満足度★★★★★
真摯な作り手による素晴らしい作品
「震えた声はそこに落ちて」感想。
ネタバレBOX
ダレる部分もなく、ラストまで話が進んでいくのだが、90分の枠に収めようとしてタイト「震えた声はそこに落ちて」感想。ダレる部分もなく、ラストまで話が進んでいくのだが、90分の枠に収めようとしてタイトになったのではないか?それで何点か無理があるな、と感じた部分も。もうすこし時間が長くても良かったし許された。
一点だけに気なったのは、碧が来たところで店主が「紺碧のぺき」というくだり、まだ碧が履歴書(メモ)を書いているところで、「あおい」と聞いただけで「碧」が出る人って少ないのかな、と。
ミステリィなら犯人がバレるキッカケになるパターン。
基本的な人の配置が下手→上手で被害者→加害者という感じで進み、ハケるところ以外は人物で大体の位置が決まっていた。碧だけが下の琴子の近くから上の孝道の間を行き来する(そして最後に退場)。転換もなく食堂だけの芝居で、とても考えられていた。
Aチームしか見てないので恐縮だが、「声」というキーワードの芝居で、それぞれの役で声が大事なポイントだったが演者さんが総じて、セリフも噛まず、声の大きさ、トーンを大事にしていたと思う。
琴子が声が出ないということで、見る前から出るようになるんだろうとは思うものの、そこがポイントになっていたが、演じた前田沙耶香さんが声の出ない時、出るようになってからの使い分けをうまくやっていた。
テーマ的にも重いのだが、当初二回目を見る気になれなかったのは、孝道側の3人の演技によって、嫌悪にも似た感情が起きていたからだと、二回目を上手で見て思った。(これは褒め言葉である)。なかでも孝道役の平岡謙一さんが秀逸。
だからこそ、終わりに向かって、皆が救われる(解決に向かう)必要は無かった気がする。物語のエンディングは「スタート」であり「ゴール」ではないと思ったから。
作品と離れたところで言えば、最後の挨拶で作者と平岡さんが出てくるのだが、締めの挨拶を精一杯大きな声でした所に好感を持てた。真摯な態度で向き合ってるんだな、と。カーテンコールで一言目から物販の話をする劇団をみたあとだったので、余計に。
次回作も楽しみにする劇団が、一つ増えた。
満足度★★★★★
エンターテイメントユニットの本領発揮
リベルタ10周年の記念すべき作品。
オムニバスのマルチエンディングという試み。
「自殺を手伝う代理店」のツムギとイオリの二人の物語で
ツムギside、イオリsideの2通りのお話がある。
ネタバレBOX
オムニバスで3人の依頼者のお話と、彼女たち自身の話が描かれる。
sideによって、ラストの4本目が異なるのだが、他の細かいところも
セリフや動きが変わっていて、とても作りこまれた演出だった。
どちらのsideもイオリが去ることになるのだが、HSCの社則の設定が
うまくできていたと思う。
個人的にはエピソード3での病気の少女の話で、親子でなくシーンが
とても切なくて、涙腺が崩壊した。
演技だけでなく、途中の歌や転換時のダンスも見もので、
エンターテイメントユニットの本領を発揮した作品だった。
素晴らしい役者さん、ダンサーさんが心を込めて作っていた
素敵なお芝居だった。
満足度★★★★★
ロングランのスタートにふさわしい作品
22公演ロングランのスタートを飾る本作
安楽死をさせられる施設に送られた「マウス」たちと、
そこで働く医師や科学者。
お互いの倫理、正義、道徳、それらが交錯しながら
物語が進んでいく。
テーマ的にも、考えさせられる作品だった。
ネタバレBOX
最後のシーンの毒ガス装置に入るNo1の演技で
一気に涙が流れてしまいました。