イノユウの観てきた!クチコミ一覧

1-3件 / 3件中
覇道ナクシテ、泰平ヲミル【偽蝕劉曹編】

覇道ナクシテ、泰平ヲミル【偽蝕劉曹編】

劇団ZTON

王子小劇場(東京都)

2016/09/22 (木) ~ 2016/09/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

エンタメ三国志
ZTON初上陸の東京で、初ZTONして来ました。
昔から三国志を愛していますが、三国志を扱う舞台はそんなに多くなく、非常に楽しみにしていた所です。
正統派三国志と言うよりファンタジックエンタメという感じ。
とても面白かったです。
作品内容に関する感想はネタバレにはさみます。

舞台としていくつか気にかかった点もありました。
特に印象に残った役者さんが殆どゲストさんだったこと。
衣装、小道具がどうしても「つくりもの」っぽく見えてしまうこと。
小道具については、構え直す、立て直して地面に柄をつける、などのタイミングでSEを入れたら良かったかもな、と思います。
どんどん規模を大きくして、いろいろ余裕が出てくればおのずと改善されましょうが…頑張れ!ZTON!!と思いました。

劉備役の為房さんが、おそらくZTONの看板俳優さんなのですね。
迫力のある芝居、まさに最速の殺陣。すっごい方がいるな~!と思いました。
彼だけ抜きんでてます。頑張れ!ZTON!!

それから、脚本と演出が非常によいです。
話の解釈の仕方も素晴らしいですし、BGMセレクトや照明での画面作りもとても綺麗。偽触編が合体していることから、構成がすこし見づらい所はありましたが。

まだまだ大きくなる、素晴らしい劇団だと思います。わざわざ東京に来て下さって本当にありがとうございます。今後の活躍も楽しみにしています。
ぜひまた東京にいらしてください。

ネタバレBOX

キャラクターの魅力がそれぞれ振り切っていますよね。
劉備が、劉備じゃない!そ、そんなことあんのかよ!と思いましたし、そこが話の肝なんでしょう。
いろんな事件の要因が殆どすべて劉備に繋がっており、龍の力を借りずして暗躍しまくる劉備のチート具合にはワクワクしっぱなし。
劉備と弁の中盤までのロマンスもとても楽しんでいたのですが…素晴らしい最低野郎っぷりでした、残念です。

関羽・張飛も非常に魅力的です。張飛がなにをしていても可愛い。それに作中珍しいまともな感性の持ち主だな~と。張飛が清涼剤です。
趙雲はあまりまともな出番が無く、まだちょっと残念なイケメンだったのが少しもったいなかったかもしれません。

それから、曹操。史実の曹操好きは愕然としたかもしれませんが、これまた可愛いキャラクターだな~と和んでしまいました。声がとてもよく、役者さん本人の魅力が曹操の魅力を際立たせていたように感じます。

袁昭も曹操とは別の意味で声に張りがあって、迫力がある武人として、また、観客に近く人間的な価値観の持ち主として親近感を覚えながら観る事が出来ました。よい凡人感だったと思います。

董卓、一番驚いた解釈のキャラクターでした。
賢く、時勢を見極める力を持ち、小柄で可愛い!明るく装う所と賢く引き際を見極める所の裏表が観ていてドキドキしました。とても魅力的です。

それぞれの龍のキャラクターもきちんと確立されていて楽しいです。黄龍は可愛いし、土龍はイケメン!炎龍のすてらさんは女性ながら堂々たる立ち回りで勇ましく美しかったです。
夏侯兄妹の優しさと常識加減好きです、郭嘉やっぱり龍だったか~、黄巾党の頭のおかしい感じまさに呪者っぽかった、などなど、見所が沢山あって、それぞれの魅力も沢山あって、しかもシリーズ化しているなんて。
面白くて困っちゃいます。思い出せば思い出すほど面白い。
素敵なエンタメ作品です。
SQUARE AREA【ご来場ありがとうございました!】

SQUARE AREA【ご来場ありがとうございました!】

壱劇屋

王子小劇場(東京都)

2016/04/06 (水) ~ 2016/04/10 (日)公演終了

満足度★★★★

初・壱劇屋でした
初・王子小劇場、初・壱劇屋、初・SQUARE AREA。
観劇好きの知人に声を掛けて貰って、ようやく壱劇屋さんデビューをしました。

開演前から、舞台空間が面白い。
囲みの舞台というのは珍しいわけではないけれど、真ん中にドンと立方体の枠があって、絶えず変化する照明と鈍い音が四角の空間を包み込んでいる。その周囲をうごめく観客。
異様な空間が、もう既にインスタレーション作品みたい。舞台作品の世界観とか、いわゆる「空間づくり」に、開演前から成功しています。

それから驚いたのが音圧。地下だからなんでしょうか。
OPダンスの音量の余りの大きさに最初すこしビビって、だんだんその音量が心地よくなってくる。そうなってしまうともう作品の中ですよね。

パントマイム系の舞台を見た事が無かったので、やわらかい体の使い方がとても面白く感じられました。加えて、テクノっぽい硬質な音楽と、四角というエッジの効いた環境に、そのやわらかさが見事にマッチしている。
王子小劇場の地下という環境、非日常的で異様な作風、役者の熱量と観客の近さという箱の大きさ。
小劇場ならではの良さを見事に活かしきったすばらしい作品だと思います。
ぜひまた東京にいらしてください。東京を制圧できるのもすぐだと思いました。

DVDでお勧めするより、現地で見て欲しい作品です。
東京では、あと知名度が欲しい。そこからもっと伸びて欲しい。
そこに期待して★四つとさせて頂きます。

ネタバレBOX

作品内の話になります。
「SQUARE AREA」という洋風のタイトルに、まさか故事「四面楚歌」が絡んでくるとは思いもせず、中盤気づいた時に、柔らかい発想だなあと驚いてしまいました。
また、ルービックキューブから得た「一面・二面」とクリアしていく脱出ゲーム的な要素。
四角といいながら、実際には六面ある立方体であること、面だけで形作られているわけではなく、点と線から四角が生まれる事。
「四角」と「刺客」をかけていること。
「四角」という状態をありとあらゆる角度から考え、掘り下げて、一つの演劇作品にしてしまう。

様々な要素をゴテゴテつけたしたような演劇が多い中、一つの要素から掘り下げ、奥が深いと言える所まで持ってくる洗練されたシナリオでした。
あまやどり

あまやどり

劇団 C.falcata

プロト・シアター(東京都)

2015/12/22 (火) ~ 2015/12/23 (水)公演終了

満足度★★

初演初回
旗揚げ公演、初回を観劇。
旗揚げとは思えない熱量と歌声に圧倒される。
脚本・演出、照明プランは薄く、もう少し練ってほしかった。

このページのQRコードです。

拡大