法水の観てきた!クチコミ一覧

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CONSTELLATIONS

CONSTELLATIONS

劇団スポーツ

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2025/09/10 (水) ~ 2025/09/15 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

劇団スポーツの新シリーズ《NOWHERE》第一弾。これまで観てきた本公演とはまったく違うテイストの作品で、一組の男女をそれぞれ3人ずつの俳優が入れ替わり立ち替わり演じる。「星座」というタイトルに相応しく、無前の宇宙的広がりを感じさせてくれた。

それはそうと、出演者欄の田島さんが「甲島」、スタッフ欄の内田さんの名前が「修史」になっているのはなんで……。

音楽劇 金鶏 二番花

音楽劇 金鶏 二番花

あやめ十八番

座・高円寺1(東京都)

2025/07/07 (月) ~ 2025/07/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

すんばらしかった。今年のベスト5には入れたい作品。
昭和25年、日本初のテレビ実験放送が始まった日本放送機構を舞台に2人のアナウンサーを中心に描いた群像劇で、登場人物のすべてに思いを馳せずにはいられない。
中野亜美さんは役名からしてテレビ草創期から今も活躍するあのお方を思わせる役で、劇中でアプレゲールと称される通り、新しい時代の希望そのもので太陽のような存在だった(ちなみに舞台上にも大きな太陽があり、これの使い方も面白い)。
キャストは本当に全員よくてお一人お一人名前を挙げたいぐらいだけど、中でも結核を患うアナウンサー役の浜端ヨウヘイさんは声もよくて歌もうまくて一際印象に残った。本業はシンガーソングライターだそうで納得。
吉田能さんによる音楽もとてもよく、ミュージカルだったらここで拍手が起きるのにと思うこともしばしば。ミュージシャンが役者としても登場するのもあやめ十八番の音楽劇ならでは。アンサンブル的立場の役者さんたちも粒揃い。
本作は13日までの上演だけど既に土日は前売完売。残すは平日の6ステ(木曜は休演日)。予約は急がれたし。あ、配信もあるでよ。

9月に東京芸術劇場シアターイースト(お久しぶりね〜)で上演される草創記『金鶏 一番花』も今から楽しみ。

フィッシュボウル

フィッシュボウル

マチルダアパルトマン

水性(東京都)

2025/05/29 (木) ~ 2025/06/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

黒い金魚チーム初日を鑑賞。すんばらしかった。
水性で上演される作品に外れなし。
冨岡英香さん出演ということで黒を選んだけど、即座に赤い金魚チームを予約して翌日に鑑賞。
あえてどんな作品かは書かないでおくけど、マチアパを観たことがないという人、いやさ演劇を観たことがないという人にこそ観てほしい(18歳以下は無料!)。これを観たらこの劇団のことを、演劇のことを好きにならずにはいられないと思う。そしてあなたも町民になりましょう(何のこっちゃ)。タイトルも秀逸。

逆光が聞こえる

逆光が聞こえる

かるがも団地

新宿シアタートップス(東京都)

2025/04/24 (木) ~ 2025/04/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とてもよかった。かるがも団地の新機軸にして最高傑作。誰しもが己の加害性について考えざるを得ず、いたたまれない気持にもなるが、今、この時代に観られて本当によかった。
様々な役柄をこなす役者陣も素晴らしく、8人しかいないとは思えないほど。メインの板場さん、北原さんがよかったのはもちろん、仙田姉他を演じた武田紗保さんが印象に残った(声の大きな俳優好き)。

絵本町のオバケ屋敷 〜愛!いつまでも残るの怪!〜

絵本町のオバケ屋敷 〜愛!いつまでも残るの怪!〜

優しい劇団

高円寺K'sスタジオ【本館】(東京都)

2025/04/19 (土) ~ 2025/04/19 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

今回は東京の役者5人と東海圏の役者5人による1日で作って1日だけ上演する演劇公演。その名の通り尾﨑さんの優しさが滲み出た作品で、今回は特に昨年亡くなった唐十郎さんや天野天街さんのことを思い出せずにはいられなかった。
儚げな声が郷愁を誘う土本燈子さん、カッコよすぎる宝保里実さん、一番声が出ていたんじゃないかという山口ことねさん等々役者陣も文句なし。

或る、かぎり

或る、かぎり

HIGHcolors

駅前劇場(東京都)

2025/04/02 (水) ~ 2025/04/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

前日、お隣のOFF・OFFシアターで観たムシラセ『なんかの味』に続いて本作も家族の話でこれまたよかった。
引きこもりの長男を演じた根本大介さんはめんどくさい男を実に見事に演じていて顔面に3発ぐらいパンチをくらわせたいほどだった(褒め言葉)。他のキャストもそれぞれよかったけど、とりわけ土本燈子さんの清々しいまでの真っ直ぐさが痛快。
当パンに配役が書いていないのは不親切すぎるので改めてほしい。

ネタバレBOX

全体的にはよかったけど、最後の父親の奇矯な行動でやや冷めてしまったのも事実(もったいないとか復旧が大変そうとかそういう余計なことを考えてしまうので)。
なんかの味

なんかの味

ムシラセ

OFF OFFシアター(東京都)

2025/04/02 (水) ~ 2025/04/09 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初日に親族として列席。とてもよかった。結婚を控えた娘と父親とバーのママとバイトの物語。わずか90分の作品でこの親子が生きてきた二十数年間が凝縮され、終盤、まんまと保坂さんに泣かされた。
キャスト4人とも素晴らしく、特に有馬自由さんは観た人全員がファンになってしまうのではと思うほど。橘花梨さんは複雑な思いを抱える娘を好演。カウンターで父と娘の会話を聞いているときの松永玲子さんの表情がこれまた泣けてねぇ。『アンサンブルデイズ』からわずかな日数で別人のような演技を見せる中野亜美さんにも刮目せよ!

エアスイミング

エアスイミング

カリンカ

小劇場 楽園(東京都)

2024/02/28 (水) ~ 2024/03/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

正直なところ、現実と虚構が入り混じった本作の内容をどれだけ理解できているかと問われれば甚だ心もとないのだが、小口ふみかさんと橘花梨さんの演技がとにもかくにも素晴らしく、お二人が登場した瞬間から引き込まれた。あとは1時間50分、眼の前で繰り広げられる圧倒的な台詞量とスピーディーな展開を全身に浴び、終演後もしばらくはお二人の表情や動作の残像と声の残響が続いていた。

長い正月

長い正月

20歳の国

こまばアゴラ劇場(東京都)

2023/12/29 (金) ~ 2024/01/08 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

物語は大正12年(1923)の大晦日から始まり、令和6年(2024)の元日までの100年間の木村家における正月をシームレスに描く。衣裳やメイクはそのままでも台詞一つで大正12年と思っていたのが、いつの間にか昭和元年(1926)になるという具合で実に演劇的な見せ方。登場人物たちはどんどん年齢を重ね、子供たちは大きくなり、上の世代は一人、また一人と死んでいく。その死は該当人物が下手にある地下への階段を降りていくことで表現されるのも印象的。
木村家の家業も最初は酒屋だったのが、純喫茶になり、カラオケを取り入れたりと時代ととに変化していく。一方、木村家の隣には代々神職を務める田崎家があり、最初の時点では博の幼馴染の克也が顔を出す。やがて父親が死んで克也が宮司になると養子の春彦が…という具合に神職同様、こちらも受け継がれていく。時代とともに変化する家庭もあれば、伝統を変わらず守っていく家庭もあるが、どちらにしても家というものを大事にしていくという、ある意味、日本らしい価値観は共通しているように見える。

ネタバレBOX

この物語をどうまとめるのかなと思っていたら、最後はひかるが中島みゆきさんの「時代」を歌い始め、これまでの100年が走馬灯のように流れていく。この選曲とこの演出はずるいよーと思いつつ、木村家の100年の歩みに感涙せずにはいられなかった。

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