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みのほど

みのほど

(劇)ヤリナゲ

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2018/08/24 (金) ~ 2018/09/02 (日)公演終了

満足度★★

結論から言うと、3,000円に値しない作品だと感じたし、公共財団が主催している事実がさらにもやもやさせる結果となった。


前提としてトラブルがあっても公演続行・料金据え置きを選択したならば、「やりぬいたことが素晴らしいです」と言われていいのは学生までだと思っている。
中止や料金変更ができない事情があったのかもしれないが、そうでなければ客に尻拭いをさせたと言われても仕方ないと思うので、もはやそういう事情があってほしい。

それかヤリナゲは初見だったので、これで多少クオリティ落ちするレベル、あるいはこれが東京の3,000円のお芝居のレベルなのだろうか?
であれば好みとかそういう問題になるので以下の感想は全て意味のないものになる。

とはいえ、役者は良かった。が、他が目につき過ぎてすごく良いと思うほど集中させてくれない本と構成だった。他のお芝居で面白い役者だと思った方も何人もいただけに残念だ。


MITAKA NEXT Selectionは新進気鋭の若手を応援するものだと書いてあったが、観る側も創る側も経験したことある三鷹市民として、そのコンセプトに観客や市民の姿は見えないように感じる作品だった。

自主公演なら身内感も分かりにくさも自由だが、公共財団の主催するセレクションで演劇初見殺しどころか多少観劇慣れしていても多様性と括るべきか否か…みたいな部分が多すぎる作品を観せられると、観客としても演劇を広めたいイチ演劇人としても悲しい気持ちになる。

トラブルをうまく作品に昇華したとする意見もあったが、私はそうは感じなかった。
「演出的にコントロールしきれてない感じが演出の不在を感じる」とかも計算あるものではなく、結果としてトラブルを舞台に上げた段階で観客がそう解釈しようと思えばできるというレベルにとどまる。
もし、受け取り方が全てというならどうかカンパ制にしてほしかった。

悪因が重なるからこそ言えるのかも知れないが、小劇場ならなんでも「これを面白いと感じる人もいる」というユルさは公共の噛む演劇には持ち込むべきでないと思う。
(小劇場の多様性は尊いものだということも、当然私の感想も主観に過ぎないことも重々承知しているがチケット代に加えて税金まで払っているので敢えて言いたい。)

最初に価格のことに言及したのは、金額は平等な価値基準であってほしいと思うからだ。
「おもしろい」「おもしろくない」は主観であっても完成度やクオリティはどこかで担保していてほしい。

ネタバレBOX

トラブルをメタっぽく扱って始まるが、そのテーマ性も散漫で感情が動かすものがなかった。短編一本一本も消化不良だと感じたがそこは好みなのだろうか。
わかりにくいけども分かる人には分かるみたいな作りなのかもしれないが、余白と本質を見えにくくする味付けが多すぎて意図している要素・面白いと思う要素を共有しきれてない感じがした。

冗長さを音響で無理につないだ印象が強く、あとラストの爆撃音も音がでかすぎて本当にツライ。(エンタメ作品もライブもよく観るので慣れてないわけではない)



最後に、

全員の稽古シーンにはいるのに短編には出てこなかった役者がいた(と思う)。

もしその役者を"本件を受けて(本当に)降板した役者の象徴"として、偶然ではなく意図的に短編に登場させなかったのであれば、それはトラブルをメタとして取り扱う創り手の意思を強く感じる。

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