2番目の夫との日々のRetraceをするために、
菜々子はエージェントとして毎年報酬を受け取っていて、
菜々子とは管財人と共に遊馬になる人を探している。
(でもこれだと聞き手が菜々子である、というところには結びつかないから違うかも。いや、聞き手は菜々子1人とは限らないかも、、)

最初の夫とその愛人の間には、子供は2人いて、
1人が使用人、もう1人が菜々子。
使用人は潜入しているスパイ的な感じで、姉妹でグルになってる。

実際に菜々子が病気だったとしたら、
利害関係の一致で仕事を引き受けただけなのか。。

ただ、付き合ってた恋人を利用したにはあまりにも非情すぎる。
となると、やっぱりあれは病気ではなかったのではないか、という想像にも膨らみ。。

まとまらなくなっちゃった。
でも観劇後にこうやってあれこれ考えるって滅多にないから、
新鮮なことをされているんだなぁと感じました。

そんな意味で、舞台セットの白=実験室、的な要素もあったのかな、と。
天召し-テンメシ- 【第28回池袋演劇祭参加作品】

天召し-テンメシ- 【第28回池袋演劇祭参加作品】

ラビット番長

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2016/09/15 (木) ~ 2016/09/19 (月)公演終了

満足度★★★★★

ラビ番最高傑作
ラビット番長の「凄み」が極まる作品でした。

役者力の凄み。
舞台美術と照明の凄み。
星5つじゃ足りません。

季節とともに変わる衣装と、色合いもそれぞれのキャラによく合っていて、
そんな彩りもとても良かったです。

とにかく、役者のみなさんそれぞれの声がとてもいい。
将棋がテーマということもありますが、
それぞれの役柄ごとの所作の美しさ、
凛々しさも際立っていたと感じます。

同じ台詞が作中に繰り返し出てくる部分がいくつかあり、
これが序盤と終盤で全く違う印象を持たせたところも、
見ている人の心の震えを増幅させるのだと思いました。

約束のその日まで生きようとした姿と、
とにかく欲望に弱い人間の、醜い部分の共存。

とてもすごい舞台でした。
東京だけではなく、他の地方でもやって欲しいと強く思いました。
こんなに評判が良いのだから、きっと再々演やって頂けるはず。。

ネタバレBOX

高熱で朦朧とする智の姿に重なる、森田童子の歌声のシンクロ感、
舞台にぴったりな選曲だったと思います。

序盤の、取り立てに来たシーンに舞うお札の演出。
(このシンクロ感がたまらなかったです)
そして終盤の取り立てのシーンに漂う儚さと美しさ、
この対比にも心が震えました。

「おっちゃんな、プロの将棋指しなんやで」
この台詞のリフレインが、ラスト目頭に来ました。
4年後、「羽生くんに教えてもらった」、というネタばらし、
感動の余韻の持続を笑いで切るタイミングがまたうまい。
愛される田島のキャラクター最高です。

ラスト、たった1つの駒に注ぐ光は、
まるで天使の梯子のように見えました。

そして、お客様への挨拶の中に続いていた物語、
本当のエンディングの対局。
羽生が髪をかきあげながら、次の手が見つからない、と追い詰められた表情を浮かべ、、

もうなんですかこの演出は。最高すぎじゃないですか。

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以下、細かくニヤけたりしたことを。

初日だけ、非常灯が点いたままで、暗転時に完全に暗転になってなくて、
石橋くんが舞台袖に抱きかかえてもらってハケるのが微笑ましかった。
ここで舞台が回るのが見えて、ひとり「おおおおお!」ってなりました。

桂子がセンスの軸の隙間から大人の時間を眺めるところと、
親子漫談な掛け合いがとても微笑ましかった。

智と郷田の言い合うシーン。その後の身体をさするところが、
もうなんというか、胸が熱くなりました。

中盤、池田が土木作業員になっていたシーン。
メットでギリギリ顔を隠す感じも良かったと思います。

酒を要求された本郷が、池田に渡す時の、絶妙な間合い。
最初の出会いから時が経て、どこか池田を許容したような本郷。

瀬川が池田に「無理」と優しく突き放すシーン。
新人編集者の初々しさから、大人の女性になった感じ、
ここに、時間の経過を垣間見たような。

そして木下の存在の大きさ、とにかくしびれました。
始まりと終わりの台詞、かっこよすぎる。。
成り果て【グリーンフェスタ2016 GREEN FESTA賞 受賞作品】

成り果て【グリーンフェスタ2016 GREEN FESTA賞 受賞作品】

ラビット番長

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2016/03/03 (木) ~ 2016/03/07 (月)公演終了

満足度★★★★★

Fantastic !!
2日目の昼と夜、2回観劇しました。全てにおいて星5つ。

約2時間にしっかりと詰め込まれているのに、
Too Muchな感もなく、それでいて緩急がしっかりとしていて、
自然に作品に引き込むすごさ。
狭い空間を最大限に見せる作りもまたすごい。

大半のお客さんも同じ印象を持ったと思いますが、
将棋をほとんど知らなくても最高に楽しめるというのは、
芯のある脚本と演出、たくさんのレベルの高い役者さん達が、
それぞれの持ち味を最大限に出した結果でしょう。圧巻でした。

これだけすごい作品なのに、観れる人数がキャパ的に限られるのがもったいない。
いつか再演する時は、より大きな会場でやってほしいと強く感じます。

挫折を超えた先にある絆。とても良いお話でした。

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